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パリ9月のマルシェ「ヴァカンスの思い出の味、ブランダード」

  • 2020.9.24

ヴァカンス明けにオーベルカンフのマルシェに行ってみると、ロックダウン明け以来閑散としていたのが、やっといつもの活気が戻ってきていました。

朝の光が眩いこと!

しばらく見かけなくなって心配していた人たちも、いつの間にか復帰していて、勝手にホッとしています。

行きつけの八百屋のスタッフも元気で良かった!!

毎年、真夏から秋のはじめまでの愉しみのひとつは、露地もの、畑で熟してから収穫されたトマト。ひび割れ、傷アリでも気にしない。とにかく太陽の味、子どもの頃に畑で食べた懐かしい味がたまらないのです。熟れ熟れさんたちをたくさん買って作るのは、自家製めんつゆと熱々のニンニク油をジュ~っとかけたトマトそうめんや、生トマトソースをからめたカッペリーニにバジルをどっさりのせたもの。

セップ登場!これが出てくると、ああ、秋になったなぁとうれしいやら夏の終わりを感じて切ないやら。お吸い物、パスタ、旨みを閉じ込めたラビオリもいいな。

ジロール茸のオムレツが食べたくなる。

秋のフルーツも続々と。

アルザス名産、黄金色のミラベル。夏の終わりから出てきて旬があっという間に終わってしまうので、逃さないように愉しみます。

今年もブドウが豊作だったようで。

レーヌクロード(左)にプルーン(右)と上には初物のイチジクが出てきてうれしいうれしい!これは早速、生ハムのおともに。(秋のおいしいフルーツは、特集“パリの公園でピクニック!”のアペロ編で味わいます。どうぞ、お楽しみに!)

これからが旬のカボチャや根菜も、どんどん出てきます。

大好きなピカルディの農園の人たちもマスクとビニールでしっかりガードしていますが、とにかく元気で安心。

ここで必ず買うのは、ジャガイモ、リンゴや梨、そして季節ごとのフルーツを搾ったジュース。

ブルターニュの地鶏屋のおじさんも無事でした。

豚肉専門店もいつも通りでありがたい。

ここでは、挽肉、肩ロース、バラ肉などを。回転が良いので常に鮮度よし!

さて、魚屋はというと、北の港町ディエップ(Dieppe)からの新しいスタンドが。なかなか良い品揃え、新鮮そうなので、これから試してみます。

魚屋ロレンツォ(Lorenzo)には鮭の頭2.50ユーロ!

行きつけのところには、珍しくカジキが鎮座。

マダムたちが仕切る人気のチーズ屋も、いつものように繁盛していました。

今日、ご紹介するのは、この夏の思い出の味。ヴァカンスを過ごしたサンマロで、船に招待してくれた友人が作ってくれたブランダードが本当においしかったので、パリに戻ってからピカルディの農園のジャガイモで作ってみました。一口食べて、潮の香り、船の上のアペロとディナー、楽しかった時間が蘇ってきました。

■鱈のブランダード、オリーブ風味Brandade de Morue à l'huile d'olive

ー 材料(4人分)生鱈400g塩小さじ1(鱈を茹でるため)ジャガイモ500gニンニク(みじん切り)1片玉ネギ(みじん切り)1個タイム少々オリーブ油大さじ3~4塩、コショウ各適量ー 作り方1. ジャガイモの皮を剥き水から茹でて、串がすっと通るようになったら、湯を切って、熱いうちにポテトマッシャーで潰す。2. 鱈と塩、かぶるくらいの水を鍋に入れ、中火で茹で上がったら、骨や皮を取り除き身をほぐす。3. フライパンに、ニンニクとオリーブ油大さじ2を入れてから中火にして、ニンニクの香りを出す。玉ネギを加えて炒めてから、タイム、鱈を入れて混ぜる。4. 3に1のジャガイモを合わせて、残りのオリーブ油、塩、コショウを入れ混ぜ合わせ、味を調える。5. 耐熱のうつわに入れ平らにしてから、200℃に温めておいたオーブンの上段に入れて、15分ほど焼く。軽く焦げ目がついたら出来上がり。

*チーズをのせて焼いてもよし、お好みでレモンをかけて。

家では、マルシェの乾物屋で買った塩鱈を1日水に漬けて塩出ししてから使っていますが、日本では生の鱈を塩茹でした方が作りやすいと思います。バターやクリームを入れる人もいますが、これはオリーブ油で軽く、タイムを利かせて、ちょっとプロヴァンス風にしてみました。

冷めてもおいしいので、ピクニックにもおすすめです。これからの季節にぜひどうぞ!

Marché Popincourt  マルシェ・ポパンクールBd Richard-Lenoir 75011 Paris(rue Oberkampf と rue Jean-Pierre Timbaudの間)営)火・金7時~14時30分

SACHIYO HARADA料理クリエイター長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。Instagram : @haradasachiyo

 

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