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中国で進む結婚離れ。原因は一人っ子政策+女性の高すぎる理想?

  • 2021.1.29
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中国では2020年、10年に一度の人口調査が行われました。少子高齢化や、独身者の増加など、これまでの傾向は、さらに強まったようです。確認してみましょう。

■一人っ子政策…男女の均衡崩す

有名な中国の一人っ子政策は1979年~2015年まで続きました。正常な男女出生比率は、女100に対し、男103~107だそうです。それが中国では、1990年-110、2000年-118、その後一時120を超え、直近でも110あります。跡継ぎとして男児を偏重し過ぎた結果です。しかし、その大切な男児たちの将来に、暗雲が立ち込めています。

2015年、30歳以上の未婚男性は2,000万人を超えました。女性は600万人です。そして2040年には、30歳以上の未婚男性は、4,000万人になると予測されています。以前の予測は3,000万人でした。結婚難に加え、売春、性犯罪などの深刻化も懸念されています。

■女性の理想……上昇一途

それでは中国女性は、選びたい放題の理想郷にいるのでしょうか。大手ネットメディア百度の「女人単身的五大理由」(女性が独身でいる5つの理由)という記事を見てみましょう。

1 パートナーに自分のアイドルと同等の見た目レベルを要求
2 内的な要求高い。魂のパートナーを求めている
3 現実の要求高い。五つ星高級ホテルを求めるのと同じ
4 パートナーがロマンチックで、お姫様扱いしてくれることを要求
5 以上4点をクリアするのは、映画スターしかいない

男性側からは、悲鳴が出そうです。数的優位を背景に、女性側の理想は上昇する一方です。それも無理はなく、2020年の大学生男女比は、48%対52%と女性が上回っています。今や学歴でも女性上位となりつつあり、自信満々です。

■結婚数……6年で30%減少

地方在住の男性は、パートナー探しが困難です。家を守る必要がない女性から先に、都会へ出て行ってしまうからです。一方大都市の女性は、理想とプライドが高く、パートナー探しで決して妥協しません。男余りの中、地方都市へ嫁に行く選択などまずあり得ません。

その結果2010年代の結婚数は、2013年の1,347万組をピークに下がり始め、2019年には947万組、6年間で30%減少しました。

人口抑制を狙った一人っ子政策でしたが、皮肉にも、その終了とともに、威力を発揮し始めました。当時の政策立案者たちに、このような形の未来はとても予想できなかったでしょう。

文・高野悠介

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