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愛されることしか考えない男性ほど、好きな女性を遠ざける

  • 2021.2.5
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好きな人に愛されるのは幸せなこと。ですが、「他人からの愛情」に執着する弱い男性は、好きになるほど女性を遠ざけてしまいます。「傷つけられたくない」「捨てられたくない」そんな気持ちが強くなると、わずかなつまずきでも不安になって女性を攻撃してしまう。女性と良い関係を築けない原因は、「心の器」が小さいことにあります。

■「俺は好きな人を傷つけるモンスターかもしれない」

とある自分に自信のない男性は、誰かを愛することはできてもその恋が成就することはなく、いつも片思いで終わっていました。

LINEでメッセージのやりとりをしてもいつも素っ気ない返事しかできず、会っても緊張が先に立って、なかなか素の自分を見せられない。女性のことをもっと知りたい、自分のことももっと話したいと思っても、リラックスできないので会話がしどろもどろになる。

そんな状態で、交際までたどり着けることはありませんでした。

また、お付き合い寸前までいっても、小さなきっかけでケンカになるとどうして良いかわからずに相手を傷つける言葉を吐き、離れていかれるのも男性を苦しめることのひとつ。

最後はいつもひとりぼっち。親しい友人もできず、気軽にご飯を食べに行けるような相手もいません。

女性と深く関われないことは、

「俺は人間として重大な欠陥があるんじゃないか」
「好きな人を傷つけるモンスターなのかもしれない」
「ひとりで生きてひとりで死んでいくしかない」

と、「人としてまともでない自分」を知るネガティブさばかりが募ることになります。

あるとき、そんな男性を好きになってくれる女性が現れました。

明るい性格で誰とでも仲良く話し、たくさんの人とコミュニケーションを取る女性は、男性にとって眩しいような存在感がありました。

自分に好意を向けてくれることがわかって、「好きになってくれるなら俺も好きになろう」と思いますが、これまで自分の気持ちを伝えても上手くいかなかった経験しかない男性は、女性とどう向き合って良いかがわかりません。

また、ケンカになれば怒りから簡単に女性を貶めてしまう自分のことを思い出せば、仲良くなるのが怖く、どうやって居心地の良い距離を保っていられるかを考えられません。

下手に自分のことを知られたら、今までのようにきっと離れていかれる。
俺は人間として欠陥のある男だし、きっと愛されないだろう。

そんな不安ばかりが湧き上がってしまい、心を開くことができずにいました。

でも、彼女からは愛されたい。

彼女が向けてくれる笑顔、いつも先に送ってくれるLINE、食事の誘い。

「待っていれば彼女のほうから声をかけてくれる」状態は、男性にとっては大きな安らぎでした。

自分が動くより、彼女に任せていればいい。自分は「応える側」であればいい。

それは、甘えでもあり逃げでもありました。

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■愛情が憎しみに変わるとき

こちらから連絡しなくてもいつも変わらず言葉をかけてくれる女性に、男性はどんどん惹かれていきました。

会えばどこに行くかも彼女が決めてくれているし、美味しいお店も知っている。会話もリードしてくれるし、ささいなことで笑いあえる。

そんな女性は男性の人生で初めてで、男性は「こんな俺でも愛されるんだ」と大きな喜びを感じていました。

ですが、彼女を好きになればなるほど、気になるのが彼女の人間関係です。

男性以外にも親しくしている人が女性にはいて、そっちの男は女性の扱いも手慣れているし、彼女を良いところにも連れていけるし、つまり「俺より明らかに格上の男」。

その人との時間を楽しそうに話す彼女に、男性は不審感を覚えます。

どうして俺がいながらほかの男と会うんだろう。
俺のことが好きなんじゃないの?
やっぱり俺じゃダメなの?

その不安は、男性に絶望感を与えました。

どんなに仲良くなっても、最後は選ばれない自分。こんなに親しいのに、俺はこんなにあなたのことが好きなのに、どうして俺だけにしてくれないの?

やっぱり、俺は人から愛されない人間なのだろうか。彼女もいずれ俺を捨てるのだろうか。

その悲しみは、男性から「彼女の気持ちを確かめる」勇気を奪います。

彼女に「俺のことをどう思っているの?」と尋ねれば、答えがわかります。ですが、もし「ただの友達でしょ」と言われたら。

「ほかに好きな人がいるの」と言われたら。

ふたりの関係が終わることを恐れた男性は、彼女の気持ちを無視することにしました。

答えを知りたい自分から逃げたことで、男性は前よりいっそう彼女の言葉や態度に敏感になります。

週末、ふたりでランチしているのに「この後あの人と会うんだ」と言われれば、「ああ、そうなんだね」としか返せない。でも胸の中は「俺よりそいつを選ぶのか」と真っ黒い感情が渦巻いてしまう。

「今朝ね、あの人がわざわざ私の好きなお菓子を届けてくれて」と聞けば「ふうん。良かったね」と言えるけど「俺にはそんなこと思いつかない」と大きく落胆してしまう。

それなのに、彼女から連絡が来れば、それを断ることはできない。

苦しいけど会ってしまう。

だって好きだから。彼女の顔が見たいから。

愛されたいから。

会えば彼女は俺だけを見てくれるから。

でも、彼女の口から出てくるのは、「俺じゃない男と楽しく過ごしている話」。

不安定な感情は、いつしか男性の中に憎しみを生みます。

「俺を苦しめるなんて、ひどい女性だ」
「この人さえいなくなれば、俺は楽になれるのに」
「この人がいなければ何の問題もなくなる」

最初は純粋に好きだと思っていたのに、「愛されない現実」を目の当たりにしたとき、男性にとって彼女は「俺を苦しめる厄介者」にすり替わります。

それまで、彼女に愛される努力を何もしてこなかった自分のことなど、すっかり忘れて。

■「自分は愛されないといけない」と思い込む男性の弱さ

結局、ふたりは疎遠になりました。

彼女から男性に連絡する頻度は減り、男性のほうもひねくれた気持ちから愛想のない対応しかせず、久しぶりに会ってもぎくしゃくした空気で、以前のような親しみのある時間は消えてしまいました。

でもそれは、男性からすれば「俺を愛さないんだから当然」のこと。

俺を好きじゃないあなたに親切にする理由などない。

裏を返せば、

俺のことが好きなら俺を大切にするべき。

という極端な思考しか男性の中には残っていなかったのですね。

常に受け身でいることしかなかった男性は、自分から愛情を伝えて彼女を振り向かせることをせず、ただ不機嫌な自分を見せることでしか彼女を引き止める術を知りませんでした。

「お前のせいで俺は不機嫌なんだ」
「お前が俺だけにしないからいけないんだ」
「お前は俺だけを愛するべきなんだ」

「俺はお前に愛されないといけないんだ」という強迫観念が心に居座ってしまうと、それまであたためてきたはずの彼女への愛情も、彼女なりに自分と向き合ってくれていた誠意も、男性の中では無意味になります。

「愛するか、そうでないか」

0か100かしか認められない状態になった男性を見て、彼女は「これ以上は良い関係を築けない」と気づき、離れていきました。

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■「心の器」の狭さから依存が生まれる

曖昧なつながり、「友達以上恋人未満」のようなグレーな状態は、確かに不安になるし相手の気持ちが気になります。

ですが、本当に相手のことが好きなら、まず自分から心を開いて愛情を伝えていくことが、関係をまっすぐに育てていくためには必要です。

「まず相手の気持ちを知って、それに合わせて自分の気持ちを決める」ような姿勢は、相手にとって負担となります。自分ばかり努力を強いられても、対等でないと感じれば愛したい気持ちもしぼんでしまうからです。

「でも、自分ばかり好きなんて、惨めじゃないか」
「そんな負け戦はしたくない」

そんな心の器の狭さが、人とまともに愛情をかわす幸せを遠ざけます。

それは、自分の感情を受け止めるだけで精一杯になり、相手の痛みも想像できなければ自分の振る舞いのまずさも気づかないということ。

心の器が狭いと、「愛してくれないならこちらから捨てる」痛みでもって相手を傷つけることも平気ですが、最後に残るのは孤独です。

常に相手を責めることでしか愛情を伝えられない弱さは、いずれ自分をも切り刻む刃。

そこから目をそらし続ける限り、「他人より自分自身を蔑ろにする」現実からは抜け出せないのです。

※ この記事は2018年12月4日に公開されたものです。

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