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正社員や契約社員、フリーランスではない「パラレルキャリア」を知っていますか?

  • 2020.11.20
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リモートワークが一気に普及したことも後押しになり、従来のやり方にとらわれない働き方が注目されています。結婚や出産などのライフイベントに合わせて、柔軟に働く方法=「サステナブル」な働き方について考えてみましょう。

一生働いたほうがいい⁉その理由を専門家に聞きました

働き方を多様化させることで 社会とつながり自由に人生を選択できる

人生100年時代を提唱しベストセラーとなった『ライフシフト』が出版されて以来、長く働き続けられる「サステナブル」な働き方が注目されています。寿命が長くなっているので、働ける期間が長いほうが経済的な不安は当然、軽減されます。経済面以外にも、社会への貢献を通じて自分への自信や達成感を得られ、精神的自立が得られるという側面も。社会とのつながりがあるという実感が、いきいきと自分らしくいられることにつながると感じている女性も多いと思います。さらに結婚後も経済的に自立していれば、夫婦関係の維持が困難な場合に離婚という選択もしやすくなります。今回の外出自粛期間をきっかけに“自分は会社にいてやりたいことができているのか” “今後は自分が本当に共感できる事業に関わりたい”と自分のキャリアを見直す方も増えてきました。CLASSY.世代のみなさんもぜひ一度、サステナブルに働くことを見据えた今後のキャリアについて考えてみてください。

釜鳴恵美さん・Waris キャリアカウンセラー
大手外資系メーカーで10年以上の人事担当経験を積み、出産を機に退職。3年のブランクを経て人材紹介企業Warisで業務委託→契約社員&副業、正社員とさまざまな形態でのキャリアを実践中。1児の母で育児も積極的に楽しんでいる。

サステナブルな働き方をするために必要な3つのポイント

「長く仕事をしていくためには、コアキャリアを築くことが自分の市場価値を保つ上で必要です。ビジネス系職種のフリーランスとして活躍するには、マーケティング、広報、人事、経理、法務、営業、企画など専門性のある職種を究めることが重要。1社のみでの経験や一つの職種でも、転職を経た複数の職種でも、自信を持ってアピールできる成果を40歳前にしっかりと積んでおけば、その先の仕事を自分で選べる立場にもなれますし、それが報酬の高さにもつながっていきます」

「急激な時代の変化に応じて自分で次の仕事を見つけられるよう、早めに準備しておくことが求められています。それに応じて副(複)業への関心も広がっています。最近は業務委託として働いていた期間もキャリアとして認められるようになり、フリーランスの方が正社員に転職するというケースも。正社員とフリーランスの間を軽やかに行き来する人も増え、両者の垣根が低くなっています。働き方の形態に柔軟性がある人ほど、自分を生かせる時代になっていくと思います」

「在宅ワークの比重が大きい業務委託、パラレルキャリア、起業は自由度が高いぶん、プロとしてのコミットが求められます。特に重要なのはタイムマネジメント。優先順位をしっかりつけてスケジュール管理しないと働きすぎてしまったり、パフォーマンスが低下してクレームやトラブルの原因になることも。また、複業ではメールの誤送信や情報漏洩が起こらないよう、複数のPCを使い分けたり、就業先別にファイルを管理するなど細心の注意を払う必要があります」

正社員から起業まで 働き方もこれだけ選べる時代です

最近は企業側も社員の多様な価値観に対応し、優秀な人材に長く勤務してもらうために、自由度が高く柔軟性のある制度を導入する会社も増えている。ただ、週5日・フルタイム勤務がメインで週3~4日勤務などはまだ稀。

契約社員は企業との雇用期間が定められており、数年ごとに契約が更新される。週3~4日勤務も正社員より可能なパターンが多い、フレキシブルに働けるメリットと同時に、社会保険や福利厚生を受けることができるのも魅力。

派遣社員は家族の扶養内の年収で働く人からフルタイムまで、自分の希望の働き方に合わせた仕事を探せるのが特徴。契約期間は数カ月単位と短く、一定以上の時間、勤務していれば派遣会社の社会保険が利用できる。

報酬の基準はプロジェクト単位、期間、成果などさまざま。クリエイティブ系などの専門職だけでなく、近年はビジネス系職種での業務委託のニーズも増加。時間や場所の自由度を確保しながら複数の企業との契約も可能。

在宅ワークが浸透し、増えているのが複業といわれるパラレルワーク。会社員として1社に属しながら別の仕事を持ったり、ボランティアや自分の関心のある分野で活動し、会社以外での人脈や知見を広げる人も。

最近は公的支援やクラウドファンディングなど資金調達の手段も広がり、起業しやすい環境に。社員として働きつつ小規模で起業したり、自分の好きなことや趣味を生かして起業するといったスモールビジネスも増えている。

最近増えている パラレルキャリアという働き方

2018年は「副業・兼業解禁元年」といわれ、国のモデル就業規則に副業・兼業の項目が追加されました。それ以来、複数のキャリアを持つ人が増え始め、さらに新型コロナウイルスによる外出自粛期間を経てリモートワークの環境が定着したことで、パラレルキャリアをスタートする人は現在も増加しています。

撮影/中田陽子(MAETTICO) 取材/加藤みれい

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