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カエルやウサギが紙の上で踊るよう♪ 鳥獣戯画展がおもしろい

  • 2015.5.18
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踊るカエルや弓を引くウサギの絵を教科書で見たことがある方も多いのではないでしょうか。東京・上野の東京国立博物館で開催されている「鳥獣戯画展」では、有名な絵巻「鳥獣戯画」をはじめ、貴重な作品群を見ることができます。

高山寺が所蔵する宝が集まっています

「鳥獣戯画」は京都の高山寺というお寺に伝来しました。高山寺は奈良時代に建てられ、鎌倉時代のはじめに明恵(みょうえ)という華厳宗の僧によって再興された古刹で、今もなお多くの文化財を保有しています。

今回の展示では、そんな高山寺所有の国宝や、歴史的にとても貴重な作品の数々を見ることができます。

人もまた、自然の一部なり

会場に入って最初に注目したいのが鎌倉時代に描かれた国宝「明恵上人像(樹上座禅像 )」。当時の作品としては、とても型破りな仏教肖像画だそうです。

絹ではなく紙を4枚貼り合わせたものに描かれていること、主人公である明恵上人が高僧にも関わらず小さいこと、絵の中に小鳥やリスなどの動物が描かれていることなどが、当時としては異例の作品とされています。まるで山水画の中に溶け込むような人物の描かれ方は、 “人もまた自然の一部である”ということを示しています。

この絵の中で描かれている山の風景は、今も高山寺から見られるそうですよ。

ロマンチックな絵巻に浸ってみませんか?

今回、「鳥獣戯画」と並んで展示規模が大きいのが「華厳宗祖師絵伝 義湘絵」という絵巻です。こちらも国宝に指定されていて、明恵が慕った新羅国の華厳宗の祖、義湘(ぎしょう)と元暁(がんぎょう)というふたりのお坊さんの物語がドラマチックに描かれています。

こちらの絵巻は前期と後期で展示内容が変わる予定で、前期(4/28~5/17)では義湘の物語が、後期(5/19~6/7)では元暁の物語がそれぞれ展示されます。

仏の教えを求め、唐に渡った義湘。その義湘にひと目惚れした美しい女性・善妙(ぜんみょう)。恋心と信仰心が絡むストーリーは現代においてもわかりやすく、世俗女性の信心や献身、救済を説いた話は心に残ります。

物語の終盤、国へ戻る義湘の道中の危険を救うために、善妙は姿を変えて大海原へと飛び込みます。そのラストはぜひ会場でご覧くださいね。

飛んだり跳ねたり♪ 躍動感溢れる動物たち

「鳥獣戯画」は日本で最も有名な絵巻のひとつです。そして有名にも関わらず、謎が多いのも特徴です。何を目的に描かれたのか、本当の主題は何なのか、どのようにして高山寺に持ち込まれたのかなどがはっきりしていません。

甲・乙・丙・丁という4巻からからなり、巻ごとに画風が異なっています。さらさらと簡単に描いているようですが、擬人化された動物たちの躍動感あふれる画風は、確かな技量と鋭い観察眼によるものであると感じられます。

約800年前に描かれたといわれるこの絵巻は、平成21年(2009)年から4年の歳月を経て修復されました。表情豊かな登場キャラクターたちと、800年前のものとは思えない美しい質感の絵巻を、ぜひ間近で見てみてください。

よりどりみどりな限定グッズ

今回の展示で注目なのがグッズの数々です。工夫を凝らしたアイテムは種類も多く、何を買おうか迷ってしまうほど。

定番のポストカードやクリアファイルはもちろん、マスキングテープや文香などの文房具から、手ぬぐい、Tシャツなどのファッション雑貨、さらには紅茶やコーヒーまで、展覧会限定グッズに加え、高山寺限定グッズなど幅広いアイテムが所狭しと並びます。グッズを買うだけでも時間がたっぷり必要になりそうです。 普段はなかなか仏教美術に触れることがありませんが、こういった機会に足を踏み入れてみると、いままで知らなかった世界を垣間見ることができておもしろいですよ。

日本文化に触れる心静かな休日を、博物館で過ごしてみませんか。