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コロナ禍で仕事を失い彼に振られそう・・・どうすればいいのでしょうか?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2020.10.10
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお便りの中から、お悩みをひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えします。

「さとうさん26歳」のお悩み

私は付き合って5年の彼氏がいます。
コロナの影響で2月に仕事がなくなり、それから無職です。5月のゴールデンウィークのタイミングで彼氏の家に泊まって、そのまま3週間くらいずっと彼氏の家にいました。
そして、3週間くらい経ったある日、「ひとりになりたい」と言われてしまいました。
私は家にいるとべたべたくっついていたいタイプで、この時もそうしていて、家に一緒にいるとひとりにさせてくれないと言われました。
それから、「結婚したいとか旅行したいとか言うけど、ふたりで居たら食費も生活費もかかるし、ふたりで生活していくお金を俺ひとりで賄うのは無理だよ」と言われました。
この出来事があってから、「ひとりになりたい」って言われる日が増えました。
今までこんなことなんてなかったし、寂しくて悲しいです。
私たちはもう合わなくなってしまったんでしょうか?
わたしがコロナの影響で仕事していないから、虚無感みたいなのがあって、それを彼で埋めようとしているんでしょうか?
コロナの影響でストレスが溜まって、たくさん一緒に居ることで、その気持ちを彼で発散しようとしているのでしょうか?
ひとりでいたいと言われると、わかった!と思える時と思えない時があります。
会えないと言われると、なんで?どうして?とすごく責め立てるような感じになってしまって、喧嘩になってしまいそうになります。
このままだと別れを切り出されそうで怖いです。
どうしてこうなってしまったのかと、これからどうしたらいいのかが知りたいです。

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

さとうさんも彼も、自分の人生に軽く絶望しているということです。言い方を換えると、ひとりでいても明るい未来を想像できないし、ふたりで一緒にいても、明るい未来を想像できない、ある意味、八方ふさがりになっているから、さまざまな小さな問題が生まれている――こういうことが言えます。

男が言う「ひとりになりたい」の意味

「彼がひとりになりたいと言います」とか、「ひとりの時間がないとイヤだと彼が言います」という相談をする女性って、一定数いますね。彼にそう言われると「彼はわたしに飽きたのではないのだろうか」とか「彼はわたしのことがもう好きじゃないのかな」などと不安に思うでしょうから、そのような質問が一定数あって、当然といえば当然でしょう。

でもじつは、男は「ひとりになりたい」と言うのは、希望を見出したいからひとりであれこれものを考える時間がほしい、という意味であって、彼女のことが好きとか嫌いというのとは、また別次元のことなのです。

たとえば、仕事がうまくいかなかった日の夜、男は「ひとりの時間がほしい」と思います。なんならお酒でも飲みながら、仕事中に起こったできごとを反芻しながら、「未来に希望を見出したい」と彼は思っているのです。より厳密には「自分の人生に希望をみずから見出したい」と彼は思っているのです。

このことを、以下に具体的に見ていきましょう。

さとうさんのカップルにおける「絶望」とは

なぜさとうさんの彼がひとりの時間をほしがるのかといえば、ひとつには、さとうさんが無職になったからです。

ふたりとも仕事があれば、ふたりの収入でどうにかやっていけるから、明るい未来を描けるけど、でも相方が無職になってしまうと、自分ひとりの力ではどうにもならない――彼はこう絶望しています。だから、ひとりになって希望をどうにか探したいと思うのです。

つぎに、相方であるさとうさんがコロナのストレスなどで暗い感じになっているのを見て、彼は「自分に=彼自身に」絶望しています。

きっと彼もなんらかの理由で、「いっぱいいっぱい」のところがあると思うのですが、でも彼女がいるからなんとかやってきました。がしかし、相方であるさとうさんが虚無感に襲われているとなると、話はちがってきます。

彼は「おれの彼女ってなんなんだろう、いやだなあ」と、さとうさんのことを否定的に思うのではなく、「おれは虚無感しかない彼女としか付き合えない男なのか。おれの人生っていったいなんなのだろう」と、「自分自身に」絶望するのです。

さとうさんも同じでしょう。彼のふるまいに対して軽く絶望しているし、自分自身に対して軽く絶望しているでしょう。言い方を換えると、自他に対して、なんとなく淋しい気持ちを抱いているでしょう。

これもじつは、より厳密には、さとうさんはさとうさん自身に絶望しているのです。そのようにふるまう彼氏と付き合っている自分に絶望しているのです。彼に対してそのようにしかふるまうことのできない自分自身にさとうさんは絶望しているのです。

つまり、「どうしてこうなってしまったのか」という問いの答えは、さとうさんも彼もともに、自分自身に絶望してしまったからだ、となります。絶望するにきっかけは、さとうさんの相談メールにあるとおりですね。無職、将来に対する不安、コロナ禍によるストレスなどなど。

これからどうしたらいいのか?

さて、これからどうすればいいのでしょうか、ということについて。

現実的には、さとうさんがパート・正社員問わず、なんらかの仕事に就いて収入を得て、彼の収入と足すとふたりで暮らせるほどになればそれでOKということが言えるでしょう。

それぞれがひとり暮らしをするより、ふたりで暮らすほうが生活費は安いですから(このへんのこと、彼は勘違いしてない?ひとり暮らしって、じつはかなり不経済なんです)、ふたりで暮らすといいと思います。

そして、なにより大切なことは、どのような状況にあっても、希望を自分で発電する方法を知っておくことです。さとうさんも彼も、ふたりともがちゃんと知っておくことです。

希望とは、自分が変わることです。自分が変化すること、これが希望です。

簡単にいえば、たとえば、しんどいけど看護師の資格の勉強をして資格をとれば、とる前と後で自分が変わりますね。収入も職場も変わりますね。おのずと自分のあり方(心)も変わりますね。つまり、自分が変わりますね。

いま、この国において、希望を自分で発電する方法をわかりやすく教える人がいません。偉い人たちは、人々が絶望して生きる気力を失くしているくらいで「ちょうど管理しやすい」と思っているので、希望の見出し方なんて教えません。

でも人は希望がないと生きていけません。さとうさんとこのカップルのような人は、このコロナ禍に大勢います。みなさん希望さえあればどうにかなると薄々わかっているけど、その希望をどう生み出すといいのかわかっていません。政治もそれを提示しません。だからなんとなく閉塞感に覆われた雰囲気のまま、だらだらと時が過ぎてゆくのです。

希望とは自分が変わることです。具体的には、たとえば、勉強することであったり、「遊ぶ」ことであったりしますが、これ以上書くと原稿が長くなりすぎるので、もしよかったら拙作『自分を愛する方法』をお読みください。そのへんのことを具体的に書いています。(というか、さとうさんのことを具体的に書いています)。

長くなりましたが、なんらか自分を変えると、さとうさんの未来は明るいです。

お互いがんばっていきましょう!

(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

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