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「コメダ」コロナ禍でも好調?選ばれる2つの理由

  • 2021.1.2
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近年、カフェ業界が好調です。市場規模は1982年のピーク(約1.74兆円)以来、下落傾向が続いていましたが、2009年からは拡大傾向に転じています。

2019年の市場規模は約1.18兆円。10年間で市場規模は約1,800億円増えました。ピークと比較すれば低い水準ですが、堅調に回復しているようです。

カフェ業界は全体的に好調ですが、特に「コメダ珈琲店」が好調です。カフェ業界の売上ランキングと、コメダ珈琲店の強さを紹介します。

■カフェ業界 売上ランキング

帝国データバンクが喫茶店(法人、個人営業)1,180社を調査した結果によると、2017年の売上ランキングは以下のようになりました。

1位:スターバックスコーヒージャパン 1,710億円(+6.4%)
2位:ドトールコーヒー 726億円(+1.8%)
3位:タリーズコーヒージャパン 303億円(+9.1%)
4位:サンマルクカフェ 280億円(+3.0%)
5位:コメダ 243億円(+10.7%)
※()は対前年の増収(売上の増加)率

売上ランキング首位は「スターバックスコーヒージャパン」となりました。1,180社の売上合計6,415億円のうち、約27%を占めています。

そして、増収率トップは「コメダ」になりました。直近の2020年2月期では売上が312億円まで上昇しており、好調は続いているようです。

■コメダは新型コロナも比較的影響少ない

カフェ業界に暗い影を落とす新型コロナウイルスですが、コメダ珈琲店は比較的影響が少ないようです。

2020年3月~9月の対前年同月比の売上を以下にまとめました。すべての月でコメダ珈琲店が最も落ち込みが少なく、9月には前年よりも売上が増えています。

■コメダが選ばれる2つの理由

●理由①「QSC」重視のくつろぎ空間

コメダ珈琲店は、お店の「QSC」を重視しています。「QSC」とは飲食業界用語で、飲食店に重要な「Quality(品質)」「Service(サービス)」「Cleanliness(清潔)」の3つを表しています。

コメダ珈琲店は「QSC」を以下のように捉え、重点施策としています。

Q:「もっといいもの」おいしいものの追求など
S:「もっといいこと」コメダ流おもてなしの追求など
C:「もっといいところ」くつろぎ空間の進化・拡大など

コメダ珈琲店は、おいしい食事やコーヒーの提供はもちろん、居心地のよい空間作りを重視しているようです。

●理由②巧みなFC(フランチャイズ)展開

コメダ珈琲店はFC率が高く、地域に合わせた店作りを仕掛けている点に特徴があります。

FCとは、コメダ珈琲店のライセンスを会社や個人に付与し、運営する仕組みのことです。2020年8月末時点で、コメダ珈琲店870店のうち、841店がFC店で、直営店はわずか29店しかありません(国内店舗のみ)。

コメダは本部として機能しますが、お店の運営は各FC店の柔軟な対応を認めています。コメダのHPで店舗検索をしても、各店でメニューが異なることが分かります。また価格が異なる場合もあります。

FC店に柔軟な対応を認め、あえて画一的なサービスとならないようにし、地域の実情に合わせた運営を図っています。

ただし、「コメダらしさ」を失わないような工夫も行っています。70日以上のFC導入研修や、本部社員(スーパーバイザー)が月に1~2回の巡回指導を行う制度があり、コメダの戦略から逸脱した店にならないようにもしています。

■「くつろぐ、いちばんいいところ」がコメダコーヒーの強み

コメダ珈琲店は、「くつろぐ、いちばんいいところ」を経営理念に掲げています。好調なカフェ業界の中でも特にコメダ珈琲店が選ばれている理由は、独自の空間作りにあるといえるでしょう。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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