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【子どもを伸ばすほめ方】子どもの能力を引き出す「3つのH」とは

  • 2021.1.14
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「ほめる育児」「叱らない育児」という言葉を最近よく聞きます。子どもを叱らずにほめることで伸ばすというスタンスはとても良いことだと感じます。しかしほめ方を一歩間違うと、子どもを伸ばすどころかダメにしてしまう可能性もあるのです。どんなほめ方が良くてどんなほめ方が良くないのか、違いを知りましょう。

「ほめればいい」というものではないことを知ろう

「ほめる育児」と一言で言っても、どんな風にほめたら良いのかが分からないという方も多いと思います。一方「うちの子はほめられて伸びるタイプなので叱らないで」と学校や塾に申し出る保護者が増えていると言われています。

親が子どものいいところを見つけてそれを伝えるということは大切です。しかし闇雲に何でもかんでも「すごい」「えらい」などとほめることは必ずしもいい結果をもたらすとは言えません。

子どもをダメにするほめ方

・「〇〇だからいい子」とほめすぎる

例えば「ゴミを捨てていい子だね」というほめ方ばかりしていると、ほめてくれる人の前でだけゴミを拾うようになる可能性があります。その気持ちが高じて、わざとゴミを落としておいて大人が来たらゴミを拾うという行動に発展することが実際にあるのです。

さらに何をした時でも「すごいね」「えらいね」と言われていると、ほめられることに麻痺してしまうというケースもあります。叱られる際にも「ちゃんとしなさい」ばかり言われると怒られているという感覚がなくなり「また言っているな」と流されてしまう様になるのと同様です。決まったほめ方を過剰にすることは、徐々に子どもの心に届かなくなる可能性があるのです。

・気持ちがこもっていない

親が子どもをコントロールしようとして根拠もなく気持ちのない言葉をかけ続けると、子どもは「心にもない社交辞令だ」ということを見抜き、ほめられても喜ばず良い行動をしない様になります。

・上から目線でほめる

対等であるはずの夫婦で「お皿洗いをして偉いね」と言われたらどう感じますか?上から言われていると感じませんか?親子は親が上であるというイメージもありますが、対等に扱うことで子どもは素直に言葉を聞き、行動できる様になります。

小学生に対して「自分で着替えられて偉いね」などと言ったら、子どもはバカにされていると感じるでしょう。出来て当たり前のことを大げさにほめることは逆効果です。

・結果だけをほめる

頑張った時や結果を出した時に、結果をほめることはもちろん大切で良いことです。しかしいつも結果のみに注目しているとほめる時にも結果しかほめられません。つまり結果が出ない時にはほめることがなくなってしまうのです。

そしてその結果が望ましいと判断するのは親の尺度である為、子どもがほめてほしかった部分とずれてしまう可能性も大いに出てくるのです。

子どもを伸ばすほめ方のポイント

具体的にはどの様にほめれば、子どもは伸びるのでしょうか。ほめるポイントを見ていきましょう。

・良かったところを具体的にほめる

「上手に出来たね」「がんばったね」なども時には良いですが、毎回では信ぴょう性が薄れます。どの部分がどう良かったのかを言葉にしましょう。「この前出来なかった問題が解けていたね」「あのシュートの前のパスが上手だったね」など具体的に伝えます。子どもは良かった部分を客観的に知ることが出来、次につなげやすくなります。

・結果だけではなく過程をほめる

試験に合格した、ゴールを決めたなどの良い結果についてはほめやすいですが、結果が出なければほめることはありません。過程に注目すれば、結果が良かった時はもちろん、良くなかった時にもほめることが出来ます。「毎日〇時間練習していたね」「難しい問題に諦めずに挑戦していたね」など、結果を出す為に努力したことをほめましょう。

筆者の子が通う塾では、受験勉強が本格化する前の4年生くらいまでは塾に来ただけでも「頑張って来たね」「休まず来ているね」などとほめてくれるそうです。これなら成績の良し悪しに関わらず皆がほめてもらえますね。そして「頑張って通っていることを認めてくれている」と子どもが感じることにもつながります。

・親も一緒に喜ぶ

ダメにするほめ方で「心がこもっていない」と書きましたが、心のない言葉は子どもにも伝わります。逆に親が本当に喜んでいれば、どんな言葉も真実となるのです。子ども自身がそう思っていなくても「ママは上手に出来たと思うよ」と言われれば子どもは喜びを感じます。

この様に親の気持ちとして伝えることもポイントです。これを I(私)メッセージと言いますが、「あなたは頑張ったね」と言われた時に言われた側が頑張ったと思っていなければ心に響きません。しかし「(私は)あなたが頑張ったと思うよ」と言えば、相手がどう思っているかは関係なく事実としてほめることが出来るのです。

・感謝の気持ちを伝える

ほめることは「上手だね」「がんばったね」などの言葉だけではありません。感謝の言葉も子どもはほめられていると感じます。何かをして感謝されるという経験は、成長して社会に出る時に人の為に何かをやろうと思う気持ちにつながります。

ママだって、毎日の家事を誰かに感謝されれば嬉しいですよね。子どもの担当となっているお手伝いであっても、「助かったよ、ありがとう」「手伝ってくれたからキレイになったね」などと素直に言葉にして感謝を伝えましょう。親が素直に感謝する姿から、子どももしてもらったことに対して素直に感謝出来る様にもなるでしょう。

子どもの能力を引き出す「3つのH」

状況に合わせて具体的なほめ方をすることで、子どもの能力を引き出すことが出来ます。その為には「3つのH」を取り入れてみましょう。3つのHとは「ほめる」「はげます」「ひろげる」です。

① 「ほめる」

「ほめる」は、少し前の子どもと比べて声をかけます。子どもは日々成長しますが、自分自身ではその成長に気づけません。「昨日より上手にお片づけできたね」「前は嫌いと言っていた野菜をすぐに食べられる様になったね」などと具体的な行動をほめると、子どもの心に届きやすくなります。比べると言っても、他人と比べるのはタブーです。子ども自身を認める言葉を使いましょう。

②「ばげます」

「はげます」は、少し上の手が届く目標を立てて肯定的な言葉かけをします。どうすれば目標を達成出来るかを尋ねて自分で考える様に促すのもいいですね。「頑張れば出来る」と達成感を得ることが出来ると、また少し上のステップに進みたいと思う様になります。その積み重ねが自信とやる気につながっていきます。

③「ひろげる」

「ひろげる」は、何かに取り組もうとしている子にアドバイスをしてみましょう。あくまでアドバイスにとどめ強要しないことがポイントです。「こういうやり方はどうかな?」など、子どもの視点を変えるような言葉で背中を押してあげます。新しい視点でやり遂げると達成感を得ることが出来ますし、アドバイスしてくれた親と一緒に喜びつつ信頼感も深まります。

最近ある人に聞いた話です。人には3つの自分がいる、「自分が思う自分」「人から思われる自分」「本当の自分」です。本当の自分は誰にも分かりません。人から思われる自分は自分が思う自分よりも強い影響力があります。つまり人から「出来る」と言われれば出来る自分に、「出来ない」と言われれば出来ない自分になりやすいということです。

算数のある単元について(一般的に)強化した方が良いと言われて、私が「うちの息子はそこが弱いのです」とつい言った時にこの話をされました。そこが弱いと本人に言うつもりはありませんでしたが、弱いと思っているとつい声掛けもそうなってしまう可能性があります。苦手であれば取り組んだ時にその姿勢をほめる、やれば出来るという気持ちを持って声掛けをするということが大事なのだと感じました。

普段子どもをほめる様に心がけているつもりですが、今まで出来ていたことを出来ない時があると「何で出来ないの?」という態度になっていたと反省しました。出来ないと決めつけるのではなく、やれば出来る、出来る為に頑張っていると親が思っていないとそういう声掛けは出来ません。

大切なのは子どもをよく観察し、子どもの目線になることだと思います。記したポイントをおさえながら、どう言ったら子どもが喜ぶか、どう言ったらやる気が出るかという子どもの気持ちを考えて言葉をかけていくことで、子どもを伸ばすほめ方が出来るのではないかと感じました。

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