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恋も仕事も家族も先が見えない、主人公の姿に共感必至。

  • 2021.1.4
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もがき続ける主人公の姿がつき刺さる。

『自転しながら公転する』

山本文緒著新潮社刊¥1,881

東京のアパレル企業で働いていた都は、更年期の母親を看病するため、実家に戻り、地元のアウトレットで働き始める。32歳で非正規社員、ひとりっ子で家族の介護もある。恋も仕事も家族のことも先が見えない。いや、見ようとすれば、問題は山積みで、あと一歩を踏み出すのは容易ではない。まさに自転しながら公転する。

周りに求められるものと自分が求めるものの間でもがき続ける姿は、身につまされずにはいられない。山本文緒7年ぶりの長編小説。

*「フィガロジャポン」2021年1月号より抜粋

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