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時代を先取りする革新性に満ちた、石岡瑛子の大回顧展。

  • 2020.11.6
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時代を切り拓いた個性と、情熱の作品世界。

『石岡瑛子血が、汗が、涙がデザインできるか』

石岡瑛子(1938~2012年)は、世界で最も著名な日本人クリエイターのひとりだ。アートディレクター、デザイナーとして、社会現象になった初期の広告キャンペーンから映画、オペラ、演劇、サーカス、オリンピックまで活動は多岐にわたる。80年代初頭に海外に拠点を移して以降、ますます精力的に新しい作品世界を切り拓いた。

ポスター『西洋は東洋を着こなせるか』(パルコ、1979年)、アートディレクション。東洋と世界の文化融合。

初の大規模な回顧展となる本展では、その類い稀な個性と情熱が刻印された仕事を総覧する。高度成長期に世間の度肝を抜いたパルコのポスターをはじめとする初期作品では、ジェンダー、国境、民族など既存の枠組みを刷新し、解放された女性像と新しい生き方を提示。赤を基調としたセンセーショナルなビジュアル言語は、その後の彼女自身の展開のみならず、時代を超えた社会の変化までをも予言するものとなった。

コンテンポラリー・サーカス『ヴァレカイ』(シルク・ドゥ・ソレイユ、2002年)、衣装デザイン。属性を超えた領域へ。

マイルス・デイヴィス、レニ・リーフェンシュタール、フランシス・フォード・コッポラ、ビョーク、ターセム・シンなど、錚々たる表現者との緊張感に満ちたコラボレーション。エンターテインメントという巨大産業の中で、石岡はたったひとりで闘ってきた。集団の制作環境で個人の創造性をいかに高め、オリジナリティを発揮するかという問いにたえず向き合い、自身の創作に人生を懸けた。その「石岡瑛子の方法」を、デザインのプロセスを示す膨大な資料とともに紹介する本展。「サバイブ」を口癖に困難に立ち向かい、あらゆる領域に挑戦した彼女の躍動する力に圧倒されたい。

『石岡瑛子血が、汗が、涙がデザインできるか』会期:11/14~2021/2/14東京都現代美術館(東京・清澄白河)営)10時~18時休)月、11/24、2021/1/12、年末年始※11/23、2021/1/11は開館料)一般¥1,800●問い合わせ先:tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)www.mot-art-museum.jp

「フィガロジャポン」2020年12月号より抜粋

※新型コロナウイルス感染症の影響により、開催時期および開館時間が変更となる場合があります。最新情報は各展覧会のHPをご確認ください。

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