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帯広の人気レストランが語る、コロナ禍だからこそ強まる北海道への地元愛

  • 2020.10.23
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JR帯広駅から徒歩5分の場所に店を構える「yoshiyuki」は、イタリアンとフレンチが融合した人気イノベーティブレストランだ。北海道の豊かな自然の中で育まれる食材を、旅するように楽しみながら味わってほしい−そんな想いで作られた料理の数々が、訪れる人に感動を与えている。現在、道外の客が完全に戻ったわけではないが、オーナーシェフ・西島祥之さんは変わらず、こだわりの料理を作り続けている。人気店のシェフはコロナ禍で何を思ったのか、今の思いを聞いた。

yoshiyuki オーナーシェフ 西島祥之さんHarumari Inc.

十勝管外、道外、海外から訪れる人が多かった同店も、この春は予約のキャンセルが続いた。しかし、気持ちを切り替え、実施している感染防止対策を広く発信したことで、地元客を中心に少しずつ客が戻ってきたという。

「春からは基本的な換気、マスク着用、アルコール消毒はもちろん、通常6組程度は可能だった入店を、1日2組限定にしました。さらに、ご要望がある場合には、席のレイアウトをお客様ご希望のスタイルで用意します。予約を受ける際に、お客様のどんな些細な不安も払拭したいという思いで、自分ができることを、ひとつひとつ積み重ねるしかないですから」

常に新たな視点を持った料理で、食べる人に驚きと感動を与えてきた西島さん。良質な食材を積極的に取り入れるために、日頃から道内各地の生産者のもとを訪れ信頼関係を築いてきた。コロナの影響が強まった春からも、情熱ある生産者と想いを共有しながら、ひと皿、ひと皿に向き合ってきた。

例えばパスタは、イタリアで出会ったマシン「トルキオ」を使い、十勝産小麦で自ら、打つ。卵はオーガニックにこだわる養鶏場から、魚は船上で神経締めを行っている漁師から仕入れ、旬の味を生かしている。

「旅行って、出会いの連続ですよね。その旅の道中でこの店を選んでいただいた方には、北海道の素晴らしさ、食の豊かさ、おいしさ、そして、『この場所に来てよかった』という心からの楽しさを感じてほしいんです。そのために、全身全霊でコースを提供していきたいですね」

コースは、ウエルカムスナックからデザートまで10品。春はミズナラ、夏はレイクロブスター、秋は紅葉、冬は白樺、など、シーズンごとに十勝の自然が感じられる料理が登場する。こうした芸術的なコース料理を求め、訪れるお客さんは後を絶たないが、やはりまだ以前のようにはいかない。そこで西島さんが始めたのが、新しい取り組みだ。

「レストランの売上をカバーできて、皆さんにも喜んでもらえる方法はないかと考え、最近、地元で優れた焙煎技術を持つコーヒービーンズショップと共に、新商品開発を行いました」

監修したコーヒーは、「小麦」「カカオ」「ストロベリー」それぞれの食材に合うコーヒー豆3種類。店でも順次、提供予定だという。

コロナショックの渦中にあっても、今できることをしっかりと形にしていく。そんな大切なメッセージを発してくれた西島さん。北海道を訪れる際には、カジュアルに楽しめるyoshiyukiで、心躍る料理と、西島さんの遊び心に満ちたサービスに触れてみてほしい。

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