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十勝の温泉街にある人気・焼肉レストランが今どきでも安心な理由とは

  • 2020.10.19

世界でも珍しいモール温泉が湧き出る十勝川温泉。その温泉街の一角に建つ「大地の匠」は、食肉生産者が運営する焼肉レストランだ。コロナ禍での変化と想いをマネージャーの佐波登志恵さんに聞いた。

質の良い食材を扱っていることや温泉街という立地から、コロナ以前、店には国内外の多くの人が訪れていた。

「コロナの影響が顕著に表れはじめたのは4月ですね。売上が前年比の50%を切って、緊急事態宣言の中で本当にお客様が減っていき、どうしたらいいのだろう、という思いが巡っていました」

営業自粛ムードの中、温泉街の灯りもひとつ、またひとつと減り、「夜の営業中は特に寂しかった」と佐波さん。来客数が激減する中、パート従業員のシフトを十分に組むことができず、退職した従業員もいた。そんな中で、同店の経営トップから言われた言葉が支えになった。

「大地の匠」マネージャー 佐波 登志恵さんHarumari Inc.

「社長に言われたのは、『今は応用力を学ぶ期間』ということ。これまでの仕事を見直し、改善につなげる。臨機応変に店づくりを行う。そういう時間に充てなさい、と助言してもらいました」

5月下旬に数日間の休業を設けた以外は、休まず営業していた同店。そこにも、社長の「必要な人のために、開けておこう」という方針があったという。

「2016年のオープン以来、こんなにお客様がいない状況は初めての経験。社長の言葉を反芻しながらも、やっぱりどこか複雑な想いもありました。でも、できることをやっていくしかない。思考を柔軟に、と意識して前向きに取り組みました」

マスクの着用とアルコール消毒を徹底し、テイクアウトメニューを充実させ、さらに店内メニューを見直した。その成果として、9月には全メニューをリニューアルし、野菜をメインに安心安全な牛肉を楽しんでもらうというコンセプトをより強く打ち出した。

「うちは個室が多く、テーブルの各焼き台とは別に大型換気システムも入っているので、店内の空気を常時入れ替えることができるんです。この環境のおかげで、今は常連さんにも『ここなら安心だものね』と、言っていただいています」

現在は、お客さんの入店と同時に大型換気システムを作動させ、メインフロアの天井付近にある大きなダクトで吸気と排気を行っている。各個室もゆったりとした造りで、人との距離を十分に保つことができる。

「今は、温泉街全体で、Go to トラベルキャンペーンやどうみん割の効果が出始めてきた印象ですね。新たなパート従業員の採用も決まり、やっと体制を立て直せる時期が来たかな、と思っています」

取材はランチとディナーの間の時間帯に行ったが、この日のランチでは6名のグループ客が、全10席の広い個室を使って食事を楽しんだそう。

生産者こだわりの新鮮野菜と、厳選された十勝産牛肉。そして、周辺には美人の湯・モール温泉。この場所に訪れたなら、十勝の自然で、心も身体も満たせるに違いない。(2020年9月18日撮影)

 

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