彼氏がかまってくれない時の対処法【ひとみしょうの男ってじつは】

彼氏がかまってくれない……なぜなら彼は浮気性だから、というケースには、今回は触れません。機会があれば、稿を改めて書きます。
そうではなくて、たとえば、彼が仕事ばかりしているとか、彼が友だち付き合いを優先しがち、といったケースについて、今回はお話します。

男には「俺のやり方」が「明確に」ある

男には、「俺のやり方」が「明確」にあります。それは早ければ小学生のうちに形成されます。
たとえば、小学生にしてすでに「自分のやり方」で学校の勉強をする男子がいます。
この宿題は夕飯が終わってからリビングでやる。この暗記科目は1日10分だけ、朝起きた時にやる――みたいな感じ。

大人の男性もまったく同じです。
女子は、男の「かっこいいところ」とか「男らしいところ」に目がいくので、あまりご存知ないかもしれませんが、男は「俺のやり方」で暮らしています。
それが如実に出るのが、たとえば、酒の飲み方です。
「俺は絶対に1杯目はハイボール濃いめ」「俺は絶対、生を2杯飲んでから、次に緑茶割濃いめ、その次は薄め」――「俺のやり方」で男たちは酒を飲むんですね。

女子が「ここの店はお洒落なお酒がたくさんあるから、今日はそれらを順番に飲もうかな」と、「いつもとちがう変化」を楽しんでいる傍らで、男子は「俺は絶対ハイボール（それは死ぬまで変えねぇ！）」なわけです。

「まあそれでいい」と思った人が結婚相手になる

男子の部屋についても同じことが言えます。
男子の部屋って、たいてい掃除が行き届いていなくて雑然としてますね？
その「雑然」は、じつは彼から見ると「俺のやり方で整頓している」となります。だから触るな、と――。

仕事もそうです。「この人、仕事が遅いわねえ」と女子が思ったところで、彼はじつは「俺のやり方」で「秩序立てて迅速に」やっているのです。だから、仕事が遅い男に何を言っても、彼の態度は改まらないのです。彼は彼なりに「秩序立てて迅速に」やっているから、それを「改める」という発想が湧いてこないので。

そのような「男の俺のやり方」は、生涯改まることがありません。
今、彼がデートそっちのけで仕事に生きていたら、彼はこの世を去るまで仕事に生きます。
そして、不思議なことに「そういう彼でもいい」と思える女性がいて、彼はその女子と結婚します。彼が彼女を選ぶのではなく、ふたりは「自然と」結ばれるのです。

だから、あなたがもし、今の彼（仕事人間の彼・友だち付き合いを優先する彼）と、どうしても結婚したいと思っておられるのなら、答えは簡単です。「彼はそういう人だけど、まあいっか」とあなたが思えたら、あなたは彼と結婚できます。
なぜなら、そのような彼の生き様は生涯変わらないからであり、そのような生き様に彼はなんら疑問を抱いていないからです。

とても素晴らしいこと

これ、男女逆パターンも同じことが言えます。
男から見たら「この女子、キレやすいのによく結婚できたな」と思うような人がいますが、そういう人は「俺の彼女はキレやすいけど、まあそれでいい」と思ってくれた男性と結婚した、ということなのです。

みなさん、結婚や結婚後の人生に、さまざまな夢を見ていると思います。その夢に水を差すようで大変心苦しいのですが、結婚って、相手の嫌なところというか、不思議に思うところを、「まあいっか」とか「こんなもんか」と、（あるていど）受容できた時に成立します。

このことは、なにもネガティブなことではありません。いま流行りの（？）多様性を認めることを意味します。
多様性を認めるって、なんか世間で「とてもすばらしいこと」のように報じられていますが、その実態は「まあいっか」「まあ、こんなもんか」なんですよ。
そして、それこそが、じつは、とても素晴らしい気持ちなのです。（ひとみしょう／作家・コラムニスト）