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日本拠点企業の会社員のまま!「海外からリモートワーク」体験談

  • 2020.10.21
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新しい働き方として注目の「リモートワーク」。コロナ禍をきっかけに、身近になったという人も多いのではないでしょうか。多様な勤務形態が広がる中で、なかには海外からリモートワークしているという人も!そこで今回は、海外で暮らしながら、日本に拠点を置く企業に勤める会社員2名にインタビュー。海外で働くきっかけや、良かったこと、大変なこと…、気になる実態を教えてもらいました。

やりたい仕事と理想のライフスタイルをスペインから両立

一人目は、PR会社のキャンドルウィック株式会社に勤務するM.Iさん。

PROFILE

大学時代にカナダへ1年間留学し、新卒で同社に入社。外国人のパートナーがいる関係で、アメリカやスペインでの短期滞在を経験。その後一度退職し、オーストラリアに約2年間在住しながら現地の広告代理店に勤務。帰国後は、同社に戻る形で再入社。現在は、スペインと日本の2拠点生活をしながら日本の仕事を続けています。

海外からのリモートワークを始めたきっかけは?

パートナーがスペイン人で、スペインに生活の基盤を移すことになったのですが、日本の仕事が好きで、自分のキャリアを続けたかったからです。

リモートワークにあたり、会社とはどういった話をしましたか?

私の海外でのライフスタイルと理想の働き方を伝えたうえで、担当しているクライアント業務のタイミングを考慮しながら、どういった働き方が双方にとってベストな形なのか話し合いをしました。

リモートワークは互いの信頼関係の上に成り立つと思うので、そういった関係を保てていることと、私のプライベートにも理解を示し、応援してくれている社長に感謝しています。社内には、海外出身や海外在住経験のあるスタッフが多く在籍しており、それぞれの異なる価値観や事情への理解があることも、リモートワークを実現できた背景のひとつだと思います。

海外で働く場合、フリーランスや現地採用など様々な選択肢がある中で、今の形をとろうと思った理由は?

好きな職種、職場であり、自分が貢献できる場所だから。また、英語は話せますが、スペイン語はまだ日常会話程度なので、スペイン国内で仕事を見つけるとなると、まずは語学を学ぶ必要がありました。その間も自分のキャリアを続けて一定の収入を得続けることで、パートナーに依存することなく、良い関係を続けることができると考えています。

実際に海外からリモートワークを始めてよかったことは?

当初は、キャリアかプライベートかどちらかを取捨選択しなくてはいけないと思っていたのですが、今はその両方が充実しています。スペインの田舎、温暖な気候の静かな地域で、パートナーとともに自分の理想のライフスタイルを送りながら、やりがいのある日本の仕事を続けることができていると感じています。

また、日本に住んでいた時は、横浜の自宅から半蔵門の会社まで通勤に2時間ほどかけていましたが、長時間の通勤がなくなったこと、決められた時間ではなくタスクに応じてフレックスで働いていることなどから、通勤と勤務、就寝がメインの生活から自由な時間が増えたという変化も。朝ゆっくりと外を眺めながら朝食をとったり、夕方には街やビーチまでのんびり散歩に出たり、パートナーとの時間も今まで以上にとれるようになり、心にも余裕を感じられるようになりました。

横浜に住んでいると、大好きなビーチに行きたいと思っても、渋滞の中長時間運転しなくてはならず、平日はあきらめて家で休むことが多かったのですが、今では平日の夕方も頻繁にビーチに行くことができています。

海外にいるからこそ難しいことや苦労したことはありますか?

社内外とのミーティングは、時差の関係でスペインの朝6時スタート、なんていうことも。それ以外にも、仕事柄、PR製品の管理・発送やメディアからの急な依頼対応など、物理的に対応が難しい業務もあるので、日本のオフィスで働いている同僚の協力あってこそ成り立っている部分もあります。

海外に拠点を移すことで、仕事以外の点で変わったことはありましたか?

ワークライフバランスの比重が精神的にも身体的にも変わりました。ストレスも緩和されましたね。

今後のキャリアを考えた時に今の経験をどう活かしていきたいですか?

今後も柔軟に自分のやりたいことを実現していきたいです。

やりがいある好きな仕事と理想のワークライフバランス、一見両立が難しそうに見える2つを同時に実現したM.Iさん。オープンマインドな社風はもちろんですが、日頃から周囲と信頼関係を築いてきたことも後押しとなったそう。

“通勤と勤務、就寝がメインの生活”は、習慣になってしまうと気付きにくいもの。いま一度、理想のライフスタイルについて考えてみるのもいいかもしれません。

時差のない韓国から営業職でリモートワークを実現

二人目は、外資系IT企業の日本支社に勤務するY.Hさん。

PROFILE

韓国人の父と日本人の母を持つ。高校卒業まで韓国ソウル在住で、大学進学をきっかけに来日。ニューヨークでの交換留学やロンドンでの大学院進学を経たのち、外資系IT企業の日本支社に就職。再び日本へ戻り、東京のオフィスで勤務していたものの、現在はソウルからリモートワーク中。

海外からのリモートワークを始めたきっかけは?

コロナ禍で在宅ワーク期間が長くなったので、韓国の実家に戻って仕事をしようと思いました。幸い時差がないので仕事への影響は少ないことが、海外からのリモートワークの後押しにもなりましたね。

リモートワークにあたり、会社とはどういった話をしましたか?

上司に相談したところ、すぐ承諾してくれました。というのもコロナ禍で、国内であれば遠方の実家に戻ったり、ワーケーションで地方に行ったりしている人が少なからずいたので、そこまで驚かれず、むしろ「良いと思う!」とポジティブに送り出してもらえました。

コロナの影響で渡航先のビザ状況や滞在地を人事に伝え、承認を得るという事務的なプロセスはありましたが、手続き自体は特に困ったことはありませんでした。

日本の会社員を続けながら、海外から働くという選択肢はもともとありましたか?

営業職でクライアントと対面で会う必要があるので、コロナ前だと考えられませんでした。今ではどの業界のクライアントともビデオ会議で話すことがノーマルになっていますが、それがなければ難しかったと思います。

実際に海外からリモートワークを始めてよかったことは?

外出自粛・ステイホームが必要なタイミングで、生まれ育った場所や家族のそばに帰れたことはとてもよかったと思います。心身ともにヘルシーになったと感じています。

逆に、海外にいるからこそ難しいことや苦労したことは?

日本国内のクライアントに電話をかける際、インターネット電話を使う必要があるくらいで、特にないです。

海外に拠点を移すことで、仕事以外の点で変わったことはありましたか?

新しい趣味を見つけることができました! 日本ではやろうとも思っていなかったゴルフを始めました。韓国では若い女性もみんなゴルフをやっているので、友達と行ったり、レッスンを受けたりしています。

今後のキャリアを考えた時に今の経験をどう活かしていきたいですか?

リモートで行うミーティングでは、対面で話せない分、 今まで以上に表情や会話の『間』を大事にすること、また時間を効率的に使うことが求められます。これらのスキルはコロナが落ち着きリモートワークがなくなっても、今後のキャリアで有効に使えると思うので、是非活用してきたいです!

営業職ならではのコミュニケーションの課題も前向きに乗り越え、韓国からのリモートワークを実現しているY.Hさん。今後ますます多様な働き方が広がるなかで、この経験は大きな武器となるはず。

不安やストレスを感じやすい状況だからこそ、自分にとって安心や快適を感じられる場所がどこなのか、今一度見つめ直してみるのもよさそうです。

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