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伏線探しで一瞬も目が離せない!「名も無き世界のエンドロール」

  • 2021.2.2
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1/29から全国ロードショーが始まった映画「名も無き世界のエンドロール」を試写で見ました。公開前から〝ラスト20分の真実〟とPRしているので、「何かドンデン返しがあるな」というのは基本的に分かった状態で見ることになります。それでもひきこまれてしまう俳優陣の演技、暗いトーンで緊張感のある映像。わかっているから面白くないのではなく、わかっているからこそ、どこにフラグがあるのか目を凝らしてしまう。あっというまの約100分でした。

出典:シティリビングWeb

孤独を抱えているからこそ強い絆で結ばれた3人

小学校からの幼なじみ3人を演じるのは、岩田剛典さん(キダ)、新田真剣佑さん(マコト)、山田杏奈さん(ヨッチ)。3人の高校時代のシーンは、すごく自然体で楽しそう。実は、3人ともそれぞれ複雑な家庭環境で寂しさを抱えています。だからこそ、お互いを家族よりも大切でかけがえのない仲間だと思い合っていることが、よく伝わってくるシーンでした。

出典:シティリビングWeb

表の世界と裏の世界に分かれる2人

数年後のシーンで雰囲気は一変します。実業家として成功し羽振りがよさそうなマコト。裏の世界の仕事に手を染めるキダ。異なる世界に暮らす2人ですが、キダがマコトの家を訪れて、一緒にワインを飲む姿も。2人は何か「壮大な計画」を実行するために着々と準備をしていますが、そのことについては描かれないままに、過去と現在と、時系列を行き来しながらストーリーは進んでいきます。

途中で気づいたのですが、回想シーンと現在のシーンと映像の色合いが違うんですね。佐藤祐市監督のインタビューを見ると「過去のシーンは暖色のアンバー系に、ある壮大な計画に向かって邁進する現在を“寒色のブルー系”のトーンで撮影しました」とのこと。そこを注意しながら見ると、時間の進み具合が整理されてわかりやすいです。

出典:シティリビングWeb

“ラスト20分の真実”で呆然

最初から「どんでん返しがある」のがわかっているこの映画。いったいどこで裏切られるのかを、推理しながら見ていたのですが、結果、そんな予想を上回るくらいの衝撃を受けました。最後にすべてが明かされる「壮大な計画」について、マコトはどんな気持ちで仕掛けていたのか、どんな思いでキダは手伝っていたのかと考えると、ものすごく切ない気持ちに…。でも丁寧に積み上げてきた伏線が、最後にすべてつながっていくところはちょっとしたカタルシスもあり、スッキリします。伏線を確認するためにも、もう一度じっくり見てみたいと思いました。

SNSの影響力だったり、政治家の裏の顔だったり。いろんなエッセンスでリアリティーを出しつつも、結局は幼なじみ3人の世界に帰着する。現実離れした結末が逆に救いに感じました。主演のイケメン2人の魅力もたっぷり堪能してほしいですが、個人的にはトップモデルのリサを演じる中村アンさんの体当たり演技も注目のポイントです。

あらすじ

クリスマス・イブの夜。 日本中を巻き込んだ、ある壮大な計画が実行されようとしていた―。

複雑な家庭環境で育ち、さみしさを抱えて生きてきたキダとマコトは幼なじみ。そこに同じ境遇の転校生・ヨッチも加わり、3人は支え合いながら家族よりも大切な仲間となった。しかし20歳の時に、訳あってヨッチは2人の元から突然いなくなってしまう。そんな彼らの元に、政治家令嬢で、芸能界で活躍するトップモデルのリサが現れる。リサに異常な興味を持ったマコトは、食事に誘うが、全く相手にされない。キダは「住む世界が違うから諦めろ」と忠告するが、マコトは仕事を辞めて忽然と姿を消してしまう。

2年後。マコトを捜すために裏社会にまで潜り込んだキダは、ようやく再会を果たす。マコトは、リサにふさわしい男になるために、死に物狂いで金を稼いでいた。マコトの執念とその理由を知ったキダは、親友のため命をかけて協力することを誓う。

以来、キダは〈交渉屋〉として、マコトは〈会社経営者〉として、裏と表の社会でのし上がっていく。そして、迎えたクリスマス・イブの夜。マコトはキダの力を借りてプロポーズを決行しようとする。しかし実はそれは、10年もの歳月を費やして2人が企てた、日本中を巻き込む“ある壮大な計画”だった─。

名も無き世界のエンドロール

https://www.namonaki.jp/

2021 /1/29から全国ロードショー

出演:岩田剛典 新田真剣佑 山田杏奈 中村アン / 石丸謙二郎 大友康平 柄本明

配給:エイベックス・ピクチャーズ

©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会

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