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英語を活かしたい!ホテルスタッフから貿易系事務に転職した体験談

  • 2020.10.26
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女性に人気の職種、事務職。とりあえず誰でも始めやすい仕事と思っている人も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、ホテルスタッフから事務に転職した女性のお話。実際に事務に転職して感じた、甘くない現実とは?筆者友人Iさんの体験談を見ていきましょう。なお、内容は個人の見解となることを了承ください。

▼プロフィール
・Iさん 28歳 女性(転職当時)
・英文科系4年制大学卒
・前職:新卒で大手ホテルに就職。フロントスタッフとして6年勤務
・転職先:貿易会社(中小企業)の事務

新卒でホテルスタッフに。花形部署ではあるものの…

今回の転職体験談の主役のIさんは、大学時代に学んだ英語を活かしたいと、新卒で大手ホテルに正社員として入社しました。配属されたのは、フロント。裏方部署に配属される新人も少なくない中、ホテルの顔ともいえる花形部署への大抜擢でした。

もともと接客は好きだと感じていたこともあり、フロントスタッフの仕事にはやりがいを感じていました。しかし入社3年目、26歳を迎えた頃から少しずつ不満を感じるようになったのだそうです。

きっかけは、友だちの結婚式で大学の同期と再会する機会が増えたこと。入社3年目ともなると、みんなそれなりの給料をもらい、アフターファイブや土日は習い事にデートにと、充実した日々を過ごしていました。

仕事は充実していたものの、夜勤があったり、拘束時間の割に給料が低かったり、土日は休みにくかったり…。これまで仕方ないと割り切っていたことが、だんだんイヤになってきたというIさん。入社6年目、28歳で転職を決意しました。

貿易会社の事務に転職!給料は?待遇は?

転職活動を始めたIさん。

・英語には自信あり
・PCスキルも人並みにはある
・座ってできる仕事
・土日休み
・フロント以外未経験の自分でも採用してくれる仕事

上記を総合して、事務職を希望しました。事務未経験だったため、転活は思っていたより難航したというIさん。面接を続け、中小企業の貿易会社に採用してもらえることになりました。

基本給は上がったのに増えない手取り

気になる給料はというと、転職前とほぼ横ばい。基本給は上がったものの、諸手当がなくなったのは大きな痛手でした。前職では英検やTOEICの結果に応じた資格手当や、夜勤手当などがもらえていましたが、転職後は皆無。それでも給料が下がらなかっただけマシ、と切り替えるしかありませんでした。

企業規模が大きく反映される福利厚生

大手企業から、中小企業への転職。給料だけでなく、福利厚生の面でも大きな変化がありました。前職では系列ホテルへの研修旅行や、提携施設で使える優待券などがありましたが、転職後は激減。たまに取引先の商品を割引価格で買えるというのが、数少ない福利厚生でした。

中小企業では平均年齢が高めな職場も

前職では同年代の社員が多くいましたが、転職先の20代社員はなんとIさんだけ。新卒は毎年1~2人採用する程度で、中途採用はほぼありません。今回入社できたのは、新卒採用した事務スタッフが2年目で転職してしまったためでした。産休育休も過去に取得した人はいるそうですが、現在は事務スタッフの人数が少なく、実際の取得は難しそうな雰囲気だそうです。

こんなはずではなかった…想定外だった点

理想を求めて転職したIさんでしたが、何だか満足度はイマイチの様子。想定と違っていた点を見ていきます。

できるつもりだったけど足りていなかったスキル

まずは得意の英語ですが、ホテルと貿易会社では必要となる知識の分野が全然違っていたそうです。自信があった分、かなり落ち込んだというIさん。ホテルでは周辺施設の案内や会計に関する会話がメインで、決まった言い回しと単語で対応できていました。

しかし、貿易事務で出会うのはどれも未知の単語ばかり。時差の関係でメールやFAXなど文章でやりとりすることが多く、英語での会話は得意だけど読み書きは苦手ということにも転職してから気がつきました。

人並みにできると思っていたPC操作も、事務で要求されるレベルに達していなかったそうです。会社で教えてもらうにも、先輩の時間を奪ってしまうのに気が引けたそうで、自費でパソコン教室に通うことにしたのでした。

体力的に楽になるはずが…全然楽じゃない

立ち仕事がメインだったフロントスタッフから座り仕事がメインの事務になり、体力的に楽になると思っていたIさん。確かに座ってはいるものの、頭をフル回転させ同時に何個ものタスクを進行させる事務職は、予想以上にハードワークだったそうです。夜勤はなくなったものの、締日前後は深夜まで残業することもあり、想定と全然違う!と思ったIさんなのでした。

奥が深すぎる…事務職という仕事

納品トラブルや事務の入力ミスによるトラブルも多く、クレーム対応も思っていた以上に多いのだとか。クレーム処理には前職で多少慣れていたものの、ここでもか…というのが本音。

事務スタッフの人数も少ないため、メインの貿易系業務以外にも雑務を依頼されることもありますが、雑務分は給料に反映されません。「事務」という仕事の守備範囲が広すぎる…とぐったりのIさんでした。

どうすれば良かった?転職時の注意点

座り仕事で土日休みと、何かと魅力的に見える事務という仕事。実はそんなに甘いものではありません。Iさんは、転職のときにどうすればよかったのでしょうか?
ポイントを整理していきます。

事務職という仕事をあなどるなかれ

事務職は人気の職種ですが、誰でも簡単にできる仕事という意味ではありません。事務といっても、人事系や営業系などの種類があり、高い専門性を求められるものがほとんど。それに加えて、膨大な仕事量を効率よく片付けていくタスク管理力も求められます。事務の仕事の実態を知らず条件だけで選んでしまったのは、Iさんの失敗といえるでしょう。

入りやすさで選ぶと待遇ダウンにつながる

ここまで述べたように、奥が深い事務職。採用するときは、経験者が優遇されます。事務未経験でも入れる会社は限られていて、企業規模が小さい会社だったり、正規雇用でなかったりという場合も。未経験者でも入りやすいことに重点を置くと、給料ダウンになりかねません。
待遇アップを狙うなら、資格やスキルを身につけてから臨みましょう。今回のIさんの場合もそうですが、転職する前には、基本給のみでなく諸手当の有無も要確認です。

他の選択肢は本当にないか?意外な働き口も

土日休みで英語を活かす仕事がしたいのであれば、何も事務職にこだわる必要はありません。土日休みの大学や官公庁でも、英語が活かせる仕事はあります。英語以外の雑務を依頼されるのがイヤなら、派遣型の英文事務や翻訳業務という選択肢も。その場合は時給制になるので、転職前後の待遇をよく比較して検討してみてくださいね。

安易な転職は禁物!奥が深い事務職という仕事

事務職は奥が深く、高いスキルが求められる仕事です。そのことに転職してから気づいたIさん。「こんな自分でも採用してくれたからには、スキルを身につけて応えたい」と語ってくれました。厳しい現実から逃げず、向上心を持ち続けるIさんならきっと大丈夫ですね。突き詰めればどこまでもスキルアップできるのも、事務職の魅力といえそうです。

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