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独り言の4つのポジティブな効果 独り言のメリットと注意点を解説

  • 2020.10.2
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Credit: depositphotos

「人に迷惑をかけているかも」「変な人と思われているかも」とネガティブなことだと捉えがちな独り言ですが、不安やストレスを発散させて心を安定させたり、思考を整理したりと、ポジティブな効果もたくさんあるんです。

今回は実は独り言で得られるメリットと、独り言をするときの注意点を詳しく解説します。

独り言のメリット

心理学の分野では、「セルフトーク」と呼ばれる独り言。以下では、独り言によるメリットを4つご紹介します。

1. 記憶力を上げる

独り言によるメリットの1つ目は、記憶力の向上です。

独り言をしているとき、感覚機能が働き、つぶやいている言葉を頭の中で思い描きます。例えば、「レモン食べたいなぁ」と独り言を言った場合、頭の中でレモンの香りや酸味、食べたときの記憶が呼び起こされます。これにより、記憶に定着しやすいのです。

ウィスコンシン大学の心理学者Gary Lupyan氏が行った実験では、まずスーパーの中で20名の被験者にさまざまな物体が写った写真を20枚見せ、覚えてもらいます。

その際、10名には対象物を繰り返し口に出しながら見てもらい、残りの10名には声を出さずに静かに覚えてもらいました。

そして、先程まで見せられていた写真の中から、特定の物を見つけに行ってもらいました。その結果、口に出しながら覚えたグループの方が、より早く指定された物を見つけることができたのです。

また、別の研究では、被験者に文字の羅列を見せ、半分を声に出して覚え、残り半分を静かに覚えてもらいました。その結果、声に出した方がより多くを記憶することができました。

このように、独り言は、記憶力を上げるというメリットがあるのです。

2. 集中力を高める

2つ目のメリットは、集中力を高められることです。独り言を言っているとき、脳はその事柄に集中しています。

例えば、デートに着ていく服について、「天気予報によると夕方から雨が降るから、レインブーツを履いて、肌寒くなるだろうからカーディガンを持って、それに合うスカートは…」と独り言を言いながら考えている際、頭の中では靴や服、雨の様子などを思い浮かべているでしょう。

その最中に、「昨日何を食べたか」といった別のことを思い浮かべるのは難しいはずです。つまり、独り言を言っているときは、そのこと以外の思考が入るスペースはないと言えます。

この働きを使えば、仕事で複雑な企画を考える際、独り言を言いながらだと、余計な思考に邪魔されることなく作業を進めることができるでしょう。

3. 思考を整理できる

3つ目のメリットは、思考を整理できることです。人は、日々さまざまな思考を巡らせています。

中でも、「あいつだけは絶対に許せない!」「殴ってやりたい!」と怒ったり、「もうだめだ」「会社を辞めたい」と悲しんだり、激しい感情を伴うときほど、独り言は有効に働きます。

独り言として自分の気持ちや考え、感じたことを言うことで、気持ちを沈め、「なぜそう思ったのか」「嫌いな人間を殴ることで得られるメリットとデメリットは」を考えることができるからです。

また、人によっては独り言によって自分の考えを言語化し、確信や納得することができる場合もあります。エンジニアなど一人で作業をする人が独り言をいうことがありますが、これは自分の考えを言語化することで納得しながら作業を進めていると考えられます。

4. 心を安定させる

4つ目のメリットは、心を安定させることです。独り言の多くは、不安やストレスからきています。声に出すことで内に溜め込まずストレスを発散したり、自分を落ち着かせているのです。

怒りを沈め、冷静に行動するための心理トレーニング「アンガーマネジメント」にも、怒りをコントロールするために、独り言が採用されています。

また、スポーツ選手が精神集中のために独り言をつぶやくときは、「大丈夫、大丈夫」「大したことない」など、ポジティブ感情と結びつくものが多いそう。ポジティブ感情に結びつく独り言を言うことで自分を肯定的に捉えやすくなります。

独り言を言うときの注意点

上記のように、独り言には人の心や脳にポジティブな影響を与える力がありますが、使い方には注意が必要な点もあります。それは、自分や他人を責める言葉は避けるということです。

「あの時もこうだった」「やっぱり自分はダメなんだ」と自分を責めてしまう独り言は、ネガティブな気持ちや出来事から抜け出せなくなってしまいます。

また、「あいつなんか嫌いだ」「まじでふざけんなよ」など、他人を責める独り言は、相手の嫌な部分に目を向けることになり、その印象を引きずったままコミュニケーションを取ってしまいます。その結果、関係性に支障が出てしまうことも考えられます。

「良い独り言」と「悪い独り言」を使い分けて、独り言のメリットを享受できるようにしましょう。

独り言を活用してストレスケアを!

今回は、独り言で得られるメリットと、独り言をするときの注意点を解説しました。

独り言には、記憶力や集中力を高めたり、思考を整理したり、心を安定させる効果があります。独り言のメリットや正しい使い方を知って、勉強や仕事の効率化やストレスケアに活用してみてくださいね!

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