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スニーカー好きの駆け込み寺。泥だらけの1足はスニーカーウォッシュ専門店でどれだけ変わる!? その実力を徹底レポート

  • 2020.12.14
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この時期恒例である、年末の大掃除。気持ちよく新年を迎えるためには家にある雑貨類の整理だけでなく、1年間着倒した衣料品の整頓も欠かせない。なかでも意外と手がまわっていないのがスニーカーのケアだ。そこでおすすめなのが、渋谷パルコ にある日本初スニーカーウォッシュ専門店「Licue & Sneakers」のサービス。洗濯代行で知られる「WASH & FOLD」の系列店ということもあり、その効果も大いに期待できる。

洋服を洗濯するのは習慣化されている一方で、スニーカーのケアを習慣化できている人は少ない。もっと言えば、スニーカーは消耗品。お気に入りの1足を履かずに大切に保管していたとしても、加水分解を起こすこともある。それゆえ、割り切って定番のモデルを履き込んでは捨てている人もいるのでは。そんな人こそスニーカーケアを見直してほしい。

スニーカーマニアの駆け込み寺として知られる「Licue & Sneakers」は、水洗いクリーニングブランド「Licue」と国内初となるスニーカーウォッシュ専門ブランド「&Sneakers」の複合店だ。メンテナンスはもちろん、どんな酷い汚れもここに来れば大抵解決できるという。さて、その口コミは果たして本当なのか。編集部員の処分候補だった1足を持ち込んで検証してみた。

今回持ち込んだのはこちらの「Nike エアフォース1」。白のアッパーに黒のスウッシュが配されたシンプルなモデルだ。フットサルなどでのヘビロテにより見ての通り砂埃まみれに。おまけに、シューレースにも砂埃などが細かく入り込んで真っ黒。アスファルトなどの油などさまざまな成分が混ざっているため落ちにくいとされている泥汚れ……。洗うのが億劫で数ヶ月放置してしまったこのスニーカーをどこまで白くすることができるのか。早速、「Licue & Sneakers」の店長の岡本宗也さんに見てもらった。

店頭に持っていくと、スニーカーのカルテを書いてもらうところから始まる。ここでは、具体的にシューズのどこに汚れがあってどのような状態なのかを判断してもらう。また「New Balance」のスエードのアッパーのように、素材によって水洗いがNGなタイプもあるので、ここで洗い方などもチェックされる。

「これは簡単に白くなりますよ。GRADE1機械洗い(700円)のコースもありますが、このシューズはレザーなので、GRADE2手洗いのコース(2,000円)からのお預かりです。紐もかなり汚れていて履き込んでいる様子なので、オプションの紐外しタン洗いや消臭、防水をつけてGRADE3(3,500円)でお預かりできればかなり蘇ると思います」と意気込んでくれる、店長の岡本さん。

紐を取り外してソール下処理やコーディング、タン洗いなど細々とした作業をするのはある程度の時間の確保が必要だ。しかも自分でやってもキレイになる保証もなく、手間がかかるスニーカー洗浄をこの価格ですべてやってもらえるのはかなりありがたい。

手洗いと機械を組み合わせてフルクリーニング

本来はここで、申込と同時にスニーカーを預けることになる。今回は特別にそのあとどんなことをしているのかを見せてもらった。商品預かり後、バックヤードでの作業の様子をお届けしていこう。

まず、水につける前に粗汚れを落としておくことから始まる。シューレースをはずした後、岡本さんが最初に行ったのはシューズのブラッシング。アッパーはもちろん、ミッドソールからアウトソールまでくまなく豚毛のブラシを使ってブラッシングをしていく。革靴の手入れをする際によく使用する柔らかい馬毛ではなく、硬く豚毛のブラシを使って摩擦で泥を落とすのがこだわりだとのこと。確かに、これだけでもアッパーの泥汚れが3/1くらい落ちた気がする。

「泥や埃などの汚れは湿るとこべりついてしまうため、水洗いをする前に落とすのが鉄則です。ブラシで全体的にブラッシングするだけでもだいぶ白くなります」

ブラッシングが終わると、同店オリジナルの洗剤を付けて水洗いを開始。ブラシと洗剤を使って泡立てるように全体をゴシゴシ擦っていく。今回は、表面だけでなくインナーも真っ黒だったため、こちらも繊維の中まで浸透してしまった汚れをブラシの摩擦で落としてもらう。片足の水洗いをするだけでも10分強もかかる。

「いわゆる、プレミアムスニーカーは素材や作りがデリケートなものが多いですが、このモデルは素材や塗装が比較的、丈夫なので洗剤を使うことは問題ありません。全体的に泡立てて泡の吸着で汚れを落としていきます。洗剤に除菌・消臭効果もあるので、清潔な状態で洗い上げることができます」

水洗いの後は、さらなる白さを追求するために、まだ砂埃が残っている箇所に部分的に特殊な機械を当てていく。すると新品同様の白さに。

見事に本来の白さを取り戻した。とりわけキレイになったのはソールの部分で、新品のような仕上がりだ。比較のために、クリーニング前のものと並べてみると一目瞭然。これはかなり凄い!

洗い上がったスニーカーは、最後の仕上げである入り口の正面にある乾燥機スペースへ。オリジナル専用ドライアーを使ってただ乾燥させるだけでなく表面に突き出た筒からオゾンの風が出ており、ここでもスニーカーの脱臭除菌・消臭効果をもたらしてくれる。家でも近所のコインランドリーでもここまでこだわってスニーカーを洗うことは難しいため、かなりの満足感がある。

日本ではまだまた少数派なスニーカー洗濯の専門店。「Licue & Sneakers」は渋谷パルコという土地柄もあり、プレミアムスニーカーやラグジュアリーブランドスニーカーのクリーニング需要も多いという。また、女性の場合は汚れよりも匂いを気にして来店する人も多いと岡本さんはいう。

「スニーカーは消耗品でもあるため、一部のマニアを除けば履き潰して捨ててしまう人もいるかもしれませんが、汚れや匂いなどは想像以上に簡単にケアすることができます。自分で完璧に行うのは知識や技術、道具がいるためハードルが高いですが、一度持ってきていただければ大抵のことは対応できると思います」

スニーカーメンテに対する価値観が変わる「Licue & Sneakers」のスニーカーウォッシュ。ものぐさな大人こそ今すぐトライして、気持ちよく新年を迎えてほしい。

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