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ママを悩ませる「子どもがかわいそう問題」。どうしたらいい?【助産師】

  • 2020.11.24

「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は赤ちゃんを保育園に通わせることに関するご相談です。

Q.保育園に通わせるのはかわいそうですか?

明日から1歳になる息子が保育園に通うのですが、親戚からこんなに小さいのに保育園に通わせてかわいそうだと言われます。確かに親と一緒にいる安心感は大事ですし、私もずっと一緒にいられるならずっと一緒にいたいです。保育園に通わせるのはかわいそうですか?

宮川めぐみ助産師からの回答

お家の状況もそれぞれだと思います。離れている時間があることは寂しいことかもしれませんが、離れていた時間があるからこそ、より一緒に居られる時間を大切にされることもあると思います。なので必ずしもそれでかわいそうということにはならないと思いますよ。


いろいろな見方をされると思いますが、質問者さんが息子さんとの時間を大切にされて、一緒に過ごしておられたら、それでいいのではないかと思いますよ。生まれて数カ月から保育園に行くこともあります。親子それぞれで、大切にしていることを通しておられたらいいのではないかと思いますよ。


※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー

※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください

ママたちを悩ませる「3歳児神話」、実は根拠がない

「保育園よりも幼稚園の方がいい」という考えが、世の中にあると感じます。共働き世帯が増えてきて、この風潮は少なくなってきているようにも感じますが、依然その考えの原因になっているのが「3歳児神話」です。


3歳児神話は、”子どもは3歳頃までの間に「母親の手元」で育てられないと、成長に悪影響が及ぼされる”という考え方です。1950年にボウルビィという医師によって提唱されたとされています。

この考え方は、平成10年の厚生白書で”3歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない”とされています。


なので、保育園に預けることは、子どもの発達、成長に影響を与えることはないと考えて大丈夫です。先ほど出てきたボウルビィも”母親的関わり”が大事と書いていて、アメリカの研究でも保育士さんに愛情を持って育てられれば、成長に影響はないという結果が出ています。

保育園に行くメリット・デメリットは?

保育園に行くと、多くの子が風邪を引きやすくなります。フィンランドの研究でも、保育園に通っている子の方が、通っていない子よりも風邪をひく回数が多いと結果が出ています。ただ、保育園に通っている子は、小学校になってからの風邪の頻度が、通っていない子よりも低くなることがわかっています。


発達に関しては、保育園に通うことによって、言語発達が改善するという指標があります(これは、3歳半の子にたいしてのデータですので、大人の時に言語発達が差がでるかは示していません)。

きょうだいがいる子の方がおしゃべりが早いと言われているので、子ども同士の関わりが子どもの発達をうながすのだと思われます。


保育園は、小学校入学以降の風邪に関してや、発達に関してメリットがあることがわかります。とはいえ、ママのそばにいたい盛りの子どもが預けられることが多いので、預ける時に子どもが泣いてしまうことも多くあります。そんな子どもの姿を見るのがつらい、ということはよく聞く話です。

保育園に行く・行かないに関わらず、大事なこと

「保育園に子どもを通わせると、母親の幸福度が上がる」ことも先ほどの研究からわかっています。母親の幸福度が高いと何がいいかというと、虐待の防止に役立ちます。虐待までいかなくても、母親が幸福で穏やかだと、子どもの精神も安定します。


保育園に行くか行かないかに関わらず、ママの精神的安定は家族の幸せにとても重要ですので、子どものためにもママの幸せをママ自身がきちんと考えていただきたいと思います。


※参考:ニュース(ママネタ)「「3歳児神話」はウソ!保育園児はかわいそうなんかじゃない。【3児ママ小児科医のラクになる育児】」【著者:医師 保田典子 先生 小児科 | 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師

ベビーカレンダー編集部

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