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【経年劣化】果たして、年を重ねることは悲しいことなのか?

  • 2020.10.1

人間は20歳くらいをピークにして、緩やかに体力が衰えていくと考えられています。
アスリートで考えれば30代前半はベテラン、中盤〜後半に差し掛かればもうロートルと考えられています。
ごく稀に、イチローやカズのような例外はいますけども。
読者のみなさんのなかにも「最近お酒に弱くなった」「眠くなる時間が早くなった」「階段の上り下りが辛い」「太りやすくなった」「視力が落ちた」など、日常の生活のなかから体力の衰えを如実に感じる機会が増えてきた。なんて方もいらっしゃるかと思います。
確かにひとは老化します。しかし、この老化現象は失うことばかりなのでしょうか?
「継続は力なり」という言葉の通り、人生を続けていくことによって何か得るものがあるはずです。
今回は、30歳、40歳を超えてから身についてくる力について、考えていきたいと思います。

劣化を経験でカバーする

これは実際に私が経験したことなのです。
30歳を過ぎたあたりからだんだんと視力が落ちてきていました。そんな時期の健康診断で、なんと視力が元に戻ったときがあったのです。
視力検査はよくある、一定の距離にある「C」マークの空白部分の方向を伝えるものだったのですが、割と序盤からぼんやりしてしまって、あまりはっきりとは見えませんでした。
しかし、そのぼやけ方の変化や劣化のパターンを読み取って逆算し、なんとなくマークがどちらに向いているかがわかったのです。
本当はいけないのかもしれませんが、これによって視力が向上してしまいました。
つまりこれは、視力というある特定部分の劣化を、脳味噌が違う昨日でカバーしたということに他なりません。
機械で例えると、劣化したパーツを他のパーツで代用するといったことになるでしょうか。
ある特定の問題が発生したときに「できない」ということを一旦受け入れることによって、これまでの経験から得た別の方法やツールを用いることによって、その問題を解決することができるのです。
これは歳を取ったからこそ得たことであると感じました。

自分のボトムを受け入れる

20代の頃は、ぎりぎり昭和生まれとい時代性もあるのかもしれませんが、「努力をしなくてはいけない」「怠けてはいけない」「何者かにならなくてはいけない」「多くの人に認められたい」という根拠のない漠然とした承認欲求や自己顕示欲みたいなものが渦巻いていて、常に空回りしていたように思います。
「出来ないこともやらなくてはいけない」そのように信じ込んでいました。
こういった不可能な理想を追うという作業は、とても苦しい作業なのです。
挙句、ストレスで体調を崩したり、病院に運ばれてしまったこともありました。自分の限界を感じた瞬間でした。
仕事においてもプライベートにおいても「できないことはできない」「無理をしたら病む」ということを理解したら、途端に生きていくのが楽になりました。
結局、人前にも出られて、お金をたくさん稼いで、女性にもモテて、なんでもこなせるパーフェクト人間なんて、どこにもいないのです。
弱点を強化するのではなく、自分の向いていることをどんどんやるべき。これは若い頃はよくわかっていませんでした。

知識、ノウハウは蓄積され続ける

以前、仕事で私がもっとも尊敬する総合格闘家にお会いする機会ありました。
その際「50歳を過ぎてもなお技術は向上し、どんどん上手くなっている」仰っていました。
スタミナや体力は若いひとには敵わないかもしれませんが、技術は歳を重ねるにつれて向上し続けるのです。
ある意味では悲しいことに、人は過去の出来事からしか学ぶことができません。
世の中にある書物、教材、WEB上にある情報はすべて過去に作られたものです。
したがって歳を重ねるほど、特に意識的に何かを学ばなくても、自分に流れた時間の蓄積とともに必然的にノウハウが蓄積されていくはずです。
ただ指を加えて時間の眺めをぼーっと眺めているのか、それともそれらを自分の糧として、この先の人生に必要な道具として生かすのか。
捉え方次第で、何歳であっても未来はあなた次第でいくらでも変わってきます。

“削ぐ”と楽になる

衰えていく体力と同様に、歳をとるとともに無駄な要素を削いでいくということが、歳を重ねることのメリットだと思います。
これはあえて要素を「断捨離」するというのとは違い、なんとなく無くなっていくものです。
「自分に必要のない物」を本能的に理解し、執着心を抱かなくなると、ある意味で生きていくうえ最強なのではないでしょうか?

さいごに

以上、歳を重ねることによるメリットとデメリットについて、お話ししてきました。
「昔はよかった」と、失ってしまったものに未練を残さずに、今あるもの、そしてこれから得ることができるものを大切にし、かっこいいおじいさん、おばあさんになれるよう、お洒落に歳をとり続けたいものですね。
(吉田ヨシヲ/ライター)


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