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〈出雲大社〉が“縁結びの聖地”と呼ばれる由縁とは?【島根】唯一無二の祈りの地へ。

  • 2021.1.26
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島根県の出雲大社といえば、言わずと知れた“縁結びの聖地”。神々をお祀りする古い神社がいたるところに鎮座するこの地には、昔もいまも変わらずに“出雲の伝統”を慈しむ心が息づいている。

出雲の歴史の中心にある聖なる場所で感謝と祈願を。

出雲が“神話の国”といわれる理由のひとつは、神々をお祀りする古い神社が、いまもなお、多くの人々によって大切に守られていることにある。その“中心”にあるのが、全国的にその名を知られる出雲大社だ。

日本に由緒正しきお社が数あるなかで、時代を経ても変わらずに“唯一無二の祈りの地”とされていることからも、出雲大社がいかに崇高な存在であるかがわかる。お祀りされているのは、日本人の総氏神で皇祖神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)に、自身が築いた豊かな国土を奉還(=国譲り)された大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。古事記の「因幡の白うさぎ」で、傷を負った白うさぎを救った、慈愛にあふれるヒーローとしても有名だ。

天照大御神が国譲りに大変感謝をし、高天原(たかまがはら)(=天界)の諸神がお集まりになって大空にそびえるような宮殿を造られたのが、現在の出雲大社のおおもととされている。そして「これから後、この世の目に見える世界の政治は私の子孫が当たることとし、あなたは目に見えない世界をつかさどり、むすびの御霊力によって人々の幸福を導いてください」と仰られたことが、出雲大社が“縁結びの聖地”といわれる由縁だ。縁結びの意味は広く、男女の良縁もあれば、土地や人、仕事との巡りあいもある。「大切なことの多くは目には見えない」といわれるが、神秘的な空気に触れ、自分を見つめれば、目に見えないものへの感謝の気持ちが自然とわいてくるはずだ。

【本殿】御本殿の凛々しい佇まいと聖地のパワーに圧倒される。

御本殿の裏側には“因幡の白うさぎ”の石像がそこかしこに。大国主大神に感謝を捧げ、お祈りをするうさぎをかたどったものも。
大社造りと呼ばれる日本最古の神社様式が圧巻の御本殿。60年に一度、檜皮葺屋根の葺替え等が行われて御遷宮を行う。平成の大遷宮で美しく蘇った御本殿は、破風(はふ・屋根の三角部分)や千木(ちぎ・屋根に交差して置かれた板木)にも力強さを感じる。

【素鵞社(そがのやしろ)】大国主大神の父神をお祀りする霊験あらたかなお社。

御本殿の奥にある素鵞社。参拝前に国譲りの舞台となった稲佐の浜に寄って砂を取り、素鵞社の床下にお供えを。
代わりに持ち帰ることができる床下の砂は、お清めとして、家の四隅に撒くと神様のご加護があるといわれている。
素鵞社の裏の八雲山は出雲大社の御神山とされている禁足の地。お社の後ろにせり出した八雲山の岩肌に触れると、不思議なパワーを感じるという参拝者も。

〈出雲大社(いづもおおやしろ)〉

境内には大国主大神をお祀りする3つのお社が。松の参道や、重要文化財に登録されている銅の鳥居、境内最奥にある素鵞社にうさぎの石像など、見どころがたくさん。
島根県出雲市大社町杵築東195
0853-53-3100
6:00~20:00を目安に(季節によって異なる。出雲大社にまつわる史料などを収めた宝物殿の見学は8:30~16:00)

(Hanako1192号掲載/photo : Kenya Abe text : Keiko Kodera)

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