1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 「どうしてこんな大事な時期に」進学を懸念する親たち…コロナ後、どう生きる?【パパママの本音調査】 Vol.371

「どうしてこんな大事な時期に」進学を懸念する親たち…コロナ後、どう生きる?【パパママの本音調査】 Vol.371

  • 2020.10.14
  • 6863 views



新型コロナウイルスの流行により、これまでの日常が一変しました。まだまだ完全な収束は見えず、この先どんな未来が訪れるのか、想像もしにくいですよね。今回は、コロナ後の世界で親としてどんな不安があるか聞いたアンケートを元に、考えてみたいと思います。

■進学や就職への影響を懸念する人の割合は?

アンケートでは、コロナ後の世界で親として不安なことについて聞きました。その結果、「進学、就職への影響」と答えた人が57.8%となり、最も多い約6割を占めました。続いて、「子どもの対人関係」と答えた人が17.8%となり、二番目に多い結果になりました。

Q.コロナ後の世界で親として不安なことは?
進学、就職への影響 57.8%
子どもの対人関係 17.8%
特にない 12.7%
その他 11.7%


■「どうしてこんな時に…」進学就職への不安



約6割の人が不安を感じているのが、進学や就職への影響でした。具体的な不安の声をご紹介します。

「中3の息子、部活も大会がなくなったので、そのまま引退。中2の終わりに『お子さんの内申書には書くことがありません。ボランティアでもしてください』と二者面談で担任に言われ、コロナで緊急事態宣言。ボランティアなんて受け入れなし。受験も通常ではいかないとニュースを見るたび、不安の毎日で涙がでてくる」(埼玉県 40代女性)
「2人の受験生を抱えていますが、遅れた分の授業と今からやらなければならない授業。スピードが早すぎて混乱する生徒続出。塾もオンライン、学校もYouTube配信。無事に志望校に行けるのか心配」(青森県 30代女性)
「高3の我が子。2月あたりから将来の夢の方向転換をし、そのために急いでオープンキャンパスの日程調整をしていた矢先、どんどん中止に。公立なので、私立並みの教職員のサポートがなく、オンラインの塾でなんとか対策しています」(神奈川県 30代女性)
コロナ禍に受験を控えている子どものいる親から寄せられたのは、進学への不安の声です。休校中の学業の遅れや、部活や行事が中止によって、例年どおりの進学方法がとれなくなった人もいるようで、子どもたちの不安はどれだけ大きいだろうと、胸が痛くなります。さらに、就職にまつわる不安も多く寄せられていました。

「今後コロナの影響で就職先があるか心配です。高三の娘が就職を考えていましたが、さらに2年専門学校に進学する事にしました」(岩手県 50代女性)
「大学1年生ですが、今から就職先の心配があります。景気低迷はこの先しばらくは続くでしょうし、ちょっと前まで売り手市場と言われてきただけにキツいです」(神奈川県 50代女性)
「高3の息子は専門学校希望でしたが、大学希望に変更したいそうです。専門学校の2年だと、コロナの影響が残っていると思うからだそうです」(東京都 50代女性)
「息子が高校三年生で就職活動をしていますが、この前面談で先生から『今年の就職は難しいと思ってください』と言われました。頑張って学校も休まずに登校して来たのに、どうしてこんな大事な時期にコロナが蔓延(まんえん)してしまったのか…」(千葉県 40代女性)

人生の大きな分岐点でもある就職活動においても、感染症の影響が大きいことがよくわかります。親としては子どもの行く末はどうしても気になるもの。

なかでも「就職をやめて専門学校に行くことにした」とか、「専門学校に行く予定を大学に変えた」など、大切な時期に進路を見直すという苦渋の決断をした親子もいました。



■「勉強詰め込んで頑張れ」は学力が心配い…



さらに、進学や就職のタイミングではないものの、学習の遅れや学校行事の中止について不安を抱える人たちからも多く意見が寄せられていました。

「コロナ禍で在学中の学生さんは、例年と比べると授業時間的にできない、知らない事が多い方が当たり前だと思います。それを『休みを短縮して勉強を詰め込んで頑張れ』はあまりに酷だと思います」(東京都 30代女性)
「学校からはプリントの課題が出されるだけなので、学力が心配です。私は自営業で朝から遅いと夜の11時くらいまで会社にいたりするため、毎日みてあげられない。子どもを事務所に連れて来て勉強したりしていますが、毎日となるとなかなか厳しいのが現状です」(神奈川県 40代女性)
学習面での遅れが不安です。 地域により学校の始まるタイミングがバラバラで、このまま受験となった場合に遅れを取り戻すために学校での指導のピッチが早いので、大切なところに重点を置いての指導ができていないと感じます」(千葉県 40代男性)

そのほかにも、「休校分を取り戻すために、すごいスピードの授業で、これを機に勉強嫌いになりそうで心配」という声も寄せられていました。

筆者の子どもも小2ですが、休校中の遅れを取り戻すため、授業で習うスピードは以前に増して速くなっているように感じます。毎日新しい漢字が出題されてテストがあるため、宿題をしながら「もうやだよ」と泣きそうになっていたことも。休校後の学習における子どもたちのストレスの大きさを感じます。

さらに、学校の行事が中止になったことによる子どもたちへの影響を心配する声も。

「運動会に修学旅行、文化祭など、学校でしか体験できないことです。楽しい思い出だけでなく、友だちと協力して何かを成し遂げるための過程で、努力する大変さや楽しさを学ぶ事ができないのは、成長過程において非常に残念です」(愛媛県 40代女性)
「小6の子がいます。小学校生活が最後の年にコロナでいろいろなイベントが中止になりつつあり、もし延期した運動会が中止になったり、一大イベントの修学旅行や林間学校などまでなくなってしまったらと思うと、親としても不安でしかありません。たくさん楽しい思い出を作ってもらいたいのに」(神奈川県 30代女性)
「幼稚園の年長さんです。卒園アルバムの写真も全員がそろわないのでなかなか撮れずだったり、各季節ごとのイベントもできなかったり、経験できたはずのことができないことが不憫(ふびん)です。今は、運動会、遠足が中止になるのかどうなのかってところです。親としては、開催してほしい。でもコロナは怖い。複雑な心境で思い出作りができるのか心配」(福島県 40代女性)

今年は、多くの学校行事が中止になったり規模を縮小して行われています。幼稚園や保育園、そして学校で、子どもたちにとって大切な学びや経験の機会が失われていると考えると、なんとかならないものかともどかしい思いを抱える人も多いのではないでしょうか。

■「友だちと手をつないではいけない」が小学校…!?



アンケートで17.8%の人は「対人関係が不安」だと答えていました。どのような実情があるのでしょうか。

「保育園から小学生へと変わる年代で、日常がすべて新しいことの連続のなかで友だちができるのかが心配です」(神奈川県 40代男性)
「小学校に入学した娘、『友だちと手をつないではいけません』『向かい合って近距離で話してはいけません』『給食時間は私語禁止』。これが学校というものだと理解している様子」(奈良県 30代女性)
「小学生の子どもは外で友達と遊ぶことが多くなりました。うちに呼びたいと子どもがいいますが、お友だちの親御さんがどう考えているかと思うと気軽にいいよと言ってあげられない。どうしたらいいんだろう。大人でも難しいです」(北海道 40代女性)

そのほかにも、「先生は消毒ばっかりで、子どもは子どもでマスクをして話もあまりできない。お互いを守るためだから、頑張らないといけないと思うけど、現実はけっこう大変」というコメントも寄せられていました。

感染予防のため、ソーシャルディスタンスの確保や給食時間の対面禁止など、子どもたちの日常生活でも、直接触れ合う場面は大幅に減っています。そうした距離を保ちながら、対人関係をうまく築くことの難しさを訴える声が聞かれました。

■「外に出るのを嫌がる…」登校拒否が心配

そのほかにも、さまざまな不安の声が集まっていました。

ネット依存が心配。第二波で休校になれば、また学習タブレットやパソコンなどの電子媒体がますます主流になるだろうし、これから必要ではあるけれど、不安です」(神奈川県 40代女性)
「勉強面も気にかかりますが、体の事ですかね、一番は。何カ月もの臨時休校から明けてすぐに元の学校生活に戻す。自分の息子だけかもしれませんが、体がついていけず時々熱を出す」(北海道 40代女性)
「家にいれば安心だと記憶されてしまった。外に出る事が嫌になり、学校に行きたくないと言うことがあります。このまま登校拒否にならないよう親として頑張りたいです」(神奈川県 50代女性)
「学校や習い事が休みになると、『このままずっとナシでいい』と言うように。自粛って便利な言葉だなと感じています。面倒なことは、コロナが落ち着いたらって言えば勝ちですから」(東京都 30代女性)
少しの風邪症状で学校を欠席しなくてはいけなくなる。まだ低学年で1人で留守番できないので、在宅ワークができない仕事をしている身としてはかなり痛い」(愛媛県 30代女性)

今現在だけではなく、今回の感染症は落ち着いた後も、その影響が子どもたちに大きく残ってしまうのではないかと、心配を抱えている親もいるようです。



■子どもたちに「生きる力」を身につけさせるには

コロナ後の世界への心配が尽きない今、どういった心持ちで私たちはいればいいのでしょうか。コメントの中にもそのヒントがたくさんあったので、ご紹介したいと思います。

▼生きる力や心の強さを身につけて



「コロナの前でも後でも関係なく、心の強さを持って生きてほしいです。顔のないネット社会に産まれたからこその強さを」(神奈川県 30代男性)
「今のこの状況をどうチャンスに変えていけるかを、自分でも家族でもよく考えて、少しでもポジティブに考えられればいいなと思っています。前を見て、明るくまっすぐに生きてほしい。親としてはそれだけです」(神奈川県 40代女性)
「コロナのためだけではなく、世の中は大きく変わるでしょう。そしてどのように変化するのかは誰にも予測できません。子どもには世の中に柔軟に対応していけるように、優しくしぶとく生きる力をつけてあげたいです」(石川県 50代男性)

▼どんな時でも親は見守るのみ



「コロナ関係なしに、子どもの進学や対人関係の心配はつきないので、特別コロナだからと心配な訳ではないし、心配してもしょうがない! 我が子を信じるしかない。元気に独り立ちできるように見守るのみ」(神奈川県 30代女性)
「自分たちはいつかはいなくなるのですから、生き抜く力を身に付けてもらわなくてはいけないので、口を出さず、見守る事もあります。でも、必ず子どもたちには言います。『どうしても解決できない時は、いくらでも力になるから言いなさい』と」(愛媛県 40代女性)

▼子どもたちの可能性を信じよう



「高3の息子、周りの大人から見るとさまざまなことが中止になり、かわいそうだと言われますが、本人いわく『全然かわいそうじゃない、だってこれがぼくたちの高校生活だから』と。たくましく育ってほしいです」(神奈川県 50代女性)
「今回の事で感じたのは、子どもの適応能力の素晴らしさです。それなりに勉強し、少し体を動かし、たくさん遊んでお手伝いもし、今与えられた状況を子どもたちなりに一生懸命受け止めてました。私が子どもの頃には経験しなかった事だけど、こんな貴重な経験はなかなかできない! 今を乗り切り成長してほしい」(奈良県 40代女性)

どのコメントも思わずうなずいてしまうようなものばかりでした。感染症の収束はまだまだ終わりが見えませんが、そんな中でも今できることをやろうという前向きな親子の姿が見えてきて、自分たちも頑張ろうと、エールをもらえたように思います。

最後に、こんな声も寄せられていました。

「当たり前だと思っていた日々が当たり前ではなく、ありがたい幸せな日々だったとつくづく思います。災害も多かったここ数年。子どもたちの元気な姿を見て暮らせる日々は、それだけで幸せなんだと思うようにしています」(神奈川県 40代女性)



いま現在、我慢しなくてはいけないことが多い日々が続いています。しかし、コメントにもあるように、「日常ははけっして当たり前ではなく、幸せな日々なんだ」という実感は、きっと誰もが抱いていることと思います。

新しい生活様式の元、これまでできていたことができなくなったり、生活に変化が訪れて、戸惑いがあるのも事実ですよね。ただ、どんな日常でも家族が健康に笑顔で過ごせる日々というのは、けっして当たり前ではなく、貴重なものなのだと気づかされた人も多いことでしょう。

これからの世界はまだまだ想像もつかず、不安を抱いている人も多いとは思います。ただどんな時代に合っても未来が不透明なのは変わらないこと。困難な時代に合っても、前を見ようとする人々も多く、打ち克とうと努力している人たちも多くいます。親としても子どもたちのタフな精神に励まされた人もいるでしょう。だからまずは子どもの力を信じて、大切に過ごしていければいいなと思います。

Q.コロナ後の世界で親として不安なことは?

アンケート回答数:4144件
ウーマンエキサイト×まちcomi調べ

(高村由佳)

元記事で読む
の記事をもっとみる