1. トップ
  2. ダイエット
  3. 身体ナビゲーションVol.51「リンパ循環の仕組み」

身体ナビゲーションVol.51「リンパ循環の仕組み」

  • 2015.5.15

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

リンパの流れが悪いとか、滞っているから起こる不調であるとか、よく耳にしますが、実際のところ、リンパが どのように体の中を循環しているか知らない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、リンパ液がどのように循環しているかを解説したいと思います。

●リンパの語源

本題に入る前にちょっと豆知識。リンパの由来はラテン語の“lympha”で、“清らかで澄んだ水”“泉などから湧き出る水”といった意味があります。リンパとは全身に網目のように張り巡らされたリンパ管やその中継地点であるリンパ節、リンパ管の中を流れるリンパ液などの総称です。

●リンパ液が体内を循環する仕組み

リンパ管は静脈に寄り添う形で全身に分布していますが、その分布は左右対称ではなく、体の左半身と右半身では異なる経路を持っています。

左側のリンパ液は両足先からはじまり、足の付け根に向かって流れていきます。そして足の付け根のリンパ管は、骨盤内のリンパ管と合流し“腰リンパ本幹”となります。“腰リンパ本幹”は、左側の胸管で腸からのリンパを集めた“腸リンパ本幹”と合流し、さらに太いリンパ管になります。

“腰リンパ本幹”と“腸リンパ本幹”が交流する際、小腸から吸収された脂質も流れ込み、もともと半透明であるリンパ液が乳白色になります。この合流地点のことを“乳び槽(にゅうびそう)”といいます。そして、乳び槽は左側のリンパの本管である胸管につながっていき、左鎖骨下にある左静脈角に入ります。

一方、右側のリンパ液の流れは右腕と右上半身、右頭部の末端からはじまり、“頚部リンパ節”や“腋窩(えきか)リンパ節”を通って最終的には右リンパ本幹という太いリンパ管になり、右鎖骨下にある右静脈角に入ります。

このように、右側のリンパは左側のリンパに比べ、とても狭い範囲を担当しています。

●リンパ液の量と循環速度

リンパ管を通って静脈に戻るリンパ液の量は1日当たり3~4lほどで、心臓から拍出される血液のわずか2,000分の1です。

循環速度もとてもゆっくりで、心臓から出て行った血液が体の中を一周して再び心臓に戻ってくるまでにかかる時間が30秒から1分なのに対して、リンパ液が足先から静脈にたどり着くまでにかかる時間は8~12時間もかかるといわれています。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

の記事をもっとみる