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パリ11月のマルシェ「旬のホタテ貝で作るご馳走スープ」

  • 2020.12.1
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パリはロックダウンの真っ最中ですが、マルシェはいつもオープン!春の一度目の時よりも、落ち込む、ウツになるという人が多い中、おいしいものを食べるということが本当に救いであり、命綱のような気がしています。

さて今日は、パリの中心にある市庁舎の裏手、4区の区役所前広場にある小さなマルシェへ。前回よりも外出制限の規制が緩やかなせいか、こちらもなかなかの賑わい。

ここは自宅のすぐそばなので、たまに覗くのですが、とにかくお店の入れ替わりが激しい不思議なマルシェです。

ここだけ長蛇の列ができていたので行ってみると、いつも13区のマルシェに出店している近郊農家のスタンドでした。うちの近所で、この野菜が買えるなんて!と、しばし感激。

やっぱり葉物が飛び切り鮮度良し。寒い時期でもグングン育つ緑のマーシュ(左)は冬こそ食べたい。

根菜の季節がやってきました。大きな塊はセロリの根。

コールラビは、生でもいけるけれど、火を通すとほのかに甘く歯ざわりサクサク。ビタミンC豊富で美肌効果もあるとか。

裏手にはワイン屋さんのスタンド。ノルマンディーのシードルやフランスでもブームになっている地ビールもいいな。ラベルがおもしろい小さな生産者のワインも気になるけれど、今日は出たばかりのボジョレー・ヌーヴォーを試してみることに。

このマルシェに初出店というお花屋さんは、トラックの荷台が開いてそのままスタンドに。

こちらも新入りのオーベルニュのチーズ屋さんで、並んでいるのは男性ばかり。そういえば、チーズを買ってくるのは旦那やパパの役目なの、という人が多いのですよ。

ここもお初、トリュフの産地として有名なペリゴール地方からBioの地鶏屋さん。

ドカンと、パエリア。昼近くなると近所に住む人たちがランチを探しにやってきます。

人が集っている魚屋さんと街並み。何気ない見慣れた風景なのに、日常が戻ってきたようで、ああ、いいなあ……とホッとする。

ブルターニュで水揚げされた魚が並ぶ。食卓が華やぐ色のきれいなヒメジ。

旬の最盛期を迎えたホタテが手頃なお値段になってきたので、今シーズンの初物として買いましょう。

買い物を終えて、リヴォリ通りに出ると斜め前に見えるデパートBHVでは、もうノエルのデコレーションが始まっている様子。

今年のテーマは、“ノエル・イタリアン”。ウインドウに張り付いている子どもたちのワクワクが伝わってきます。

冬の食卓のスターは、なんといっても温かいスープ。レストランが閉まっているいまは特にスーパーのスープの売り上げが大幅にアップしているとか。日本人にとってのお味噌汁ですね。

今日は、旬のホタテ貝を入れた具沢山のスープをご紹介します。そのままでも充分美味しいのですが、パイ包みに。実は、撮影でアップルパイを作った残りのリボン状のパイ生地がたくさんあったので、重ねてリサイクルしてみました。おうちで作るときは1枚のパイシートをのせて簡単に作ってください。

■ホタテ貝のスープ、パイ包み焼きVelouté de st-Jacques en croûte

ー 材料(2人分)ホタテ貝柱6個ベーコン(みじん切り)50g玉ネギ(みじん切り)1個マッシュルーム(スライス)100gブロッコリー150g小麦粉大さじ2水100cc固形ブイヨン1/4個牛乳(又は豆乳)600ccオリーブ油大さじ2塩・コショウ少々パイシート1~2枚(うつわの大きさにより)ハチミツ大さじ1水大さじ1ー 作り方1. フライパンの中にオリーブ油を入れて中火で熱して、厚さを2等分にスライスしたホタテ貝を焼き、軽く塩を振りかけて取り出す。同じフライパンを洗わずに、ベーコンを入れて炒める。色付いてきたら玉ネギを加えて炒め、透明になったら小麦粉を入れて、よく混ぜる。水100ccと固形ブイヨンを入れてブイヨンを溶かす。混ぜながら牛乳を少しずつ加える。マッシュルームを入れ沸騰させてから火を止める。味見をして、塩コショウで味を調える。2. 小分けに切り分けたブロッコリーに水大さじ1(分量外)を振りかけてラップをして電子レンジで2分程加熱し水気を切る。3. 耐熱のうつわに1のスープを入れて、ホタテ貝とブロッコリーを加える。うつわの大きさよりも1cmくらい大きめに切ったパイシートを上にのせ周りを指で押さえて蓋をする。うつわにハチミツと水大さじ1を合わせて混ぜたものを刷毛で塗り、200℃に予熱していたオーブンで、20分ほど焼く。

焼きたて熱々のパイをスプーンで崩しながらスープにからめて……なんともおいしい!軽いボジョレーとも合います。さらにボリュームが欲しければ、スープにチーズを入れてもよいですね。

もうすぐノエル。一年を締めくくるお楽しみに、こんな一品も加えてみてください!

Marché Baudoyerマルシェ・ブードワイエ1, Place Baudoyer 75004 Parisメトロ)HÔTEL DE VILLE営)12時30分~20時30分(水)7時~15時(土)休)日~火、木、金

SACHIYO HARADA料理クリエイター長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。Instagram : @haradasachiyo

 

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