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「鉄オタはキモい」夫とその周囲を否定する妻 “悪口”で明るい結婚生活はない

  • 2021.1.14
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周囲の人の悪口を言っていると…
周囲の人の悪口を言っていると…

パートナーの職場やそこでの人間関係について、あなたはどのくらいご存じですか? 「全く知らない」人もいれば、「パートナーからいろいろ聞いているのでかなり詳しい」という人もいるかもしれません。ただし、あまり踏み込み過ぎると、思わぬマイナス面をもたらすかもしれません。

元同僚や上司をディスる夫

いずみさん(仮名、36歳)は職場結婚。3歳年下の夫は同じチームに配属された元同僚で、「新入社員時代の夫の指導社員がいずみさんだった」という自然な出会いです。

2年間にわたる極秘の社内恋愛を経て、2人はゴールイン。2人が勤めていた会社内のルールにより、夫婦は同じ支店にいられないため、夫の方が転勤しましたが社内の様子はお互いに分かっているため、家でも会社の話が出ることが多いそうです。

「嫌だなあと思うのは、夫が私の周囲の人のことをいろいろディスってくることです。夫にしてみれば、私でなく自分が転勤させられた恨みも半分あると思うんですが」と、いずみさんは苦笑します。

「とにかく、元の支店のことが気になるみたいで『○○課長は今でもズボラなの?』とか『△△主任は相変わらずクレームが多いんだろ?』とか言いたい放題。私にとっては、お世話になっている上司だったり、一緒にプロジェクトを進めている仲間だったりするので、夫の言い方がすごく不快です。この話題になると胸がザワザワして、リラックスできません。夫のことを『小さいやつ…』と思う自分がいます。

でも、夫とはギクシャクしたくないので強くは言えず、できるだけ、仕事や会社の話は避けて他の話題を出しています。これって、この先いつまで続くんでしょう」

相手を見下すことで、マウントを取って己を鼓舞するタイプの人もいるとはいえ、元職場の人に対して、「妻がお世話になっている人たち」という感謝の気持ちを持つことができないのは「残念な人」といえるかもしれません。

「鉄道オタク」を全否定

晴斗さん(仮名、42歳)が鉄道の魅力に目覚めたのは40歳のとき。子どもの頃から筋金入りの鉄道ファンである会社の同僚に連れられて、冷やかし半分で鉄道オタクのイベントに参加し、無人駅の魅力に取りつかれました。そこからは、お盆や年末年始などに全国の無人駅を探しては出掛けているそうです。

「今までは鉄道オタクなんて内心、“陰キャラ”の集まりだとばかにしていました」と、本音を教えてくれた晴斗さん。

「でも、鉄オタにも、撮影がメインの『撮り鉄』、録音がメインの『音鉄』、たくさん乗車をするのがメインの『乗り鉄』などいろいろあって、めちゃくちゃ奥が深いんですよ。で、実際に付き合ってみるといい人が多いし、暗いやつばかりじゃないですし、普通の人たちですよ。

でも、嫁は結構厳しくて、『鉄オタ、キモい』とか『自分が鉄オタだなんて、会社とか周囲の人に言わない方がいいわよ。絶対に嫌われるからうちに連れて来ないでよ』とか、暴言を吐くんですよ。別に鉄道を好きになってほしいとは言わないですが、偏った考え方で僕や周りの人の人格を否定するのはやめてほしいです」

晴斗さんの妻にしてみれば、結婚時には思いもよらなかった夫の変化に戸惑っているのかもしれませんが、「鉄道が好き」というだけで露骨に変人扱いするのも、固定観念に縛られた考え方といえるでしょう。

夫の周りにいる人や妻の周りにいる人の悪口を言うことはそのまま、自分の価値を下げることにつながると意識してください。聞いている側がそう思っていない場合、胸の奥で「僕(私)のことも外で悪口を言っているのでは」と勘繰られます。他者を自分より下に置くことでコンプレックスを拭い去ろうとするのは、相手から見ると“痛い”感覚になります。そして、「悪口を言う人」というレッテルが付くと、たとえ結婚した相手とはいえ、愛情が薄れていくでしょう。間違ったストレス発散の方向であると肝に銘じてください。

最も怖いのは、相手につられて自分も悪口を共有する人になってしまうことです。悪口に「そうだね」と共感しているうちに思考回路がそちらに傾く可能性はあるでしょう。夫婦は似てくるといいますし、緩やかに状況が変化していくことに気付かず、対応を誤ってしまうことを示す「ゆでガエルの法則」は家庭でも起こり得ることです。じわじわと、自分も「悪口を言う人」にならぬよう、パートナーの悪口キャラを制御してあげてください。

もし、悪口を言いたくなったら、その人のよい点を1個でも思い出して変換してみてください。「○○部長は厳しいけど、ヘアスタイルはすてきじゃない」のような明るい会話を目指しましょう。結婚生活を明るい方に向かせることができる夫婦は会話上手です。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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