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村上虹郎、演じたいのはマイノリティー「脱ステレオタイプでありたい」

  • 2020.12.9
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村上虹郎さん
村上虹郎さん

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」に出演する俳優の村上虹郎さん。同作は、人生に夢を見いだせず曖昧に生きてきたアリス(山崎賢人さん、「崎」は正しくはたつざき)と、どんな苦境でも「生きる意味」を探し続けるウサギ(土屋太鳳さん)が突然放り込まれた謎の世界「今際の国」で共に信頼を築き、生き延びるために理不尽な現実に挑む…麻生羽呂さんの同名漫画の実写化作品です。村上さんはチシヤ役で出演します。

オトナンサー編集部では、村上さんにインタビューを実施。原作の感想や演じた役の魅力、気に入ったシーンなどを聞きました。

予想を上回ってくる作品

Q.原作の感想をお願いいたします。

村上さん(以下敬称略)「この作品の中で行われていることや仕組み、謎をキャラクター含め、読んでいる僕たちも知りたいと思うじゃないですか。エンタメ史でも存在してきたサバイバルゲームの系譜の中で、どういうオリジナリティーがあるかが大事だと思っています。この作品は予想していたものを上回ってくるんですよね。予想を裏切られていくところが面白かったです」

Q.チシヤの魅力に感じたところはありましたか。

村上「この作品で描かれるチシヤは他のキャラクターと比べて少し異色です。見た目や服装、面構えでその人の生きざまが出てきます。もちろん、見た目からすべてが読み取れるわけではありません。チシヤがどんなことを考えているか、何を葛藤しているか、どんな人生を歩んできたか、謎なところが魅力です」

Q.チシヤと似ているところや共通点はありましたか。

村上「似ているところは、あまり動じないところですね。原作者の麻生羽呂さんが現場にいらっしゃったとき、ご飯に行ったんですよ。僕の中で大事だったのは、麻生さんの一番嫌いな自分がチシヤという点でした。自己嫌悪の塊、その化身なんです。チシヤってかっこいいけど、自分の嫌なところを具現化したキャラクターなので、嫌いだけど愛もあるらしいです。そんなこと言われたら、たまらないじゃないですか」

Q.気に入ったシーンやゲームを教えてください。

村上「人がいない渋谷は技術的な面も含めてすごいです。あとは土屋太鳳さんの登場シーンのかっこよさ。あれはやばいですね。あの登場シーンにはかなわないですね」

Q.役でこだわったところはありますか。

村上「チシヤに関しては肉体から作る役でもないですし、頭脳系のキャラクターです。どのキャラクターでもそうだと思うんですが、読み込み、どれだけ彼の本質を理解するか、それをどれくらいのあんばいで見せていくか、ミクロ単位の表現もあるので難しいと思いました。出てこないときは出てこないし、出てくるときはめちゃ出てくるし不規則なんですよね。そこは楽しみながら演じました」

Q.今後、演じてみたい役柄を教えてください。

村上「脱ステレオタイプではありたいなと思います。マイノリティーとして扱われてしまう人たちの役を演じたいです。演じたことがないわけではないですが、彼らは不自由な世界にいるわけじゃないですか。他人からしたら恵まれないと思われることが多いですが、そう感じる当事者もいれば、そう感じない当事者もいます。人としてそういうものを知れるのが楽しかったりして、そんな役を演じられるのは意義深いと思います」

Q.2020年を振り返っていかがでしたか。

村上「日本でこの仕事をさせていただいていると、仕事のペースがものすごく早いと思います。作品と作品の間が5日しかなかったり、撮影の間に以前に撮った作品のプロモーションがあると特にそう感じます。よくいえば経験値が早く積めます。

でも、忙しすぎて、勉強が追い付かないこともあります。いっぱいいっぱいになることがあるので休止時間を頂いて、ゆっくりと見たいものを見て、自分を見つめる時間でした。欲しかった時間なので最高だと思いました」

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」は12月10日から全世界独占配信開始。

スタイリスト:長瀬哲朗 (UM)ヘアメーク:森田康平

オトナンサー編集部

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