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【イケメンインタビュー・SUPER PEOPLE】【高橋一生】インタビュー 岸辺露伴の生き様から「美しさ」のヒントを学べそうな件

  • 2020.12.26
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『露伴の偏執的なまでの情熱に背中を押されました』

『岸辺露伴は動かない』は、荒木飛呂彦さんの漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の派生作品です。役作りではどんなことを意識しましたか?

高橋一生さん

「露伴ちゃんはもともと大好きなキャクターだったからこそ、とにかくモノマネにならないように気をつけたいと思っていました。とはいえ、荒木先生は構図や人物のポージングが特殊なので、そこはできる限り抽出していきたいとも考えていて。どうすれば静画の世界観を連続的な動きの中に取り込めるのか……監督やスタッフの方々と一緒に試行錯誤しながら撮影に挑みました。最終的には、あまり余計なことを考えず、自分が露伴ちゃんになりきることに徹していました」

衣装にも相当なこだわりを注いだそうですね。

「原作の露伴ちゃんはいつもギザギザのヘアバンドを身につけています。それを実写でリアルに見せるためには、どこまでトーンダウンさせるべきなのか? どれぐらいの太さで、どんな角度で被れば、顔に影ができないのか? 撮影に入る前に何度も打ち合わせを重ねて理想を追求していきました。衣装に関して、ここまで自分の意見を発信したのは初めてかもしれません」

高橋一生さん

そもそも高橋さんは学生時代から岸辺露伴が好きだったそうですが、どんな部分に惹かれていたんですか?

「露伴ちゃんは、ともすると、子どもに対しても容赦なくグーで殴っちゃうような人なんです。年齢という概念を除外して人と対峙して、志と志のぶつかり合いをしている人物というか。端的に言ってしまうと、大人げないのかもしれない(笑)。僕は高校生の頃に露伴ちゃんに出会いましたが、その偏執的なまでの情熱を目の当たりにして、『これでいいんだ』と思ったんです」

―高橋さんは当時から俳優でしたが、同じ表現者として露伴の姿勢に勇気付けられたということですか?

「はい。露伴は漫画家ですが、物事を探求するスタンスはこんなに変わっていてもいいんだと、背中を押されたような感覚でした。露伴はリアリティを追求するために、部屋で見つけた蜘蛛を殺して味見をしちゃうような人なんです。いや、実際に役作りで蜘蛛を食べたりはしませんが(笑)、それだけ探求して自分の中に落とし込んでいく姿勢には多分に影響を受けていると思います」

「“美”は人の自信に宿るんだと思います」

高橋一生さん

―VOCEはメイクやスキンケアを通じて“美”を追求する女性を応援するメディアです。高橋さんは、女性を見ていてどんな瞬間に色気を感じますか?

「僕は日頃からお芝居をしている人間なので、性別に関わらず、意図的な仕草は分かってしまうんです。ですから、ふとした瞬間に出てしまう無作為の言動にその人らしさが見えたときに、グッとくるのかもしれません。本人がコンプレックスに思っているようなことも、他者からはすごく色っぽく見えることがあると思うので、変に隠そうとしたり、取り繕ったりしないで、なるべく自然体でいることが美しいのではないでしょうか」

―そうですよね。でも、コンプレックスを隠す方向のメイクをしている女性も少なくないと思います……。

「こんな言い方をしたら女性を敵に回してしまうかもしれませんが、多分、隠そうとして手を加えた部分から先に劣化していくような気がしていて。だから、なるべくやらないほうがいいのかもしれなません。そもそも、今は“美しい”の答えが統一されすぎているように感じます。基準が1つに縛られすぎているから、みんながそこに行こうとして、無理をしてしまう……。バラバラの個性を持って生まれるように設計されているのに、それを否定するようにみんなが同じ美しさを目指していたら、きっと神様が悲しんでしまうと思います(笑)。僕は、もっと多様な美しさがあってもいいような気がしているんです。すごく手の込んだナチュラルメイクをしようという意味ではなくて、自分に自信を持つとか、生活習慣を見直すとか、そういったところから自分本来の輝きが出てくるのではないかと思います」

高橋一生さん

―VOCEが発信すべきことを代弁していただいている感覚です。

「“美”は、自信に宿ると思うんです。僕は40歳なったばかりですが、周りの40歳に合わせることを意識してしまうと、途端に何かが崩れて、いきなり腰が痛くなったりするかもしれません(笑)。同級生に『若作りしているよね』なんて言われたとしても、一般的な基準に合わせる必要はないというか。自分に自信を持って、自分が信じたことを追求していくと、意外と年齢を超越した魅力を保てるんじゃないかと思っています」

―つまり、日本の女性は、もっと岸辺露伴みたいになるべきだと。

「そういうわけではありませんが(笑)、周囲に『バカだな』とか『勘違い野郎だな』などと思われてもいいから、自分にとって大事なものを大事にしようとする“意志の力”が、人生の全てを変えていくのは間違いないと思います。それは僕自身も実感していることですし、今回のドラマを通して少しでも意志の力に影響を与えることができたら、役者としては本望です」

高橋一生(たかはしいっせい)

PROFILE
1980年12月9日生まれ、東京都出身。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。近作に、映画『ロマンスドール』、『スパイの妻』、ドラマ『凪のお暇』、『竜の道 二つの顔の復讐者』などがある。舞台『天保十二年のシェイクスピア』では第45回菊田一夫演劇賞を受賞。1月17日スタートの日曜劇場『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)に出演する。

撮影/MELON(TRON) ヘアメイク/田中真維 スタイリング/部坂尚吾(江東衣裳) 取材・文/浅原聡

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