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スマホは必須? 中学生のわが子を“LINEいじめ”から守る知恵

  • 2015.5.20
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【ママからのご相談】

50代のママです。高齢出産だったこともあり、いくつかの先天的な遺伝性疾患を持って生まれてきた息子が、早いもので小6になりました。わが家は子どもを私立中学校に行かせるほど経済的な余裕はないので、 公立は公立でも都立の中高一貫校に受からなければ、近くの市立中学校に通わせることになります。

私立と違ってある程度は“いじめ”の問題もあり、“モンスターペアレント”的な親もいると聞く近所の公立中学校で、おとなしい息子はやって行けるのでしょうか。息子は1人でグラフィックデザインをしたりするのが好きな子で、対人関係は苦手です。

特に最近は、スマホで『LINE』というものをやらなければクラス内の班決めからもこぼれてしまうとのうわさも聞きます。スマホの悪影響を考慮して子どもには持たせない方針のわが家では、どのような心づもりで中学校生活に臨ませたらいいでしょうか。

●A. “「変わり者」と呼ばれるのを怖れないこと”は、私立でも公立でも通用する知恵です。

ご相談ありがとうございます。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

お悩み、よくわかります。ある程度まで同質的な環境で育つ子が集まる私立中学校と違い、公立中学校の場合はいろいろな家庭環境の子どもが通いますので、“大学受験”や“大企業への就職”を目標にしている子どもばかりではありません。

同質的な目標に向かって体系化された学習で忙しい私立よりは、どうしても“いじめ”の問題も多くなるようではあります。おとなしい息子さんが闘っていくのは大変でしょう。息子さんに伝えていただきたい知恵は、「変わり者」と呼ばれることを怖れないこと。これは、実は私立であろうが公立であろうが通用するものです。

記述にあたっては、精神科一般とともに児童思春期精神科をも手掛けている都内のメンタルクリニック院長にお話を聞いてあります。

●スマホではなく、タブレット端末を持ち歩く中学生になる

『私のクリニックを訪れる中学生の患者さんやその親御さんたちから、「スマホを持っておらずLINEもやらないため、仲間はずれにされた」という話を、これまで何度聞いたことでしょうか。考えてみれば、スマホでできることのほとんどはパソコンででき、パソコンならスマホではできないこともできるというのに、今は大人も中高生も主流はパソコンではなくスマホです。

でも、だからといって100人中100人が全員スマホというのも、ちょっと不気味な感じがしませんか? 正確な統計があるわけではありませんが、スマホ所有率そのものは公立よりも私立中学生の方がより高いことが推察されますので、息子さんが進む予定の市立中学校の方が“疎外感”はまだマシと言えるのかもしれません。

突飛なご提案かもしれませんが、おとなしい息子さんは、タブレット型のパソコンを持ち歩き、通信手段としてはガラケーで通話とメールをする“変わり者”になった方がきっと楽であろうと思われます。ご相談者様にもちょっとだけ頑張っていただいて、息子さんのために“武器”としてタブレットを買ってやってください。

スマホのディスプレーでは限界がある緻密なグラフィックデザインをタブレットのディスプレーで描いてみせて、「お前、変わり者だけどスゲーな」と言われる子になるのです。

LINEをやらないために班決めからこぼれたっていいではありませんか。先生が何とかしてくださいます。そうでなければ先生がいる意味がないでしょう。「変わり者」と呼ばれることを怖れないというのは、おおむねこのようなイメージです』(50代女性/都内メンタルクリニック院長・児童思春期精神科医師)

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いかがでしたか。『LINE』をやらなくても感性や価値観が近い子とはいずれ親しくなりますから、コミュニケーションをとるための“手段”としての『LINE』というものに必要以上にこだわることはないと思います。

医師も指摘していたように、息子さんが好きなグラフィックデザインの腕を磨くうえでも、そのための道具としてはスマホよりタブレット型パソコンを常に持って歩いた方が役に立ちます。もちろん、個人面談などの機会を利用して担任の先生に事情を話し、タブレットを携帯することへの許可をとるための努力は、ご相談者様も怠ってはなりません。

息子さんの小学校生活最後の1年が楽しいものになり、中学校では息子さんがその才能にさらに磨きをかけていけるように、あたたかく見守ってあげてください。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。