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日本で韓国本がブーム、その裏で進む韓国の若者の読書離れの理由

  • 2021.2.12
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出版不況にあえぐ近年の出版業界に元気を与えたのが、韓国の書籍を日本語訳した韓国本(K-BOOK)でした。しかし、日本の韓国本ブームの一方で、韓国では読書離れが進んでいるといいます。

■『82年生まれ、キム・ジヨン』だけじゃない!今、韓国本が人気

人気の韓国本といえば、まず『82年生まれ、キム・ジヨン』です。女性であるが故の不条理に苦しめられてきた主人公の半生を描いた小説に、多くの女性が共感し、ベストセラーとなりました。

その後、韓国的「刺さる言葉」が満載のエッセイなど、複数の韓国本が次々と出版され、人気となっています。

韓国本には、国境を越えて人々の心をとらえる力があるようです。

■読書離れする韓国人

魅力ある本が多い韓国の人たちは、きっと多くの本を読んでいるに違いない、と想像します。しかし、現実はその逆で、近年、若者を中心に読書離れが進んでいるのです。

2018年、韓国の大手就職ポータルサイト「ジョブコリア」と「アルバモン」が20~30代の男女2,952人を対象に行ったアンケート調査によると、10.1%が1年間に本をまったく読んでいませんでした。

また、読書経験のある人の1日の平均読書時間は30.6%が30分〜1時間、23%が15〜30分、18.7%が15分未満と、極めて短いことが明らかになっています。

■最大の原因はスマホの普及

そのような韓国人の読書離れの原因としてあげられるのがスマートフォンの普及です。90年代後半にあったIMF危機以降、韓国は国策としてモバイル環境を整備し、スマートフォンもいち早く普及しました。

韓国もまた、スマートフォンに多くの時間を割かれ、読書時間が減少してしまっているようです。

■コロナ禍で変化が

読書離れが進んできた韓国ですが、最近になって変化がみられるようになりました。コロナ禍による「巣ごもり」で、おうち時間を読書して過ごす韓国人が増え、本の売り上げが伸びたのです。

大都市圏を中心に外出自粛が求められている昨今、私たちも韓国の人たちのように、おうち時間を素敵な本との出会いにあててみるのも悪くないかも知れません。

文・国山 浄

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