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未来への希望を込めて。「アマビエ・プロジェクト」でアートが持つ無限の可能性に触れる

  • 2021.1.17
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新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、社会全体に暗い影が落ちた2020年。そんな中突如世間の注目を集めたのが、疫病を予言したといわれる謎の妖怪“アマビエ”だ。アートへと昇華することで、コロナ禍を生きる人々の不安を少しでも解消できれば、という思いからスタートしたのが角川武蔵野ミュージアムにて開催中の《アマビエ・プロジェクト》。気鋭のアーティストが想像力を解放して作り上げた作品を見れば、きっと心にポジティブな変化をもたらしてくれるだろう。

昨年のオープン以来大きな注目を集める角川武蔵野ミュージアム。図書館、美術館、博物館が融合した文化複合施設で現在行われているのが、《アマビエ・プロジェクト》だ。謎の妖怪“アマビエ”は、このコロナ禍において「疫病退散」への願いを象徴するような存在。そこで、6名のアーティストが、自由な想像力とユニークな表現力で世の中に漂うネガティブなムードを払拭するような作品を制作する。

新しい”アマビエ”をリレー形式で展示

もちろん表現されるのは、一般的なアマビエの焼き直しではない。目指しているのは、既存の概念にとらわれない、この時代に生きる人々に変化をもたらすような新しいイメージの構築だ。イメージが変われば、これまでにない解釈も可能になる。それこそ、心の平穏を見つけることも、自分の理解を超えた事象を受け入れることもできるかもしれない。もちろん作品には、このパンデミックによって亡くなった多くの方々への鎮魂と未来への希望もモチーフになっている。

そんな《アマビエ・プロジェクト》に参加するのは、毒とユーモアのある作品を生み出してきた現代美術家の会田誠、人間と世界の根源的な関係を表現するアーティストの鴻池朋子、独特な表現で“顔”を描いてきた川島秀明、現代社会の課題を問う作品も制作する大岩オスカール、美と毒の合間で揺れる作品が注目を集める荒神明香、そしてシークレットアーティストの6名だ。彼らが「希望」「不安」「鎮魂」「願い」「愛」などをテーマに作品を制作し、リレー形式で展示される。

最初に登場するのは、会田誠によるイラスト。その後1月〜2月が鴻池朋子、3月〜4月が川島秀明、5月〜6月が大岩オスカール、7月〜8月が荒神明香、9月〜10月がシークレットアーティストというスケジュールで順次展示されていく。それぞれの感性で表現された新しいアマビエを目の当たりにすれば、少しだけ未来に目を向けられるかもしれない。

一説によると、アマビエは疫病を終息させた訳ではなく、この先に良いこともある、とだけ言って帰っていったとされている。それでも、今回のパンデミックでこれだけ注目を集めたことから、少なからず人々の救いや支えになっていたはず。それと同じ力がアートにもあるのだ。どうしても気持ちが沈んでしまうこともある世の中だけど、そんな時は無限の可能性を秘めた作品の数々に心の栄養をもらってはいかがだろうか。

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