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ママへの愛は無条件? 親から虐待された子どもたちの本音3例

  • 2015.6.2
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【ママからのご相談】

小学4年の男の子を1人もつ母親です。私の子どもに対する虐待について相談させてください。子どもが言うことを聞かないと、イライラしてキレてしまうようになりました。 子どもを何時間も座らせて話したり、時には物を投げつけてしまったりします。主人にはすっかり信用を無くされいつも否定ばかりされ、今では主人は敵とさえ思っています。私はバカなのでしょうか。子どもはかわいいと思っています。でも、どうにかしたいけどイライラが我慢できない。

私が既に子どもにしてしまった行動は、子どもの心には取り返しがつかないことになってしまったのしょうか。大きな傷にしてしまって将来にどんな影響があるのかすごく心配です。もし、まだ間に合うのなら、頑張って直したいのです。どうか、アドバイスをいただけますよう、よろしくお願いします。

●A. 大丈夫ですよ。お子さんとの良好な関係はこれからの母親の言動次第で、取り戻せます。

はじめまして。こんにちは。藤じゅんです。お気持ちをお聞かせいただき、ありがとうございました。

虐待のことについてお話をすることは、とても勇気のいることです。このように、お話しくださったこと自体、ご相談者さまのお子さまに対する優しさと愛を感じることができました。

お子さまの心の傷のことそして、お子さまの将来のことをきちんと考え、懸念されているご相談者さまの虐待に対する行為は必ず押さえられると信じています。

●虐待を乗り越え、母親と良好な関係を築いた実例3選

子どもにとって、母親はかけがえのない存在です。どんなに怒られても子どもお母さんが大好きです。このことは絶対に忘れないでくださいね。では、実例を幾つかお話させていただきます。

●ネグレクト体験

4歳から父親、祖父母からの虐待、母親のネグレクトを体験。死を切望して生きてきた。肉体の痛みと心の傷から、逃げたかったため。その後両親は離婚し、母親側で生活。成人した後、独立。父親の死の知らせを聞き号泣。

遺体の前で父親の虐待をすべて許すことにした。母親は健在でネグレクトは変わらないが、自分のできる限りの親孝行をしている。その理由はなぜだかわからない。母親との良き思い出はたった1つ。今もそれだけは自分の心に大切にしまっている。

●言葉の虐待

小学生のときより、母親の言葉の虐待をうけてきた。今思えば両親の不仲が原因だったのかもしれない。母親の機嫌を取ることばかり考えて生きてきた。

就職し独立しても、実家に帰りたくないと思っていたが、なぜか母親には用事がなくても定期的に電話連絡をしている。いつもケンカ別れの繰り返しだったが、それでも、電話連絡は止めなかった。しかし、ごく最近母が急に優しくなった。理由は分からないけれど私が悩んでいると、すぐに私の所に来て、励ましてくれ、買い物と夕食を共にしたりしてくれる。それだけで、気持ちが落ち着く自分がいる。

●暴力の虐待

今思えば2歳頃から、両親からの虐待を経験。心も体もボロボロだった。今でもその記憶は鮮明に心に刻まれている。成人した今、父親とは心の中で断絶しているが、母親のことは心のどこかで気になっているのか、時々一緒にご飯を食べている。母親みたいな女性とは結婚したくないと思っていたが、今は前ほど強くは思わなくなっているような気がする。どうしてそうなったかは分からない。ただ、自分が親になったとき、自分の子どもに虐待は絶対にしないと心に強く決めている。

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この3つケースに共通すること、感じ取ることができましたでしょうか……。そうです。どんな虐待下で育った子どもでも母親への思いは理屈抜きで特別なものであるということなのです。こう考えると同じ母親としてジーンとくるものがありますね……。

●子育ての悩みは、だれもが持って当たり前

さて、ご相談者さまのお話から、子育ての悩みも伺えました。確かに道徳的に分別をわきまえた大人に成長してほしいというのは、母親の共通した思いの1つでありますよね。しかし、子どもは言うことを聞かない……。

どのご家庭でもお子さんがそういう態度を取る年頃はあると思います。母親がイライラするのは当然! 私も経験ありますよ。ご相談者さまはそういったとき、自分自身に子育ての責任を強く感じていらっしゃるのではないでしょうか? そんなときは、もっともっと周りの人に協力を頼んでいいと思います。

例えば、

・ゲームの時間を守らないときは父親であるご主人にヘルプを求める

・食事のマナーを守らないときはお子さんのお友達や学校の先生にその指摘を頼んでみる

など、他にもいろいろ考えることができると思います。

どうか、お一人で心の中に抱え込まないでくださいね。今回お聞かせしてくださったように、誰かにお話してヘルプを求めること、勇気のいることかもしれませんが、ご相談者さまのこれからの子育てに必要なことだと感じました。

●子育ての基本はご夫婦で

お子さんはお2人の大切な存在なはずです。本来、子育ての悩みはご夫婦で相談、解決方法を探して試行錯誤することが望ましいとことです。しかし、ご相談者さまの場合は今、その様な状況ではなさそうだと想定させていただきました。しかし、今後このような状況を続けては何も解決の方向へ向かわないような気がします。

まずは、ご主人様と一緒に悩みをとことん共有してみて欲しいと思います。ご主人様もご相談者さまである奥さまの子どもに対する言動の結果だけを捉えて判断するのではなく、どうして奥さまが今このような状況になっているのか、原因を究明してあげて欲しいと強く思いました。

ただ単に子どもが母親の言うことを聞かないというだけではないと感じられるからです。

“虐待は連鎖する”とよく耳にしますが、虐待を受けて育ち、ご結婚され、無意識のうちに自分の子どもに虐待行為をしようとしたとき、夫の協力のもと、それを克服した女性もいます。

どうか、自己否定などなさらずに前に進んでいってほしいと思います。そして何かまた、お気持ちが苦しくなったら、いつでもお話しくださいね。お待ちしていますから……。

●ライター/藤じゅん(カウンセラー)

二男二女(双子)の母。海外で出産した下3人は年子で双子。バリバリのキャリアウーマンに目指すはずだったが、結婚・出産・夫のニューヨーク転勤に伴い子育て中心の海外生活(6年間)を経て帰国。仕事から離れ、子育てを充実させようと奮闘する中で、ママ達のストレスを目の当たりにし、末子である双子の卒園を機にカウンセラーの資格を取得。以降、「ママの心の健康が大切」「ママが楽しければ子どもは幸せ」「夫婦は家族の原点」「夫との会話のススメ」「子どもが不登校になったら……」「子どもが反抗期の時は……」等、ママとなった女性の心のケア、結婚前の女性の相談に力を入れている。しかしながら、近頃は男性からの相談を通して「男性側の視点」も大切にし、どんなに小さい問題点も疎かにせず、専門分野外の「対人関係の悩み」に老若男女問わず、幅広く対応している。療法や定義に捕らわれず、日常生活の中から悩みを緩和させ、元気に明るく生きていけるようなアドバイスできる「家庭的で、身近なカウンセラー」を目標に日々精進中。

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