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「なぜしないの?」他人に干渉し過ぎる人の心理とは?どう接したらいい?

  • 2020.12.10
頻繁に干渉してくる人、どう対処する?
頻繁に干渉してくる人、どう対処する?

友人や職場の同僚の中に「○○した方がいいよ」「なぜ、○○しないの?」などと他人によく干渉している人はいませんか。他人が自分の言った通りに行動しないと、さらに干渉を強めたり、攻撃的に接してきたりするため、不快に感じる人もいるようです。

そもそも、他人に干渉する人はどのような心理状態なのでしょうか。また、干渉する人が身近にいた場合、どう接すればいいのでしょうか。心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞きました。

自分の情報を話さないこと

Q.他人によく、干渉する人の心理状態について教えてください。

小日向さん「干渉する人のことを話す前にまず、自意識過剰な人について話します。自意識過剰とは、意識が過剰に自分自身に向いている状態のことで、これが自己陶酔で完結している場合と、『周りがみんな、自分を見ている気がする』といった強迫観念的な思考になっている場合とがあります。

干渉する人の心理は、自意識過剰とは真逆の状態です。つまり、意識が過剰に他人に向いている状態です。その結果、他人のことばかり構っていて、自分自身の言動や心の状態には無関心なことも多く、周囲からは『他人に干渉する前に自分をどうにかしたら?』と映っていることも多いです」

Q.なぜ、意識が他人に過剰に向いてしまうのでしょうか。また、どのような性格の人が他人に干渉しやすいのでしょうか。

小日向さん「自意識は性や愛情を意識し始める思春期に強くなりますが、成長するにつれて、通常は適度な状態に落ち着いていきます。この場合の成長とは、他人の言動や環境などから自身の言動を省みて、自分はどうあるべきかを学び、自意識のバランスを取っていくという精神的な成長のことをいいますが、自己中心的な性格の人や自分の内面と向き合うことを恐れている人は『他人の言動しか見ない』という状態になります。

このような性格の人が社会人になって、他人に指導や指示をする立場になると、部下など自分より目下の人に対して頻繁に干渉するタイプになりやすいといえます」

Q.職場や学校などで頻繁に干渉する人が身近にいる場合、どのように接するべきなのでしょうか。

小日向さん「干渉してくる人に『自分の情報を話さない』ことがとても大切です。特に、悩みがあるとつい誰かに話してしまう、聞かれるとつい話してしまうというタイプの人は注意してください。悩んでいるときというのは、すでに自分の中である程度答えは出ていて、『ただ聞いてほしい』という気持ちだけで話すことも多いのですが、干渉したがる人はそうは受け取りません。『解決をしてあげよう』と必死になります。

こちらが情報を与えなければ、相手は干渉するきっかけをつかみにくくなりますので、まずは干渉する人に情報を出さないことを意識してみましょう」

Q.では、他人に干渉されて困っている人が身近にいる場合、どのように働き掛けるのが効果的なのでしょうか。

小日向さん「まずは自分とその相手との関係を考えてください。身近にはいるものの、会話を交わしたことがほとんどない人に働き掛けても効果はありません。

干渉している人に働き掛ける場合、その人のプライドを傷つけないようにすることが大切です。干渉する人は相手が迷惑しているとは思っておらず、『アドバイスをしてあげている』といった善意で行っています。それをいきなり、傷つけるようなことをすると、助けようとした自分が一緒に溺れることになりかねませんので、『あなたのアドバイスは素晴らしいけど、もう問題は解決しそうなんじゃないかな』といったソフトな感じで働き掛けるのがよいでしょう。

また、同僚など周りで干渉されて困っている人を助けたいのであれば、『まあ、そこはプライベートなことだから』と間に入って、やんわりと話を切ってあげるのもよいと思います。最近は仕事とプライベートをはっきり分ける風潮が強くなったため、『プライベートなので』という言葉は有効です」

Q.善意でしたつもりの助言が相手への干渉につながる可能性もあるとのことですが、そうならないためにはどのようなことを心掛けるべきなのでしょうか。

小日向さん「自分の助言が『干渉』になるのか、『助言』になるのかというのは難しいところで、言った側は助言のつもりでも、言われた側が干渉と受け取ってしまうと反感を抱かれてしまいます。従って、言う側が『助言』と受け止めてもらうように工夫することが重要です。

そこで、相手への質問の仕方を工夫してみてはいかがでしょうか。相手に伝える場合は『クローズドクエスチョン(はい、いいえ、で答えられる質問)』で行うのではなく、『オープンクエスチョン(自由に答えられる質問)』で行うように意識してください。

例えば、『あなたは○○すべきだよ』と言うと、相手は『はい』か『いいえ』しか答えられないので『私はあなたが○○した方がよいと思うのだけど、あなたはどう思う?』と伝えるのです。このように、相手に反論の余地を与える言葉の投げ方でコミュニケーションをすると、相手はこちらの言動を干渉と捉えることが少なくなります」

オトナンサー編集部

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