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ラブラブカップルになりやすい「同棲」、なりにくい「同棲」とは

  • 2021.1.25
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「同棲」はどんな形が理想?
「同棲」はどんな形が理想?

TBS系連続ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の4年ぶりとなる新作スペシャルドラマが1月2日に放送されましたが、契約結婚から恋愛が始まり、事実婚をした2人に子どもができたことで正式に結婚をするという、結婚制度について深く考えさせられるテーマが描かれていました。ドラマを見て、「“逃げ恥婚”をしたい!」と思いながらも、実際は普通の同棲(どうせい)をしているカップルもいることでしょう。

「その場しのぎ」は要注意

さて、同棲後に結婚した2人に私はこれまで数え切れないほど「結婚おめでとう!」とお祝いをしてきました。一方で、「恋人・夫婦仲相談所」所長という仕事柄、数年後に「あの…最近うまくいってなくて…」との報告と相談を受けることが多いのも事実です。

「結婚前同棲」の有無が結婚後にラブラブが継続するか、暗雲が立ち込めるかに関係するのか考えたこともありますが、そこはあまり関係していないというのが私の見解です。とはいえ、結婚を悩む女性たちに「長めの旅行をしたり、彼の部屋で“ミニ同棲”をしたりして、彼の動き方と気になる点をあらかじめ知っておくといいよ」というアドバイスはしています。

同棲の形をタイプ別に分類すると「こんな同棲をすると『ラブラブカップル』になりやすい」、あるいは「『暗雲カップル』になりやすい」という傾向が見えてきました。

【タイプ1「結婚確約同棲」…結婚を約束しての“助走”】

(1)「結婚しよう」(2)「仕事の関係で今すぐは結婚できないけど、来年3月に婚姻届を出そう」(3)「お互いに1人暮らしを続けるより、一緒に住もう。もっと一緒にいたいしね」(4)「結婚後も住める広さの部屋を探そう」(5)「お互いの親に紹介し合おう」

こうした類いの言葉が出ればOKです。「結婚すること」を先に確認し合ってから同棲を決めると、一緒に暮らした後に結婚しても暗雲カップルになりにくいです。

【タイプ2「その場しのぎ同棲」…どちらかの部屋に住み着いて、時間がズルズルと経過する】

付き合い始めて、お互いの家に時々遊びに行くのはよしとしましょう。手料理やデリバリーの食事で楽しいひとときを過ごし、ベッドで仲良くした後に電車で帰るのは面倒だし、寂しいから朝まで一緒にいる――。恋愛初期の2人にとって最高の「ラブ高騰期」です。そして、自分の家に帰るより、相手の家に帰ることが多くなっていくのが一般的です。

やがて、身の回りのものを相手の家に運び、職場にもそこから通勤するようになるでしょう。寂しくないし、生活費を折半すれば、1人暮らしよりコスパもいい。そのうち、「あれ、最近マンネリかなあ」と気付いたら、3年が経過していた…というパターンです。 こうした「その場しのぎ同棲」をする女性側から、多くの相談を受けます。「結婚はどうするの?」と言っても、彼が真剣に向き合ってくれないと。他にも「親に会わせてくれない」「彼はこのまま結婚する気がないのでしょうか」「30代のうちに子どもが欲しいのに」「結婚という言葉を口に出すと逃げる」などさまざまです。

そして、めでたく結婚したとしても、長年一緒にいる熟年夫婦的な不満が増えてきて、「私のことをお手伝いさんだと思っている」「好きっていう感情を忘れた」「空気みたいな存在でセックスレスになっています」…この類いの不満をポツポツ吐き出す妻が出てきます。

ちなみに、先述の「ミニ同棲」とは「お試し」とお互いに理解した状態で、1、2週間単位で一緒に暮らしてみるというものです。荷物をごっそり運び込むのではなく、キャリーケース1個分で暮らしてみるという定義であり、「終われば必ず自分の家に戻る」という前提がある点が「その場しのぎ同棲」との違いといえます。

【タイプ3「合宿同棲」…恋愛感情がないのに2人で暮らし始める】

「友達としては最高」「一緒にいると楽」「つらいとき、いつもそばにいてくれる」「あなたこそソウルメイト」。そうした存在が異性だったとしても、そう思える相手ならば、一緒に住んでも何の不自由もありませんし、むしろ、助け合えてプラスになります。

しかし、男女としての営みはなく、将来設計も見えてこない。そうした状況下で“今”を快適に生きることに慣れて過ごしているうち、どちらかに好きな人ができたり、実家の親に「結婚しろ」と詰められて、ほころびが出始めたりもするでしょう。「逃げ恥」では、お互いに恋愛感情が芽生えてきたことで事実婚に移行しましたが、恋愛ができない異性との“合宿”は永続しないと思います。

これが、快適に暮らしていくための共同生活と割り切った「期間限定同棲」なら問題ありません。「就職先が見つかるまで」「家賃の更新時期まで」と区切る共同生活です。ただし、結婚願望を持っている場合、他の異性からは遠ざかるのでモテチャンスを逃します。本人たちは「友達と住んでいる」つもりでも、周囲からは「恋人と住んでいる」と見えるので、そんな人に「付き合ってください」とはなかなか言えないからです。

タイプ別に見ると、タイプ1の2人暮らしをしたカップルなら、断言はしませんが、結婚後もラブ継続がうまくいくと予測できます。

リクルートマーケティングパートナーズ(東京都品川区)が実施した「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」によると、「一緒に暮らし始めたタイミング」について、約8割のカップルが「結婚が決まる前」、または「結婚が決まった後から挙式、披露宴・ウエディングパーティーまでの間」と回答しています。このうち約半数のカップルが「結婚が決まった後」と回答。つまり、「100パーセント結婚する」と決めてからの同棲です。この場合、タイプ1の「結婚確約同棲」が参考になるでしょう。

ただし、たとえ同棲という助走期間を経て結婚したとしても、人生100年時代に突入した現代、同棲時代+結婚時代において、2人で一緒にいたくないときが何百回と出てくることでしょう。多かれ少なかれ、誰にでもやってくる「一緒にいたくないとき」をどう乗り越えるかが結婚後の「夫婦の力」の試しどきです。

同棲中に曖昧な家事分担や食べ物の好みのミスマッチ、経済感覚の温度差、衛生マナーの違いなどをすり合わせることから開始し、けんかしたら、どうリカバリーするかまで話し合ってください。同棲と結婚は違います。派手なけんかをして、「もう出ていく! さよなら!」と一発で縁を切れるのが同棲。役所に行ったり、親や親戚に説明したり、名字を変えたりと社会的責任がのしかかってくるのが結婚です。

「ずっと一緒にいたいから」と2人で暮らすことを考えたときは「今、同棲しようとしているけれど(先述の)タイプ1かタイプ2か、それともタイプ3かを2人で考えよう」とどちらかが提案するとうまく事が運ぶでしょう。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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