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パンフレットの鵜呑みは注意!外貨建て貯蓄型保険で学んだこと

  • 2021.1.3

貯蓄や投資に興味を持ったときに、みなさんならどこにお金を預けますか?銀行の普通預金、定期預金などが思い浮かぶ人が多いかもしれませんね。ただ、これら貯蓄は低金利のため、なかなかお金が増えていかないのが悩みです。

筆者はあるとき、「株式などの投資商品ならお金が増やせて良いかもしれない」と考え、貯蓄性のある外貨建て保険に加入。そこで学んだ失敗談を紹介します。

円ではほとんど増えない…外貨建て保険の積立利率が魅力的に

まずは、筆者が貯蓄性のある外貨建て保険に加入した経緯を紹介していきます。

それまではどんな商品にお金を預けていた?

筆者は当時、銀行の普通預金、財形貯蓄、従業員持株会、円建ての個人年金保険を保有していました。そのときの銀行預金金利は0.02%ほどで、100万円預けても1年間に200円ほどしか増えません。現在だとさらに下がって0.001%なので、1年預けても利息はたったの10円です。

しかし中には、「家にお金を置いておくと防犯上危険」「手元にあると使ってしまうから」といった理由で、預金している人もいるでしょう。筆者もお金を増やすという感覚ではなく、「財布に入れておくと使ってしまうから」という理由で、普通預金を利用していました。

そのほかの財形貯蓄や従業員持株会は、会社が行っている制度で、給料から天引きされるもの。周りの同僚や友人がしていたのもあって、「知らないうちに貯蓄できるかも」といった気持ちから始めました。ただ、「3年以上積立しないと一部解約できない」や「単元株にならないと売却できない」など、いくつか制限があるのが特徴です。

円建ての個人年金に関しては、老後の資金を貯めようと思い始めました。しかし毎月の貯蓄割合としては、銀行の普通預金に預金するのがもっとも多かったので、「もう少しお金を増やせたら良いのに……」と思うようになります。

積立利率なんと4%!もうこれは始めるしかない

そんなときに知ったのが、貯蓄性のある外貨建て保険です。これまで、外貨建て商品を持っていなかったので興味深かったのと、なにより当時の積立利率が4%ほどあったことで、さらに魅力的に感じました。パンフレットを見て「これだ!」と思った筆者は、すぐに加入するのですが…。

知っているようで知らない!積立利率の落とし穴

ピン!ときて外貨建て保険に加入した筆者ですが、加入後に気づいたことがありました。ここでいくつか紹介します。

具体的にはどんな商品だったの?

米ドル建ての外貨建て保険に加入すると、保険料は毎月日本円で支払います。契約後、米ドルに為替取引され運用が始まり、払込期間は10年間。10年間保険料を支払ったら、寝かせることで米ドル資産が増えていく仕組みになっています。

「10年なんてあっという間」「結婚の予定もないし今使わないお金は投資しよう」というスタンスだったので、正直あまり深く考えていませんでした。しかし加入して1年ほど経ったとき、保険会社からの報告書で疑問点が出てきます。自分が想定していたよりもお金が増えていないのです。

外貨建て保険の積立利率に気をつけて!

どうして想定よりも増えていないのか気になったので、加入時にもらったパンフレットを引っ張り出して詳しく調べてみました。すると、積立利率は運用利回りとは違ったのです。

筆者は、支払った保険料全体に年4%ほどの利率が付与されると思っていたのですが、実は保険料のうち、“積立部分のみ”に付与されるものだったのです。つまり、支払った金額ではなく、運用や死亡保障などにかかる費用・手数料を引いたあとの金額に、付与されることがわかりました。

ということは、実際には年4%ではなく、それよりも低い金利というわけです。この仕組みを知ったときはショックで解約しようかと思いましたが、加入期間が短かったため、解約返戻金が少ないこともありそのまま続けることにしました。

外貨建て保険のメリットとデメリットとは

この仕組みに気づいた直後は、信じていた積立利率に裏切られた気持ちがありました。しかし、普通預金に預けていてもほとんど利息がつかないことを考えれば、筆者としては「1つの資産運用としては良いのかな」という答えにいきつきました。

最後に、外貨建て保険で感じた筆者が考えるメリットとデメリットについて、それぞれ紹介します。

メリット1:普通預金や定期預金よりは金利が良い

実際はパンフレットに記載されている積立利率ではありませんが、普通預金や定期預金に預けるよりは運用利回りが良いでしょう。預金していても、お金は微々たる金額しか増えません。それを考えると、一つの選択肢にはなると思います。

メリット2:為替差益が期待できたり米ドルで受け取りOK

米ドル建ての保険なので、米ドルの動きが関わってきます。外貨建て保険の最終的な受け取りは、米ドルか日本円かの選択が可能。そのため、受け取りのときの為替が円安になっていれば、運用利回り以上の利益を手にできるかもしれません。海外旅行する人は、米ドルで受け取れば為替の影響を受けないので、これもメリットと言えるでしょう。

メリット3:貯蓄しながら万一の保障も受けられる

死亡保障に関してですが、外貨建て保険は名前にあるように保険の機能がついています。そのため、万一死亡したときや高度障害になってしまった場合には、保険金が支払われます。

若いうちは「自分1人だから死亡保障や高度障害など関係ない」と思いがちですが、将来的に結婚したり子どもが生まれたりすると、貯蓄しながら万一にも備えられるのでメリットは大きいように感じました。

また、結婚せず独身だった場合、なんらかのきっかけで高度障害になって介護が必要になったとしましょう。そのとき介護してくれる親や親戚などに、精神的負担をかけるだけでなく、金銭的負担もかけてしまうかもしれません。そういったときに保険金が使ってもらえば、少しは負担を軽減できるでしょう。

デメリット1:途中解約する可能性があるなら注意が必要

「運用利回りと積立利率は違う」といったデメリットがありますが、筆者が特に感じたデメリットは2つ。まず1つ目は、途中解約しにくいことです。加入して数年しか経っていないときなどに、急にお金が必要になったからといって途中解約すると、払い込んだ保険料合計よりも少ない金額しか戻ってきません。

「近いうちに解約するかもしれない」「10年後に必要なお金」というお金であれば、外貨建て保険には向かないでしょう。ただ、長期で運用する予定であったものの、どうしてもお金が必要になった場合は、貸付利率が発生しますが、契約者貸付という制度があるので検討してみてください。

デメリット2:円高になったら円安になるまで待てる?

為替変動についてはメリットとして紹介しましたが、これはデメリットにもなり得ることを知っておきましょう。円安になれば良いですが円高になっていた場合、受け取り金額が減ったり、むしろマイナスとなってしまったりする可能性もあるからです。

円高になったら米ドルのまま保有しておき、円安になった時点で日本円にするといった方法をとれば、為替リスクを回避できるでしょう。しかし、子どもの教育資金や老後の資金といった目的だと、円安になるのを長期間待つのはなかなか厳しいかもしれません。外貨建て保険に加入するのであれば、許容できる為替リスクの範囲で行いましょう。

数字にまどわされないで!商品の特性をしっかり理解しよう

投資の話では筆者のように、どうしても数字に目がいきがちです。そのとき良いと思っていても、よくよく考えると重大なリスクや見落としがあることもあります。ただでさえ保険の仕組みは複雑なのに、そこに為替が関わってくるとさらに複雑になるでしょう。

数字に流され安易に加入するのではなく、商品の特性を理解して、自分の投資に対する考え方と合っているかを判断してから加入するといいのではないでしょうか。

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