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○○の悪口はNG!? 子どもの“問題行動”に悩むシンママへアドバイス

  • 2015.5.28
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【ママからのご相談】

私は30歳のシングルマザーです。子どもが4か月のときに別居をし、2年がかりで調停離婚が成立しました。今、7歳の息子のことでご相談があります。 幼稚園のころから、「嘘をつく」「あまのじゃくなことを言う」「屁理屈がたえない」など、先生から指摘されてきていたのですが、1年生・2年生と年を重ねる毎にそれが酷くなってきてて、約束をしてもほぼ毎回守れずに破ってばかりです。そんな子どもに対してイライラを抑えられない自分に更にイライラする日々です。私は看護師として介護施設で働いていますが、仕事では常に命を守らなければいけない責任感を背負い、家に帰ると子どもと宿題のことなどで言い争いをしイライラして手をあげてしまうことも多々あります。私の実家にいるので、他のシングルマザーの方に比べたらかなり楽なのだと思いますが、イライラを抑えられない自分に戸惑ってます。時々、わが子を殺してしまうんじゃないかってぐらい怒りを抑えられないときがあって、おかしくなりそうです。どうすればいいか分からないんです。仕事の間は子どもは学童で預かってもらってるのですが、それもほぼ毎日なので子どももストレスがたまっているとは思います。どうすればいいか教えてください。

●A. 子の行動は親の心の鏡。ママがストレスを抱えていないか、見直してみましょう。

ご相談ありがとうございます。シングルマザー歴15年のライター、川中利恵です。

すでに私の子どもは中高生になってしまいましたが、わが子が7歳前後のころは、やはりよく嘘をついたり約束を破ったりしたため、私もよくイライラして怒りまくっていたことを思い出しました。

子どもの男女差もあるかもしれませんし、私自身、心理カウンセラーではありません。しかし子どもが乳児のころに調停に挑まれたことなど、シンパシーを感じましたので、自身の経験を振り返って回答させていただきますね。

●叱るときだけ、子どもを見ていませんか?

子どもは、親が焦っていたり、余裕がなかったりするときほど、何かをやらかします。これは経験的にですが、「仕事があるから早く寝てくれ」と思っているときほど子どもたちが寝てくれなかったり、疲れているときほどモノを散らかしたりということが頻繁にありました。そしてそんなときは、やっぱり子どもに対してイライラして怒ってしまうことは少なくありませんでした。

子どもは、自分に対する興味関心の有無をよく感じとります。それはもう、天才的といってもいいほどです。そして、どうしたらその視線や心が自らのほうに向くのか、経験的に身に付けていきます。それがどんな形であろうが、自らに関心を持ってもらえることがうれしいのです。

つまり、お子さん自身が、いわゆる“悪い”ことをしない限り、日常生活の中では、親の目が自分に向けられていないと感じているのかもしれません。

●パパの悪口や、だれかと比較をした話をしていませんか?

「子は親の鏡」とよく言います。その言葉通りで、子どもは親の言動を、見ていないようでよく見ていますし、聞いています。というと、「だったら、なんでこれだけ言っても直らないの」と思うかもしれません。

でも、ほんの少しでいいのでこれまでのことを振り返ってみてください。たとえば、「今度○○へ行こうよ」と約束していたのに、仕事が入って行けなくなったときなどはありませんでしたか? 仕方のないことですが、子どもにとっては、「親に嘘をつかれた」という記憶になります。これが繰り返されれば、「約束は破ってもいいもの」になってしまうのです。

また、悪口を言ったり、言葉で人を罵ったりしないよう、子どもに注意していても、子どもを叱ったり注意したりするとき、ママ自身がつい、「○○みたいになったらダメ」とか「パパみたいにならないで」などの言葉を言ってしまっていませんか。

もちろんママにとっては本心なのでしょう。しかし、これらは絶対に言ってはいけない言葉です。子どもからしてみれば、自分のルーツである父親を否定されることは、自分を否定されることにつながります。そして、子ども自身がだれかと自分を比べて、自分か他者を貶める種になります。そして、子どもから見れば、「親が人の悪口を言っている」ことになってしまうのです。

私もこのことに気付くまでは、間違った叱り方をしていましたし、子どもにとっての“嘘”をつくことが多かったように思います。気づいた日から反省し、「できない約束はしない」「約束をしたことは絶対に実行する」「人や時代背景で子どもの言動と比較しない」「父親の悪口は言わず、よかったことを思い出して伝える」ということを心がけて実行するようにしました。

もちろん、ちょっとやったからといってすぐに変わってくれるわけではありません。でも、少しずつ嘘をついたり約束を破ったりすることは減り、3〜4年生になるころには落ち着いたように思います。

●完璧なママはどこにもいません。疲れたときは疲れたと伝えて

そして一番気になったことは、ママ自身に不安や心配なこと、ストレスの種があるのでは? ということです。ご相談いただいた文章には、子どもの困った行動そのものがすべての元凶であるかのように書かれていますが、それはつまり、「ママ自身が子どもの良いところに気付く余裕がない」からなのかなと感じたのです。

ご実家で暮らしていらっしゃるとのことで、「楽をしている」とおっしゃっていますが、実のところ、よほど親と考えが合わない限り、実家暮らしでは自分の価値観で生活できず、意外とストレスがたまるものです。「○○だから楽」ということは絶対にないと私は思います。その立場立場で、必ず苦労があるものです。

また、「母親とはこうあるべき」という価値観に、相談者さん自身ががんじがらめになっているのではないかと推察しました。「ママがイライラしてはいけない」「いつもにこにこしていなければいけない」「それができない自分が悪い」、そう感じていませんか?

ママだって人間です。イライラすることだって泣きたくなるときだってありますし、あって当然です。もしかしたら周囲に、「母親たるものこうあるべき」ということを言ってくる方がいるかもしれませんが、そのあたりは聞き流していいと思います。

「今日は疲れているの~」「イライラしてるの~」と、子どもに正直に話をして、「宿題やらないならゴロゴロしよう!」と、ぎゅーっと抱きしめて、一緒にゴロゴロしてみてはいかがでしょうか。

子どものぽかぽかした体温は、意外と癒されるのでお勧めです。もし断られても、照れているだけなので、めげないでくださいね。わが家の場合ですが、何度か誘うと乗ってくる日があって、そんなときにゴロゴロしながら、学校であったことやどんなふうに思ったのかを聞かせてもらえました。

場合によっては、親しい友達や学校などにあるスクールカウンセラー、保健所などに相談してみるのも手です。もちろんすぐにお子さんの態度が変わるわけではありませんが、話をすることでママ自身の気持ちが整理されて、余裕を持ってお子さんと接することができるようになるかもしれません。

余裕があり、冷静に叱るのと、イライラを募らせて怒るのでは、子どもの受け止め方が全く変わるため、言いたいことの伝わり方が断然変わってくるはずです。

宿題をやらないぐらいで、心身ともに死ぬことはありませんが、さみしさや切なさ、イライラが積み重なると、親子ともども心が死んでしまいます。相談者さんとお子さんの心に、あたたかなゆとりができる日が早く来るといいなと、心から祈っています。

【参考文献】

・『子どもの「性格」は育て方で決まる!』PHP研究所・出版

・『アドラー博士の子どものピンチを見抜く法』星一郎・著

●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)

IT系からインタビュー、コラムなど雑多なジャンルの執筆を手がける在宅ワーカー。21歳のときにデキ婚し、2児に恵まれるも26歳で離婚。以降、女手一つで子どもたちを育てつつ、現在に至る。都内開催の一人親家庭支援や在宅ワーク系セミナーで壇上に立つことも。子どもたちとは少し遠くから見守るスタンスで、それが結構面白い。ポリシーは、「やりたいことがあるなら時間を作ればいいじゃない!」

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