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ママの愛情不足? 人見知りしない子どもは“愛着形成”されているか

  • 2015.5.20
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【ママからのご相談】

愛着形成についての特集をテレビで見ました。人見知りをしない子は、親との愛着形成ができていない、というようなことを言っていました。4歳の息子は、まったく人見知りをしません。これは母親である私との心の絆ができていないということでしょうか? 不安です。

●A. 親子の間で愛着形成がなされているかは、お子さんの動きを観察することが大切です。

こんにちは。メンタルケア関連を中心に執筆をしているフリーライターの桜井涼です。ご相談ありがとうございます。

人見知りをしないからといって、愛着形成がなされていないとは言い切れません。お子さんの行動を見てみましょう。不安を感じて頼ってきたときに甘えさせたり、愛情を十分に与えることができているならば、愛着は形成されていると言えます。

●人見知りをしない子は心の絆ができていないのか?

人には必ず個性があります。まったく人見知りをしないから愛着形成がなされていないというわけではありません。

発達心理学によると、生まれてからだいたい18か月までの間に、乳幼児期における愛着の基本が形成されると考えられています。この間に、基本的な信頼を獲得していくというわけです。

ご相談者様のお子さんが、現在まったく人見知りをしないということは、すでにご相談者様との愛着形成がしっかりなされているからだと思われます。

愛情をいっぱい受け取ることのできた子どもは、次の段階である“自立”に向かいます。4歳で人見知りなく行動しているようであれば、心の絆はしっかり結ばれていると考えていいのではないでしょうか。

●絆が希薄になってしまうこともある

人見知りは、愛着形成の途中の段階でみられる現象です。人見知りをまったくしないからといって、心が健康に育っていないわけではありません。子どもは、ある程度の安心感を得られると、好奇心の赴くままにさまざまな経験を積もうとします。

幼児期は、“自分で行動→不安になって甘える”を繰り返すことがとても大切な時期です。

不安になって、「甘えたい」と子どもが感じたときに、親が突き放してしまうと、絆が希薄になってくる場合があります。

例えば、

・無理矢理子ども同士で遊ばせようとする(嫌がっているのに無理強いする)

・無理に一人で行動させようと促す

このようなことをすると、人見知りはしなくなりますが、甘えることができない状態になってしまうことが考えられます。

ご相談者様もお子さんとのやり取りを思い出してみて欲しいと思います。もし、例に挙げたようなことが思い当たるのであれば、頼ってきたときに愛情(励ます・抱っこしてあげる・共感してあげるなど)を十分に与えてあげることを大事にしてみてください。

●安心感の器は、人それぞれ

安心感を受けるための器は、性格や環境などにより人それぞれです。小さい器だけど、いつもあふれる状態でないと不安に思ってしまう子がいれば、大きい器でもある程度入っていれば、安心できるという子もいます。

大事なことは、自分の子の“心の器”にあった安心感を与えてあげられることです。安心感の器の大きさは、子どもと接して甘えさせてあげたり、愛情を与える中でわかってきます。子どもが欲しがるだけ安心感を与えてあげることを大切にしてあげましょう。

●愛着形成は、子どもを育てる中で本当に大切です

愛情や安心感を十分にもらえなかった子どもは、心に傷を負ってしまいます。「僕(私)は愛情を求めたらいけないんだ」などというような自分の存在自体を無意識の中で否定してしまうようになります。

これが愛着障害です。さまざまな感情の制御などができなくなってしまったりします(現在、子どもが起こした刑事事件に大きく関わっていると言われています)。

愛情をかける・甘えさせるといった大事な時期であることを、ご相談者様は考えておられますので、これからもそれを大事にしていただきたいと思います。

【参考文献】

・『子育てハッピーアドバイス3』明橋大二・著

●ライター/桜井涼(フリーライター)

新潟県佐渡島出身。親が転勤族だったため、幼少期より引越し・転校を多数経験しました。母親が病弱だったこともあり、「地球が滅亡しても生きていける!」と呼ばれている父の元、家事からサバイバルまでを様々経験してきました(そのワザが震災時に大活躍!)。4人兄弟の長として奮闘してきましたが、現在は、2児の母をしています。妊娠中と出産のハプニングを乗り越え、今はフリーライターとして活動中です!

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