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信じられない! 「先生からイジメを受けた」と言うわが子への接し方

  • 2015.5.27
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【ママからのご相談】

小4の息子が、「先生からいじわるをされた」と話してきました。今、学校にも行きたがらず困っています。先生はママ友の間でも評判がいい人で、子どもをいじめるという事実が信じられません。 学校へ連絡を取りましたが、今後どうしたらいいのか困っています。

●A. まずはお子さんの話を信じて、話を聞いてあげることが先決です。

こんにちは。メンタルケア関連を中心に執筆をしているフリーライターの桜井涼です。ご相談ありがとうございます。

ご相談者様の心が痛んで仕方ない心中をお察しします。いじめの問題については本当に悩みますよね。ご相談者様がすぐに学校に連絡を入れたことは間違っていません。「話が大きくなってしまうのでは?」と葛藤もあったことでしょう。でも、お子さんのために大事な決断をされたと思います。

●信じがたいことですが、子どもをいじめる教師はいます

ご相談者様の、「先生が子どもをいじめるという事実が信じられません」という気持ちはわかりますが、先生が子どもを標的にしていじめるということは本当にあります。

実際に私が体験しています。どんなに評判が良くても、学校内の見えないところで行われているのです。こんな話をすると、「全ての教師がいじめをしているのか」と不安になると思うことでしょう。全ての先生がそうではありませんが、時と場合と先生の心理状態が悪い条件で重なれば、いじめは起こります。

ちなみに、私の身に起こったいじめは、以下のようなものでした。

・私だけ宿題のプリントが渡らず、翌日やってこなかったことをクラス全員の前で怒る

・無視される

・「あなたが早く転校してくれることを望む」と言われる(転勤族だったため)

・休んだ分の授業内容を聞くと、「さぁ先生も忘れちゃった」と教えない

・具合が悪くても保健室に行かせてくれず、「怠けている」と言う

これはほんの一部です。他の先生が見ていないときや、クラス内で平然と行われていました。私が小6のときです。その先生は学校でも親の間でも美人で優しい教育熱心な先生として知られていました。そのため、いじめが行われているとは誰も思っていませんでした。

普通はクラスの誰かが、第三者に話すだろうと思われるでしょう。人気のある先生だったということ、私が2か月前に転校してきたばかりだったということから、「あの子は先生に嫌われている」という状況だけで誰もが知らないふりでした。

私は次第に学校へ行くことがツラくなりました。それでも親に心配をかけたくないと親には言えませんでした。転校生なので相談する友達もいません。だからずっと我慢をしていました。

●こんなときは親が味方になってあげなくてはなりません

私が引きこもりにも登校拒否にもならなかったのには、120%親のおかげだったと思っています。

ある朝、父が、「顔色が悪いから今日は学校を休みなさい」と言ってきました。熱を測ったり、病院へ連れて行くということは一切しません。でも、父は私に、「今日は何も考えなくていいよ。ゆっくり休んで」と言い仕事に出かけていきました。

そして、その夜仕事から帰ってきて、「学校で何があったか話して」と優しく声をかけてくれました。このおかげで私は本当に救われました。今、思い出しても目頭が熱くなります。

ご相談者様のお子さんは、本当に勇気のある告白をしたと思います。ご相談者様のことを本当に信用しているのでしょう。子どもは、「親に迷惑をかけたくない」という思いが強くあります。それなのに、いじめのことを言葉にしてきたのですから、信じて味方になってあげることが必要です。

そして、早急な対応をしたご相談者様は、素晴らしい親御さんであると心から思います。担任の先生は、きっと、「そんなことはしていない」と言い逃れの発言をしたりすることでしょう。素直にいじめを認める人はほとんどいませんから。

●自己肯定感を持たせましょう

お子さんは今、自己肯定感が低い状態にあると思います。「自分は価値のない人間だ。だからいじめられたんだ」と感じていると思います。

その気持ちが進んでしまうと、引きこもってしまったり、いつも不安や疑念が心の中にあるようになってしまいます。さらに進んでしまうと、自殺を考えたりするようになりますので、注意が必要です。

私自身、不安や疑念を持っていました。親以外の大人が信用できなくなっていました。だから、いじめを受けた子どもの気持ちはよくわかっているつもりです。

今必要なのは、お子さんの全てを受け止め、全てを肯定してあげることです。生きていること、存在、告白してくれたこと、笑顔を出せることなど、全てです。今、学校に行かないことはお子さんの防衛です。今はそれを優先して大事にしてあげましょう。

教育カウンセラーをしている富田富士也さんは、自身の著書の中でこう言っています。

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子どもは、自分の気持ちが無条件に相手に染み込んでいくように感じた時、自分が肯定されている、という喜びにひたることができます。子どもの気持ちを裁かない。『そうか、そうか、なるほど』と子どもの気持ちを受け止める雰囲気に、子どもはオアシスを感じ、安堵するのです

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お子さんには、まさしくこの状態を作ってあげることが必要です。それによって、早く立ち直ることができるようになります。

●親が信じてくれることで、強くなれる

ご相談者様にとっては、先生が子どもをいじめるなんて事実を信じられない気持ちがあるのはわかります。でも、今はお子さんのことを第一に考え、いじめの事実を受け止めてあげてください。

私も両親が信じてくれたことで、1か月休んだだけで再び学校に通えるようになりました。その後、いじめをしていた私のクラスの担任は、いじめを認めることなく学校を去りました。私は、大人が子どもをいじめるなんてことがあってはいけないと思っています。発達途中の子どもの心を壊してしまうのは、教育者としても大人としてもあるまじき行為だと実感しているからです。

子どもは、親が信じてくれるというだけで強くなれます。だから今は、お子さんのことを信じて動いてあげて欲しいと思います。ご相談者様にとっては、大変なことかもしれませんが、これが一番大切なことです。

【参考文献】

・『ストレスから子どもを守る本』富田富士也・著

●ライター/桜井涼(フリーライター)

新潟県佐渡島出身。親が転勤族だったため、幼少期より引越し・転校を多数経験しました。母親が病弱だったこともあり、「地球が滅亡しても生きていける!」と呼ばれている父の元、家事からサバイバルまでを様々経験してきました(そのワザが震災時に大活躍!)。4人兄弟の長として奮闘してきましたが、現在は、2児の母をしています。妊娠中と出産のハプニングを乗り越え、今はフリーライターとして活動中です!

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