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映画「パリの調香師 しあわせの香りを探して」に見る、豊かな人生のヒント!

  • 2021.1.31
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エレガントで奥深い、調香師の仕事とは?

2020年フランス興行成績1位に輝いた映画「パリの調香師 しあわせの香りを探して」が、名古屋エリアで1月29日(金)に公開されます。主人公アンヌは、ディオールの香水「ジャドール」をはじめ、多くの名香を作った天才調香師。名声を失い、つまずき苦しみながらも、自分が本当にやりたいことを見つめ、人生に向き合う姿から勇気をもらえる感動作です。

出典:シティリビングWeb

映画「パリの調香師」より

作品の鍵となるのが調香師という仕事。グローバルに活躍する調香師・田代はなよさんに、その内容について聞きました。「チャレンジの先に幸せがある」という仕事ぶりを知ると、作品をより深く味わえそうです。

苦しむことで、能力が上がる

訪れたのは、栄にある「調香師の店 MON PARFUM」(栄ガスビル1階)。田代はなよさんが運営する香水店です。

田代さんは香水好きが高じて調香師の道へ。「今から50年ほど前は、まだ香水の値段が高い時代でした。ファッションアイテムの頂点、最高のおしゃれで、憧れがありました。大学で香料を研究し、卒業後、ラッキーなことに日本企業で商品開発に採用されました。日本にいたら本当の調香師にはなれないと思い、フランスへ。香水の原料となる花々が生産され、香水のまちと言われたグラースの香料会社で働きました。多くの香料会社があり、社屋は古城。素晴らしく優雅な環境です。世界中の調香師を目指す人が送られてくる香料インターナショナル都市でしたね。そこでの経験は、フランスからもらった財産だと思っています」

出典:シティリビングWeb

調香師として経験を積み、日本の化粧品会社のオファーを受けて、帰国。現在はフリーランスの調香師として香水作り、ショップ運営ほか、香りの可能性を広める企画やイベントも行っています。

「購入しにくい香料を融通してくれる方がいたり、周りが応援してくれて、今があります。香料を嗅がない日はありません。苦しい経験がないと、能力は上がらないと思っています。この匂いは何だろう何だろうと考え抜き、苦しむと夢にも出てきますよ」

謎が解けた時は、最高に幸せ

「調香師は作り手。多くが香料会社に所属し、メゾンなどからのオーダーに対して、処方せんを作り、デザインしたその香料(調合香料)を売ります」と田代さん。

一流の調香師が育った、当時のフランスでの勉強方法はというと…。「あらゆる香料、単品香料を覚えることから。それから、有名香水のイミテーションを自分の嗅覚だけで作ります。シャネル N°5、ミツコ、ジョイ、など何が入っているかをリサーチ、その香料の数字を決めながらデザインをします。単品香料が何十種類と混ざった時にどうなるのか。少し間違うだけで、全く違うものになってしまいます。ぴったりのバランスが見つかり数字が一致した時は、鍵穴が開いた感覚で、やった!と、達成感があります。謎解きと一緒です」。

調香師には、優れた嗅覚だけでなく、記憶力、コンデションを良好に保つことが求められます。その点、アスリートに似ています。

出典:シティリビングWeb

香料を組み合わせて香りを作る調香師の仕事は、メロディーを生み出す作曲家、料理人などとも似ています。香料瓶と、処方を書き留める紙と鉛筆、香りを確認するムエット(試香紙)などが仕事道具です。

「仕事の進め方ついて。香りは揮発性があり、昨日作ったものを翌朝嗅いで、改良を加えたりします。時間を置いて嗅いで、改良を加えます。経過観察に長く時間がかかるので、簡単には完成しません。研究的な側面が強いので、エンドレスの作業。もっと力をつけたい。ナンバーワンを目指して、もっと差をつけたいという気持ちは常にありますね」

〜田代さんからのメッセージ〜「自分のしあわせの香り」を探しましょう

調香師はエレガントで、女性に向いている仕事だと思います。

この作品の主人公アンヌはチャレンジしていくことで、鍵穴がはまり、人生の次の扉が開いていきます。香水は、目に見えないけれど、心に訴えるもの。「しあわせ」という抽象的な概念に応えるのも、香水の一つの仕事です。皆さんも、チャレンジして「自分のしあわせの香り」を探しましょう。

五感で味わえるストーリー「パリの調香師 しあわせの香りを探して」
出典:シティリビングWeb

映画「パリの調香師」より

世界中のトップメゾンから依頼が殺到。高級アパルトマンに住む天才調香師のアンヌ(エマニュエル・ドゥヴォス)は、誰もが羨むポジションから一転。仕事の忙しさとプレッシャーで、嗅覚障害になり、地位も名誉も失ってしまうことに。来る仕事は、観光事業のために洞窟の匂いを再現したり、工場の煙突から出る悪臭を解決する香りを作るという、意に沿わない地味なものばかり。

他人との関わりを持たないひっそりとした暮らしは、運転手として雇われたギョーム(グレゴリー・モンテル)と出会うことで、少しずつ変化が訪れます。ギョームは振り回され、戸惑いながらも、アンヌを受け止めていきます。アンヌの閉じた心は開かれ、違う世界にいた2人の人生は、香料が調合されるように、複雑な成分が混じり合って、豊かさを帯びていくのです。

ディオールやエルメスの専属調香師の協力によって完成した、爽やかな余韻が心地よい感動作。五感を刺激する上質な作品は、もう一度見観たくなる魅力がありますよ。

出典:シティリビングWeb

映画「パリの調香師」より

映画「パリの調香師 しあわせの香りを探して」

2021年1月29日(金)から、伏見ミリオン座で公開

監督・脚本:グレゴリー・マーニュ

キャスト:エマニュエル・ドゥヴォス、グレゴリー・モンテル、セルジ・ロペス、ギュスタヴ・ケルヴェン、ゼリー・リクソン、ポリーヌ・ムーレン

原題:LES PARFUMS

©️LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINEMA

公式サイト:https://parfums-movie.com

配給:アット エンタテインメント

PR/スターキャット・ケーブルネットワーク

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