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意外と知らない?! 助産師が教える「冬妊婦」が気をつけてほしいこと

  • 2020.12.17

冬になって寒い日が続くことで、体が冷えてさまざまな不調が出てくることがあります。また冬は空気が乾燥しやすく、風邪などで体調を崩しがちです。今回は、妊婦さんに冬になったら気をつけてほしいことについてお話しします。

体の冷えについて

「冷え」からくる妊娠中のトラブルは以下のようなものがあります。
・おなかが張りやすくなる
・つわりがひどくなる
・腰痛や便秘になりやすくなる
・足がむくんだり、つりやすくなる

妊娠すると赤ちゃんがおなかの中で育ち始め、母体は妊娠をキープするために高温状態を保ちます。これは、ホルモンの影響によるものです。妊娠初期が過ぎて妊娠13週以降になると通常の体温に戻るといわれています。妊娠中はつわりなどの体調不良で運動量がおちて筋肉量が減り、妊娠後期におなかが大きくなることで下半身への血流の流れが悪くなり、冷えやすくなることもあります。

体が冷えるとどうなる?

冷えると血管が収縮し、血流が悪くなって、子宮に行く血流量が減ることで妊娠中期には張りやすくなることがあります。冷えは、妊娠初期にはつわりを悪化させたり、腰痛がひどくなったりすることもあります。妊娠中は便秘しやすいくなりますが、冷えが原因で腸のぜん動運動が悪くなることも要因の1つです。

筋肉量を増やすことによって、血液循環をアップさせることができます。妊娠中期になったら、妊婦経過に問題がない人はウォーキングなど適度な運動をするように心がけましょう。また、朝食は体温を上げるためにはとても大切です。バランス良くしっかりとるように心がけましょう。

手や足先が冷えないように、手袋、靴下をはくようにしましょう。特に足首を温めるレッグウォーマーがおすすめ。体が冷えることでおなかが張りやすくなることもあるので、腹巻などでおなかや腰回りを冷やさないことも大切です。

皮膚の乾燥や空気の乾燥について

妊娠中は、皮膚が敏感になり皮膚トラブルになることも多いです。冬は乾燥することで、痒みが出てきやすくなるので保湿が大切です。特におなかや乳房などは、妊娠週数が進んでくると大きくなって皮膚が伸ばされて薄くなってきます。この部分は乾燥しやすいため、肌にやさしい綿素材の下着をつけ、お風呂上がりに保湿剤で保湿するようにしましょう。

また、部屋が乾燥することでインフルエンザなどのウィルスに感染しやすくなります。抵抗力が落ちている妊婦さんは罹患しないように、冬の時期は特に注意が必要です。温かい飲み物を適宜飲んで水分補給をし、感染予防のためにも加湿器などで湿度を調整しましょう。

むくみなどについて

寒くなって、血液循環が悪くなると手足の浮腫が出てくることがあります。妊婦さんは特に浮腫が出やすくなります。お家でも靴下をはいて足元を冷やさないことも大事です。

お風呂でゆっくり温まるのも浮腫予防には大切です。夜はお風呂で38〜39度くらいのお湯にゆっくり浸かるのもいいでしょう。また、バランスのとれた食事や規則正しい生活で体調を整えることも浮腫予防には大切です。


乾燥や冷えを予防することは、妊娠中に起こるマイナートラブルを予防することができ、風邪などの感染症予防にもつながります。栄養のバランスのとれた食事にも心がけて、体調を整えながら寒い冬を乗り切りましょう。


監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀

2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。

ベビーカレンダー編集部

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