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言葉のドッジボール状態!? 口答えする子どもにイライラしない受け止め方

  • 2015.5.15
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【ママからのご相談】

小学5年生の娘がいます。最近、口がませてきたせいか、何か注意してもすぐに口答えするし、家のお手伝いも全くしません。子どものくせに、やることも言うことも夫とよく似ていて、かなりイライラしてしまいます。 イライラしない子育てと言われても無理です。どうしたらいいでしょうか。

●A. イライラの原因は自分にあるのかも? 深呼吸して見つめてみて

ご相談ありがとうございます。ライターの川中です。

小学5年生といえば、賢い子はかなりおしゃべりも上手になって、「その言い方、どこで覚えてきた……?」と聞きたくなるような返事をするようになるものです。

私自身もよく親に、「口のきき方が悪い」「理屈っぽい」と怒られた記憶がいまだに鮮明にありますし、現在、中高生になった娘たちも、ご相談者様のお子さんような時期がありました。正直、今でもときどきあります。

最初のころはわりと本気で腹を立てていたこともあったのですが、最近はあまり腹が立たなくなりました。それは、私自身が受け止め方を変えたからです。

●イラッとしたら、その場を離れてみましょう

まず、イラっとすることを言われたりされたりしたときは、ちょっとその場を離れて深呼吸してみてください。

もしかしたら、子どもも故意ではなく、その場しのぎで強い言葉を言ってしまったのかもしれません。子どもはまだまだ、感情表現も言葉の使い方も未熟です。思ったことを後先考えず、ポンと口に出してしまうことは多々あるでしょう。

学校でも誰彼かまわす相手を傷つけるような言葉を吐いているわけではなければ、そういうことをしてしまうのは、心を許している親や家族が相手だからです。

そのとき、子どもよりは感情コントロールができる(はずの)親までもが、カッとなって言葉を投げつけてしまったらどうなるでしょうか。言葉のキャッチボールどころではなく、ドッジボールになってしまいます。

もちろん、注意すべきことは注意すべきです。しかし、子どもが感情的になっているときに、親までもが感情的になって頭ごなしに伝えても、一切伝わりません。少しだけ間をおいて、「なんでそういう言い方をするの?」「何か理由があるの?」と問いかけてみてください。意外な本音を聞くことができるはずです。

●やってほしいことをやってもらえたら感謝を

子どもの口答えや行動に腹が立ったり、イライラしたりするときのことを顧みてください。私の場合は、私自身が忙しかったり、何かに取り掛かっていたりするときだと気が付きました。

たいていの場合、自分の心に余裕がないときは、人の言葉が胸に刺さるように感じるものです。「頼んだのに、『いやだ』と言われた」「お願いしても無視をされた」そう考えてしまうこともあるでしょう。でも、子どもには子ども自身のペースがあり、何か理由があるのかもしれません。

「自分がいつもの習慣で何かをしているから、家族もそれをして当然」と、心のどこかで思っていませんか?「わかってくれるのが家族」だと、思い込んでいる部分はないでしょうか? そして、「○○ができないからこの子はダメだ」という前提で話をしていませんか?

ある種の期待を持って子どもを見ていると、おそらく腹が立つことは増える一方になるのではないかと思います。これは人生の伴侶である夫に対しても同じです。なにか自分が指示したことを“やって当たり前”ということは一切なく、自分のやっている通りにやってもらえていたら、それは奇跡的なまでにすごいことなのです。

子どもは自分の半身だと考えてしまいがちですし、家族は家族です。しかし、以心伝心はあり得ませんし、自分が子どものころにできたことをわが子ができるとも限りません。自分とは異なる人間であることを忘れないようにしましょう。

●気持ちを整理して“叱る”ほうが効果的

日記でもメモでもいいので、イライラしたことと、よかったことを、両方とも3つずつ書くようにするのも、自分の気持ちや本当に伝えたいことを整理しやすくなるのでおすすめです。

よく、「“叱る”と“怒る”は違う」と言われます。それは本当にその通りで、カッとしたまま注意をすると本当に伝えたいことが伝わらずに、子どもは、「怒鳴られた」「キレられた」と受け取ります。つまり、ただイライラをぶつける=“怒る”と受け止められてしまい、悪循環に陥ります。

一方、子ども自身が落ち着いて聞ける態勢でいるときに、「こういうときはこうしたほうがいいよ」とか、「こういう言い方は傷つくからやめて」という形で、押し付けずにお願いをすると意外と聞いていてくれます。

もし部屋を片付けないのであれば、「〇日までに片付いていなかったら、いらないものと判断するよ」と期間を決めて区切ることもできます。

頭ごなしに怒鳴られたり、嫌みったらしく注意されたりすれば大人でも腹が立ちますし、やる気がなくなることは多々あります。子どもはもっと敏感です。何度言っても伝わらないのであれば、「伝わる言い方ができていないのかも」と考えなおして別の手段を考えたほうがポジティブですし、互いが変わるきっかけにもなると思います。

同じ出来事が起きたとき、イライラしてしまうのか、それとも笑ってしまうのか。それを決めるのは、自分自身の感情であり、子どもではありません。つまり、子どものせいにして自分がイライラしてしまっているのです。

私はそのことに気付いてから、あまりイライラしないようになりました。もしかしたら、この回答も、「自分のせいにされた!」と受け止められてしまうかもしれません。しかし、見方を変え、受け止め方を変えるだけで、自分の心が楽になるのは本当です。ぜひトライしてみていただければうれしいです。

状況が許さないこともあるかもしれませんが、できるだけ自分だけの趣味や楽しみを作って、うまくストレス発散ができるようになるよう、心より願っています。

【参考文献】

・『アドラー博士の子どものピンチを見抜く法』星一郎・著

【参考リンク】

・実はカンタン! 「怒らない技術」10のコツ | PRESIDENT Online(プレジデント社)

●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)

IT系からインタビュー、コラムなど雑多なジャンルの執筆を手がける在宅ワーカー。21歳のときにデキ婚し、2児に恵まれるも26歳で離婚。以降、女手一つで子どもたちを育てつつ、現在に至る。都内開催の一人親家庭支援や在宅ワーク系セミナーで壇上に立つことも。子どもたちとは少し遠くから見守るスタンスで、それが結構面白い。ポリシーは、「やりたいことがあるなら時間を作ればいいじゃない!」

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