1. トップ
  2. 恋愛
  3. 本当の引き寄せの法則とは?感謝しても運気が上がらないのはなぜ?【ひとみしょうの余談ですみません】

本当の引き寄せの法則とは?感謝しても運気が上がらないのはなぜ?【ひとみしょうの余談ですみません】

  • 2020.12.6

主に女子の間で定番的人気を誇る「引き寄せの法則」。感謝すれば運気が上がりますと説く、あの法則のことです。

がしかし、感謝してもしても、ちっとも運気が上がらない人もいます(だからなのか、類書が本当によく売れているそうです)。

今回は、その引き寄せの法則の「本当のところ」について、一緒に見ていきたいと思います。

引き寄せの法則の力点は「今」にある

引き寄せの法則の本を、どれでもいいのでパラパラとめくると、たいてい「感謝しましょう」と書かれています。宇宙という言葉を使って「宇宙に感謝しましょう(そしたら、あなたが欲しいものが手に入ります)」と書いてある本もあります。

なので、みなさん、せっせと感謝していると思います。

がしかし、みなさんが読み落としていることがあります。

それは「今」です。

本をよく読むと「今、感謝しましょう」とか「今、宇宙に感謝しましょう」など「今」という言葉が多用されていることを発見すると思います。

今って、その本を読んでいる今、つまり当たり前の「この時」のことだから、きっと多くの人が読み落とすのでしょう。

今感謝するとは何をどうすることなのか?

では、今感謝するとは、何をどうすることなのでしょうか?

まずは「今」という時を「感じ」なくてはなりません。

過去のトラウマやつらかったことに心が縛られていない状態で、今あるがままの世界を感じること。これが「今」を「感じる」ことです。

他人に対する怒りや嫉妬などを捨てて、今あるがままの世界をただただ感じること、宇宙に生かされていることを感じること。そこから自然発生的に生まれる感謝の念に気持ちを集中させること――実はこのことを引き寄せの法則は言っているのです。

引き寄せの法則を使って幸せを手に入れるコツ

がしかし、それは、厳密には無理です。

仏教の厳しい修行をする中で、やっとそういう気持ちになれる人が何人かいる、というレベルの話です。

たとえば、座禅って、心を縛っている過去のトラウマなんかを捨てて、今さえずっている鳥の声や風の音をあるがままに受け入れる心的境地に立つ練習ですから。

なぜそこまで厳しい修行が必要なのかと言えば、通常わたしたちは、ここまでが過去で、ここが今で、ここから先が未来です、みたいに、時をパキパキと分けて感じていないからです。誰しもが、過去も現在も未来もすべての時を、混然一体となって感じているからです(人はそのようになっているからです)。

では、引き寄せの法則を実践して運気を上げるのは無理ってこと?

いいえ、そうではありません。

まずは「わたしは過去の自分から卒業できる」と「信じる」ことから始めるといいのです。

「自分とは1つしかなくて、その本当の自分をわたしは探している」とか「自分はもう成長しないだろう。このままの嫌な自分を引きずって生きるしかないだろう」という気持ちを、意識的に忘れたことにしてしまうのです。

その上で「わたしは変われる」「わたしはなりたい自分になれる」という気持ちを、意識的に心に注入してあげるのです。「意識的に」そう思うようにするのです。

引き寄せの法則の最初の段階はこうすることが実は大切なのです。

それを毎日やっていると、引き寄せの法則が言っている「感謝する」の意味を深いところで捉えられるようになります。「今」に心を集中させることが上手になります。嫌なヤツのことや、嫉妬心、猜疑心といった、感謝と正反対にある気持ちを「手放す」感覚が、身体で理解できるようになります。

ともあれ、引き寄せの法則でもっとも大切なことは「感謝する」ではなく「今、感謝する」なのです。(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

※参考 キルケゴール・S『死に至る病』鈴木祐丞訳(講談社)2017

元記事で読む
の記事をもっとみる