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ママ友LINEを思わず通知オフ! 2人目出産の報告ラッシュに「仕事の都合で妊活できない」母の苦悩

  • 2020.12.14
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今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

ママ友LINEを思わず通知オフ! 2人目出産の報告ラッシュに「仕事の都合で妊活できない」母の苦悩の画像1
写真ACより

今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

子を持つママたちにとって、関係がない話ではない“少子化”。あまり表立って話題に上がりにくいが、「2人目はまだ?」というプレッシャーに、悩んでしまうママは少なくないようだ。今回は、そんな「2人目問題」に遭遇したママたちのエピソードを紹介する。

「まだ20代なら、2人目も作れるじゃない」年上ママからのモヤッとする一言

都内にある不動産会社で、営業事務として働いている愛美さん(仮名)は、関東圏にある保育園に2歳の男児を通わせている。

「この地域では、タワマンや、建売住宅が頻繁に売りに出されています。都心へのアクセスが良いわりに、都心ほど価格相場が高くないので、自分たちのような23区内から引っ越してきた20代や30代のファミリー層も多いんです」

この地域に越してきたばかりという同じマンション、同じ保育園ののママ友たちとは、すでに懇意の仲だという。しかし、「2人目はどうするのか」と詮索してくるママ友がいて困っているという。

「同じマンションに住んでいるママ友を中心に、地域センターなどで知り合ったママたちとLINEでグループを作っています。私は今年で30歳になったのですが、夫は2つ年下の28歳。周りのママ友からは、若い夫婦だと思われており、何かあると『2人目は作らないの?』と聞かれるんです」

愛美さんいわく、「子どもが人いるので、不妊ではないだろうと思われているのか、子どもが1歳を過ぎたあたりから、『2人目は?』と聞かれる機会が増えた」とのこと。

「あるママさんが、保育園のお迎えにあまり来なくなったので、ママたちの間で『妊娠じゃない?』と話題になっていました。そうこうしているうちに、グループチャットで、本人から『2人目が安定期に入りました』というメッセージが来て、みんなで『おめでとう』とお祝いしていたのですが、同じマンションに住むママから、個別で『〇〇ちゃんママ、2人目だって。うちは年齢的に諦めたけれど、2人目作らないの? ほしいなら、急いだほうがいいよ』とメッセージが来て、モヤッとしました」

このように、ママ友グループ内では、2人目ができた時に、妊娠報告が行われることは珍しくないというが、そこから発展して、「2人目問題」に口を出されると、愛美さんは「放っておいてほしいという気持ちになる」そうだ。

「将来的には、2人目もほしくないわけではないのですが、今は時短勤務しているので、早く出産前のように働けるようになりたいんです。夫より私のほうが稼ぎも多いので、また育休を取るわけにはいかないし……」

子どもを産むまでは、両親や親せきからの「子どもはまだ?」とプレッシャーをかけられたという愛美さん。しかし、子どもを出産した後も、その圧力は続いているという。

「周りで、誰かが妊娠すると、『2人目はどうする?』とママたちの間で話題に上がるのは、“あるある”かもしれませんね。そういえば、3人目を妊娠中だったママから『子どもが多いと楽しいよ』というメッセージが来たのですが、『うちは考えていない』と答えると、『一人っ子はかわいそう』という返信が来たことがありました。周りも何気なく言っているので、きっと悪気がないんでしょうが、正直イラッときますよ。第1子を妊娠するまでの『子どもはまだ?』っていうプレッシャーもつらかったけど、『(2人目を)なんで作らないの?』っていうプレッシャーもしんどすぎます」

出産を経験した者同士なら、「2人目」の話題を出しても大丈夫という、ママたちの暗黙の了解があるのだろうか。しかし、人知れず負担に思っているママがいるかもしれないことを知る必要もありそうだ。

ママ友6人が一斉に2人目を妊娠……思わずLINE通知をオフに

都内にある認可保育園に、4歳になる息子を通わせている幸子さん(仮名)は、周りのママたちの間で2人目の妊娠が相次いでいるという。

「うちの園は、1学年20人ほどの大型園。そのため、兄弟や姉妹で通っているママたちも多いんです。満4歳児クラスに上がった頃に、周りのママたちの間で、2人目を妊娠している人たちが増えました。6人ほどのママが、同じ頃に妊娠をしたので、グループチャットは、自然と出産のお祝いや2人目の保活についての話題で持ちきりでしたね」

ママたちの間では、1人目と2人目の年の差が、2歳もしくは4歳になることを望むケースが多いという。2歳差の場合は、第1子と第2子の乳幼児期が重なるため、育児自体は大変だが、一気に乳幼児期を終わらせることができる。4歳差は、上の子が一人で問題なく歩いたり、着替えたりできるなど、手間がかからなくなるので、下の子の世話がスムーズに進むという。ちなみに、3歳差だと、卒業や入学の時期が重なるので、避けられる傾向もあるそうだ。

「周りはワーママなので、1人目の育児休暇から職場に復帰し、3年ほど働いて、また育児休暇などを利用するのも考えて、4歳差を狙って妊活をした人が多かったみたいです」

一方、幸子さんは2人目に積極的になれないという。その理由は一体何なのだろう。

「実は新型コロナウイルスの影響で、これまでの接客業からECサイトの入力業務などを行う企業に転職をしたのです。うちの会社は、入社後1年間は、育児休暇は適応除外という扱い。そのため、来年以降まで、妊活は諦めています。うまくいっても、出産できる時に上の子が6歳では、同じ保育園にきょうだいで通わせると下の子が半額になる制度も、ほとんど意味がないし、きょうだいだと優先的に保育園に入れることもなくなってしまう。2人目を持つかどうか悩んでしまうんです」

幸子さんは、4歳差で出産ができたママたちのメッセージを見たり、赤ちゃん連れで上の子を迎えに来たママ友の姿を見ると、モヤモヤとした気持ちになるという。

「赤ちゃんが生まれると、グループチャットに新生児の画像と共に『生まれました』報告が来て、そこからはみんなの『おめでとう』メッセージが続きます。私はそれを見るのがつらくて、一時期通知を切っていました。赤ちゃんは好きだし、本当は『おめでとう』と思っているのですが、自分は現実的に2人目は厳しい、それに保育園でのいろいろな恩恵が受けられないと思うと、なんとなくすっきりしないんです……」

女性にとって、働きながら育児をすることはまだまだ負担が大きいだけに、幸子さんのように、2人目の妊活になかなか踏み込めないというママも多いだろう。各家庭、それぞれの事情がある――ママ友の間で「2人目」の話題になった時、互いに思いやれることが大事なのかもしれない。

池守りぜね(いけもり・りぜね)
出版社やweb媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は家族とのプロレス観戦、音楽フェス参戦。プライベートでは女児の母。

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