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劇団四季が16年ぶりの独自作品 主人公の相棒、ポンコツロボが本当に可愛い

  • 2021.1.11
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『オペラ座の怪人』や『ライオンキング』で知られる劇団四季が、16年ぶりに一般オリジナルミュージカルを制作。英国の小説を舞台化した作品の注目ポイントはロボット。そう聞くと、子供っぽいSF作品かと思う人もいるかもしれない。しかしこれが、日々を慌ただしく生きる大人の心に、じわりと染みる良作なのだ。

ポンコツロボットとの旅で見つけた幸せとは―。

見どころ1 本当に生きているようなロボットの愛らしさに注目。

物語の始まりは、主人公・ベンが庭で壊れかけたロボットを見つけるところから。世の中はすでにAIを搭載した人型のアンドロイドが家事や仕事に従事する時代。そんななかで、金属製の壊れかけの錆びた四角いロボットは、フォルムからしてもはやオモチャのよう。自身を「タング」と名乗るそのロボットに愛着を感じたベンは、彼を修理するための旅に出るのだけど、注目はこのタングが本当に可愛いところ。舞台では、タング役のふたりが文楽の人形遣いのようにロボットの背後から操り、セリフと歌も担う。この動きが本当に生きているかのよう。従順なアンドロイドとは違い、タングは時に反発したりスネてみせたりと、まるで子供。表情はさほど変わらないのに驚くほど感情表現が豊かで、気づけばタングの虜になっていること間違いなしだ。

見どころ2 ささやかだけど心に響く温かなヒューマンドラマ。

主人公のベンは、突然の事故で両親を一度に失ったことから無気力になり、仕事もせず、夢を追うこともやめ、ただ日々を無為に過ごしている。ある日タングが庭に現れたことが引き金となり、妻のエイミーから別れを切り出されてしまう。後悔から涙を流しながらも、一歩を踏み出せないままのベンの不甲斐なさに最初はモヤモヤするのだけど、次第に彼の心の傷が少しずつ浮き彫りになっていくうち、気づけばベンの心の応援団になっている自分に気づくはず。終盤には思いもしなかったような展開が待ち受けていたりするけれど、この作品が描いているのは、日常の何気ない小さな幸せや、身近にいて自分を思ってくれる人たちを大切にしようというメッセージ。物事の価値観が一変した今という時代だからこそ余計に響いてくるに違いない。

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』 心に傷を抱え無気力な日々を過ごすベンの前に、壊れかけたロボットのタングが現れる。タングに心惹かれ世話を焼くベンだが、そんな彼に妻・エイミーは愛想を尽かし…。1月17日(日)~3月21日(日) 浜松町・自由劇場 S席1万1000円 A席8800円ほか(すべて税込み) 劇団四季 TEL:0570・008・110 撮影:阿部章仁

※『anan』2021年1月13日号より。文・望月リサ

(by anan編集部)

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