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プロに聞いた今季のトレンド|GISELeスタイリスト6人の私的「秋冬レビュー」

  • 2020.11.10
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いち早く新作をチェックしたスタイリスト陣に「これから」に必要なトピックスを2020-21秋冬のコレクションを振り返りながら、あらためてインタビュー。わかりやすいトレンドというよりも、今季は着方や組み合わせの工夫が鮮度を呼び込むカギ。

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CATCH UP ON TREND
秋冬の傾向・私的レビュー
01
「首元は紳士・淑女風にレイヤード」


無地のゆるニットと力を抜いて試したい (by 岩田さん)

02
「濃いブラウンをさし色づかい」


淡いトーンの服にはちょうどいい強さ (by 渡邉さん)

03
足元レパートリーが増える「ひざ丈ボトム」が増加中


今季も豊富なロングブーツが合わせやすくていい (by 出口さん)

04
「とにかくベルトを重ねる」


ボリュームトップスが主流だからベルトアレンジが急増(by 石関さん)

スタイリングイメージがわくような今季気になったものは?
石関さん:とにかく「首元」に特徴があるシャツ&ブラウスが多い。01のようなフリルやボウタイ、あと丸えりもよく見かけます。
岩田さん:女性らしいデザインが多いので、無地のニットの下にINして変化を加えても、「上品な個性」に落とし込める。
渡邉さん:01のシャツどうし、タートルどうしとか「似た形でレイヤード」もマネしたい! 全部首元がつまっていることで、カラーインナーで少し遊んでもきちんと見える。リースしたものやコレクションスナップから今季の流れを見ていると「甘めのクラシック」っていうのが全体のムードな気がします。02のこっくりしたブラウンを「なじませるより効かせる」使い方が新鮮ですね。白・ベージュ・グレーとか、淡いトーンの服が引き続き多いため、濃厚な茶色がむしろ目立つ。
樋口さん:02は濃い茶色を締め役に使ってるけど、たとえば黒多めのスタイリングには、強さをやわらげる役割として小物でとり入れてもいいですし、調整役として優秀な色。
出口さん:私が気になったのは、03のようなひざ丈ぐらいのボトム。最近はすごく長い丈感が主流でしたが、小柄な方でも短め丈は下半身がすっきり見えるからいいですね。
高木さん:ひざ下が隠れないぶん、ソックスやタイツ、ロングブーツなど、足元の変化でシンプルなスタイルに幅を出しやすい。私的にはこういうコンサバな丈感にこそ、レザーの黒いロングブーツを合わせてカッコよく仕上げたい。
石関さん:レザー小物でいえば、04みたいにベルトを巻いてるルックが多いですね。「オーバーサイズ」っていうのが定番に見えるくらい、各ブランドから出ている。なのできゃしゃな体や上品なイメージに整えるものとして、ベルトアレンジも増えてる気がします。
渡邉さん:04のルックもレイヤードスタイルの上にさらにベルトを巻いてる。「重ねる」という、着方できちんと感をつくるのが、新鮮味のある装いのポイントかなと思いました。

05
ワントーンをうまく着るための「立体的」な素材感


色みに幅がない黒には特に必要(by 渡邉さん)

06
ベージュをクリーンに仕上げる「知的な寒色」に注目


やさしい雰囲気の中で甘辛バランスがとれる(by 高木さん)

07
「ジャケットをトップス的に着る」


正統派なはおりこそ新しい「使い方」を試してみたい(by 石関さん)

08
アクセントカラー=「渋い赤」の一点狙い


+白い服でも気張って見えなければ合わせる服の幅も広い(by 樋口さん)

09
チェック柄は「ソフトな色と質感」で再選択


1枚で女らしさと抜けをそなえるチェック柄に再び新しさを感じる(by 岩田さん)

出口さん:通常より起毛感の強いニットや強めな光沢感のスカートなど、特徴のある素材をワントーンルックのメリハリづけに利用した、05の着こなしは参考になります。
渡邉さん:特に黒で試したい。色みに幅がない黒でワントーンは、秋冬ほど重みが気になる。05(左)のような「ふわふわした黒ニット」があると、奥行きができるし、黒の強さも弱められるので、とりあえず1枚あると絶対便利。
高木さん:色みでいうと、「秋冬に寒色を着る」のもそれだけで新鮮。06みたいに白シャツをブルーに更新するだけで、よく着るキレイめなベージュもリフレッシュ。
岩田さん:黒だと少し強いかな?と思うとき、スマートな色だけどやわらかさもある、淡いブルーを引き締め役として使うのもいいかも。
石関さん:07のビッグジャケットのボタンを締め、トップスのように着るのもいいですね。深Vネック×タートルネックで、顔まわりをすっきりさせたり、肩を落としてビッグシャツのように着たり。ハンサムなアウターを女っぽく着ていて惹かれます。
樋口さん:全部定番っぽいアイテムだけど、えり元やフロントボタンを締めたり、そでをまくったり、「シャツを着る感覚でジャケットを着る」のが新しい。着方をコンパクトにすることでオーバーサイズのジャケットも、細身パンツやボリュームスカートなど、いろんなボトムとのバランスがとりやすくなる。
石関さん:今季多いウールの服に08のようなくすんだ赤小物を合わせたいな。深い赤だからやさしい質感の服とでもキツく見えなくていい。
出口さん:大人で女性らしさがある色なので、セットアップなどメンズライクな服を着るときに、小物でさりげなく投入したいです。
渡邉さん:柄×柄を試してみたいと思っていて、09(左)のように「色のトーンを合わせて、柄の大きさを変える」テクニックは参考になりました。トラッドなイメージのチェック柄ですが、今シーズンは起毛した質感や、やさしい色みを含んだものに注目。09(右)のようなジャケット&パンツも、かっちり感がほどよく抜けて、気負わずチェックを試せると思います。

CHECK STYLIST
□Yasuko Ishizeki
□Keiko Watanabe
□Kaori Higuchi
□Makiko Iwata
□Chisato Takagi
□Natsuko Deguchi

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