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ジェンダーを巡りスペインの音楽・舞踊を体感する。世界各地で称賛を集めた話題作が日本初演

  • 2020.12.10

フランスでいま最も注目を集めるダンサー・歌手・振付家のフランソワ・シェニョー。そんな彼が造形作家・映像作家・音楽家として活躍するニノ・レネとタッグを組んで上演する話題作「不確かなロマンス−もう一人のオーランドー」が日本で初演される。今、この時だからこそ紡ぎ出される、ダンス、演劇、美術、音楽を含んだ総合芸術の世界とは。シェニョーの超人的な身体能力や独創的な創作力を肌で感じられるまたとない機会。観ている私たちを圧倒する”何か”を残してくれるはずだ。

©Laurent Poleo GarnierHarumari Inc.

新型コロナウイルス感染症の影響によって、空路移動が制限され、海外の上演作品を生で見る機会が激減。舞台ファンにとって2020年は物足りない1年になったことだろう。そんな人たちに朗報。同作は、コロナ禍の日本で初となる海外のトップアーティストを招聘したダンス公演なのだ。

©Magali PomierHarumari Inc.

性を超越した圧巻のダンス

「不確かなロマンス−もう一人のオーランドー」は2017年に世界初演された作品で、アヴィニョン国際演劇祭をはじめ世界各地で称賛を浴びた話題作。内容は3場で構成され、シェニョーがスペインを舞台にジェンダーの3人を演じながら、性を超越し、歌い踊る。それぞれのキャラクターが、あるときは男性的な声、あるときは女性的な声で歌い、バロックダンスやフラメンコ、民族舞踊などを混合したダンスを披露。その変容の様子は、間近で見ると圧巻だ。

© Nino LaisnéHarumari Inc.

異なる時代の音色が混ざり合う

特筆すべきポイントは他にもある。400年におよぶスペイン音楽をアレンジし、4名のミュージシャンが生演奏を繰り広げるのだ。楽器編成や選曲、編曲も横断的で音楽ファンも思わず唸ってしまうだろう。演出・音楽監督はレネが担当。テオルボやバロックギター、バンドネオン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、パーカッションなど、異なる時代の音色が混ざり合うことで音楽は独特で深みが増し、ダンスとともに絢爛なムードを演出する。ダンスと合わせて、伝統的な音楽にも注目して聴いてほしい。

© José CaldeiraHarumari Inc.

上演時間は約1時間10分。公演は12月19日(土)の埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールを皮切りに、21日(月)には京都・ロームシアター京都 サウスホール、23日(水)に福岡・北九州芸術劇場 中劇場にて開催される。ダンスや演劇、美術、音楽を含めた芸術を愛好するすべての人にとって必見の舞台。各所一夜限りの公演なので、ぜひ足を運んでおきたい。

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