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コロナ破局後も同棲したまま……交際5年カップルが最後に選んだ「結論」とは

  • 2021.2.1
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冠婚葬祭やイベント、長距離の移動など、さまざまな行動が制約された新型コロナウイルス禍。厚生労働省のまとめによると、2020年の婚姻数は過去2番目となる下落を見せています。今この時代に結婚する意味とは何か? フリーライターの苫とり子さんが、東京に住むある20代女性の例を紹介します。

東京の「生涯未婚率」は上昇の一途

新型コロナウイルスの感染拡大により、あらゆる行動が制限された2020年。イベントや冠婚葬祭に関する式典も延期や中止に追い込まれ、必然的に結婚する人も減ったといいます。

厚生労働省の人口動態統計(速報値)によると、2020年1月~10月の婚姻数は42万4343件で前年同期48万9301件から13.3%減。このままでは、戦後最悪となっている1950(昭和25)年の15%減に次ぐ下落幅となるそうです。

結婚だけが幸せの選択肢ではない時代。それでも結婚を選ぶとすれば、そこにはどんな理由があるのか?(画像:写真AC)

今日の日本において、結婚はマストなものでは無くなっています。とりわけ東京都では、2015年の国勢調査で、50歳までに一度も結婚したことのない人の割合(生涯未婚率)が、全国平均(男性23.37%、女性14.06%)に対して男性26.06%、女性19.20%と高いことが分かっています。

さまざまな原因が考えられますが、他の地域に比べて東京は女性の年収も高く、ひとりで楽しめる娯楽も多いため、結婚の必要性を感じない人が多いのかもしれません。2017年には総合結婚情報誌「ゼクシィ」が、「結婚しなくても幸せになれるこの時代に」というキャッチコピーのCMを放送し、大きな話題を呼びました。

それでもなお結婚に踏み切る東京の女性は、どんなきっかけがあり何を思って決断したのでしょうか。杉並区に住む25歳の鈴木真美子さん(仮名)は、コロナ禍に「結婚する理由」を見つめ直したといいます。

東京のカップル、5年交際の始まり

真美子さんは恋人の亮太さん(仮名)と大学のバンドサークルで出会いました。

当時20歳だった真美子さんは、ふたつ年上の亮太さんにひと目惚れ。亮太さんは音楽の才能と穏やかな性格からサークル内でもモテていましたが、ふたりはお酒好きという共通点もあり、1年にわたる猛アタックの末に真美子さんは晴れて亮太さんと恋人同士になることができました。

そこからの学生生活は幸せに満ちたものだったといいます。亮太さんの就職を機にふたりは同棲を始め、毎日テレビを見ながらお酒を飲んでは笑い、辛いときには精神的に支え合い……。

亮太さんが就職後すぐにストレスで胃潰瘍になり、入社から1年にも満たないうちに退職という苦境にも見舞われましたが、次の就職先が見つかるまでの間、真美子さんはバイトの給料で何とかふたりの生活を成り立たせました。

2歳年上の彼の就職を機にスタートした同棲生活。幸せに満ち満ちていたふたりの日々だったが(画像:写真AC)

真美子さんは「不満ももちろんありましたが、『辛いときはお互いさま』と思えば何とか頑張れました」と語ります。

しかし、そんな真美子さんの気持ちは自身が就職したのを機に大きく変わることに。真美子さんはIT企業に事務員として入社し、そこで仕事への情熱にあふれる人たちに出会ったことで彼への見方が変化したのです。

その頃、亮太さんは再び別の会社で働き始めていましたが、毎日仕事に対する愚痴ばかりを真美子さんに話していました。会社での向上心もなく、やりたいことを聞いても「特にない」とはぐらかすばかり。一方、真美子さんが社会人になってから出会う男性たちはみんな、夢を持っていたり、昇進のために文句も言わず業務を遂行していたり。

ちょうど付き合いも長くなってきたことから、亮太さんの態度も次第に冷めたものになっていきます。

彼が突然2社目を退職、家賃が払えず

「同期の女の子たちは誕生日やクリマスに、彼氏にディナーに連れて行ってもらったり、ブランド物のバックやアクセサリーをプレゼントしてもらったり、とにかくキラキラしていました。そんな彼女たちを見ていると、どんどん自分が惨めに思えて……」

もともと結婚願望が強かった真美子さん。亮太さんと自身の給料を合わせても楽な生活が送れる未来は見えてきませんでした。「このままでいいのだろうか」と懐疑的になり始めた矢先、亮太さんがふたつ目の会社を突然辞めたのです。

「地獄のような生活」の始まりでした。

真美子さんの給料だけでは家賃が払えず、ふたりは1Kの狭いアパートに引っ越し。会社員として日中は働きながら、空いた時間は副職の仕事をこなしていた真美子さんのストレスはどんどんたまり、けんかばかりの毎日が続きます。亮太さんは短期間で仕事をふたつも辞めているため、次の転職先がうまく見つからず、うつのような状態に。

それぞれが社会人になり、次第にすれ違うようになったふたり。1Kのアパートでけんかの日々が続いた(画像:写真AC)

そんな彼を真美子さんは「支えなければ」と思いながらも、自身も円形脱毛症になり、それどころではなくなってしまいます。結局、亮太さんの仕事が何とか決まるのを待って、真美子さんは別れを告げました。

しかし、同棲解消を前に新型コロナウイルスが日本を襲います。この頃、真美子さんは副職が思った以上にうまくいき、会社を辞めてフリーランスとして活動し始めました。一方の亮太さんは会社が全面リモートワークになり、ふたりは別れた状態で共に自宅作業をすることに。

関係の呼び名が「恋人」から「同居人」に変わっただけですが、かえってそれが変な呪縛を取り除き、真美子さんと亮太さんの関係は徐々に修復されていったのです。

真美子さんは始めたばかりの仕事が忙しく、寝る間も惜しんで作業をしていました。その間、亮太さんは積極的に家事を買って出てくれたといいます。

同居しながら婚活、やがて気づいたこと

「文句も言わず料理を作ってくれたり、掃除をしてくれたり、本当にありがたかったですね。亮太が仕事を辞めている間はあんなにけんかばかりだったのに……それがウソのように穏やかな日々が続きました」

真美子さんは亮太さんと別れてから、結婚を視野に入れて少しずつ婚活を始めていました。そこで出会ったのは地位や名誉もあり、社会人として尊敬できる大人な男性たち……。しかし、彼らの言葉の端々にプライドの高さや、生活力のなさが感じられたといいます。

例えば、ちょっとした意見の食い違いで相手がムッとしたり、家事や育児は女性がするものと思っていたり、女遊びが激しく男性社会に慣れきっていたり。もちろんそんな男性ばかりではありませんでしたが、真美子さんはまた新たな目線で亮太さんのことを見つめ直しました。

亮太さんは「男性だから」「女性だから」という考えにとらわれず、実家暮らしで経験のない家事にも挑戦し、真美子さんの仕事を支えてくれた。結婚して一生共に歩んでいくのならば、そして今回のように常に同じ部屋で過ごしていくのなら、自分をリードしてくれる男性に寄りかかるより、いつも同じ目線で困ったときは支え合えるような関係性でありたい――。

「夫に養ってもらうという価値観は持っていませんでしたが、それでも私は知らず知らずのうちに『男性はこうあるべき』『女性はこうあるべき』という固定概念に縛られていたんだと思います」

コロナ禍に訪れた破局は、あらためてお互いの存在を考える契機にもなった(画像:写真AC)

「フリーランスになり、たとえ働けるのが自分だけになっても何とか生活を成り立たせていくことができると自信が持てるようになったとき、その考えから解放されました。互いに未熟なところがあるからこそ、大変な時はふたりで支え合っていこう。そう思ったんです」

2020年の10月、真美子さんと亮太さんは婚姻届を提出し、家族になりました。

コロナ禍、あらためて考える結婚の意味

2020年、筆者の周りに限っては、結婚・離婚を決める人の数が通常よりも多く感じられました。また、結婚を決める人はパートナーと共にいられるという家族の権利を求め、離婚する人はストレスがたまるパートナーから自由になる権利を求めていたように思います。

結婚しなくても、ひとりで生きていける、幸せになれるこの時代。それでも誰かと家族になる理由は、真美子さんのように実は「この人と支え合って生きたい」というシンプルな思いなのかもしれません。

苫とり子(フリーライター)

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