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中国の落花生畑で300人の民衆が集団窃盗?!

  • 2020.11.4

河南省でいかにも中国的な事件がありました。農村のピーナッツ畑が300~400人の民衆に荒らされたのです。しかも、彼らは地元の村民でした。どう理解すればよいのでしょうか。

■落花生畑に群がる村民

河南省は黄河の南に位置し、古代中国文明発祥の地とされています。事件は、駐馬店市という内陸の農村地帯の落花生農地で起きました。

大手ニュースメディア「捜狐」は次のように報じています。落花生農地1,500畝(100万平米)の管理人の話によれば、収穫開始を聞きつけた村人300~400人が、どこからともなく集まってきたそうです。収穫機の真後ろに張り付き、おこぼれを拾っていきます。集団的窃盗です。機械に巻き込まれ負傷した人も出ましたが、いくら注意しても聞く耳を持ちません。管理人はしかたなく警察へ通報します。

しかし、警察が出動してもなすすべはありません。警察官の姿を無視。黙々とピーナッツを拾い集める村民の姿を、メディアは“壮観”と表現しました。

■中国漁船赤サンゴ密漁事件

2014年秋、中国漁船団が小笠原諸島や伊豆諸島に出没、希少価値の高い赤サンゴを盛んに密漁しました。最盛期には200隻以上が出没し、中国人船長らが逮捕されています。連日報道されたため、覚えている人も多いでしょう。今回の河南省ピーナッツ事件の構図は、これと瓜二つです。

■若者世代に変革の力

中国では、貧しさを知らない「90后(1990年代生まれ)」を境に、大きな世代間ギャップがあります。若者世代は従来の中国的行動パターンを、「ダサい、カッコ悪い」と思い始めています。この感性は、今後の中国社会を大きく変える可能性を秘めています。若者の価値観に反する、こうした「“ダサい”事件」は、今後減少していくと考えてよさそうです。

文・高野悠介

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