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青春映画『ベイビーティース』撮影で影響を受けたのは日本映画『湯を沸かすほどの熱い愛』

  • 2021.1.13
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第76回ヴェネツィア映画祭で上映されるやいなや、絶賛の声が溢れた甘酸っぱく美しい青春映画『ベイビーティース』。その撮影テクニックは日本の影響を受けていた⁉︎(フロントロウ編集部)

少女の最初で最後の恋をみずみずしく描く『ベイビーティース』

映画『ベイビーティース』は、期待の新星が集まったオーストラリア映画。病を抱える16歳のミラと、孤独な不良少年モーゼスとの不器用な愛の形をみずみずしく描く。

独特な世界観を持つ主人公ミラを演じたのは、映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で注⽬を集め、米Hollywood Reporterによる「次世代スター10⼈」に選ばれたエリザ・スカンレン。そして、本作での演技によってヴェネチア国際映画祭最優秀新⼈賞を受賞したブレイク必⾄のトビー・ウォレスがモーゼスを演じた。

また、ミラの温かな両親には、映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や『レディ・プレイヤー1』への出演で知られるベン・メンデルソーンと、『ババドック〜暗闇の魔物〜』でTIME誌の「今年最⾼の演技トップ10」に選出されたエシー・デイヴィスが名を連ねた。

本作はシャノン・マーフィ監督の長編デビュー作。11月に行なわれた2020年度のオーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞ほか4つの演技賞含む9つの賞を受賞する快挙を達成した。

そんな彼女は本作で数々の監督に影響を受けた事を明かしている。このたびフロントロウでは、『ベイビーティース』の新たな場面写真とともに、その撮影テクニックを徹底解説!

日本映画からも影響を受けている『ベイビーティース』

主人公ミラと両親の主観ショットから構成されている本作は、それぞれの視点を区別するため、全く異なる2つの撮影法がとられた。使用するカメラレンズの種類やショットの種類を使い分け、登場人物の感情を描写している。

画像1: © 2019 Whitefalk Films Pty Ltd, Spectrum Films, Create NSW and Screen Australia
© 2019 Whitefalk Films Pty Ltd, Spectrum Films, Create NSW and Screen Australia

例えばミラの視点では、非常に⻑いロングショットによって、彼女が感じることや見ているものを超然と映す。これは『Mommy/マミー』などのグザヴィエ・ドランの撮影手法に影響を受けている。

また両親の主観ショットでは、広角レンズに⻑回しという組み合わせを採用し、“時の流れ”を再現。まるで観客も両親の視点でミラの変化を目撃するかのような経験ができる効果をもたらしている。

この撮影テクニックは、映画『ザ・スクエア思いやりの聖域』でカンヌ映画祭最高賞を受賞したリューベン・オストルンドが『フレンチアルプスで起きたこと』で、感情の爆発と家族の絆の複雑さをユーモラスに描いた際に使用したもの。

画像2: © 2019 Whitefalk Films Pty Ltd, Spectrum Films, Create NSW and Screen Australia
© 2019 Whitefalk Films Pty Ltd, Spectrum Films, Create NSW and Screen Australia

さらに、10代の若者の赤裸々な心情をつかみ取り、各シーンに笑いと切なさを見事に同居させる本作のトーンは、『君の名前で僕を呼んで』や中野量太監督による日本映画の『湯を沸かすほどの熱い愛』を参考にしたという。

また、鮮やかな色彩感も見どころな本作は、ミラの照明は自然で明るく、鮮明で未加工。一方、両親の照明は、より人工的で柔らかく、控え目といった対比で描かれている。

そんな本作はアカデミー賞の前哨戦の一つでもある英国インディペンデント映画賞の最優秀国際映画賞に『ノマドランド』などと並んでノミネートが発表されており、今後の賞レースに向けてさらなる注目が集まっている。

映画『ベイビーティース』は、2021年2月19日より日本全国の劇場で公開。(フロントロウ編集部)

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