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「Le fil rouge(ル フィル ルージュ)展」@エスパス ルイ・ヴィトン(東京・表参道LOUIS VITTON7階)

  • 2015.5.12
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エスパス ルイ・ヴィトン(東京・表参道LOUIS VITTON7階)で始まった展覧会「Le fil rouge(ル フィル ルージュ)展」。

 

 

Le fil rouge(ル フィル ルージュ)とはフランス語で「赤い糸」という意味です。

赤い糸と聞くと私たち日本人は、左手の小指にある見えない「運命の赤い糸」を連想すると思いますが、西洋では物語やディスカッションなどを通じて何度も登場し、その筋道になる要素やテーマを示しています。

 

「糸」をテーマにエスパス ルイ・ヴィトンがある東京、ミュンヘン、パリの三都市で8人のアーティストの作品を紹介しています。

 

テーマは一貫していますが、パリではサイト・スぺシフィック・インスタレーション(5月3日まで)、ミュンヘンでは刺繍を使用した作品(4月11日まで)、共同企画を締めくくる東京ではその集大成として、刺繍作品、糸を使った絵画、インスタレーション、新作映像作品という非常に濃い内容となっています。

 

・ガーダ・アメール「Color Misbehavior」(2009)

エジプトのカイロ出身の女性作家による、キャンバスに刺繍をした作品。

彼女は絵画というものは男性が生み出したものと考え、女性の立場によって表現できるものが他にないかと考えたときに刺繍に行き着きました。油絵における男性的な歴史と女性の家庭的な伝統ある活動を合わせ、その境界線を曖昧にしています。

こちらの作品は、女性がエロティックな体位をしたものが施されていますが、その形は曖昧でよく見ないとわかりません。そこでいくつか疑問に思い、作者の方にお聞きしました。

 

・なぜ曖昧にしたのか? 曖昧さはモザイクのつもりなのか?

・女性の家庭仕事である刺繍でのエロティックな表現には皮肉な意味も込められているのか?

 

回答は、エジプトでは女性はつねに裏で家庭仕事をしていても、心にはもっともっと自由な思想がたくさんあることを示す表現ということ。皮肉な意味は特にないのだそう。

 

イスラムの女性には黒いヴェールを着ることが義務づけられており、治安があまりよくないエジプトで、衣服を脱ぎ、自由な体位でいることをカラフルな糸で表現することが、いかに“自由“という意味合いをもつのか。

国によって異なる女性の在り方について、この作品を通じて考えさせられました。

 

・タティアナ・トゥルヴェ「250 Points Towards Infinity」(2009)

 

この作品はイタリア生まれの女性作家によるインスタレーション作品。

250本の測鉛線が、すべて鉛直ではないラインで吊るされています。
現実世界でありながらどれも垂直になっていないことにより、物理的法則とは異なっているため常識を超える状態になっています。
また垂直ではないことがまるで私たち人間の心を映しているような作品です。

 

・マイケル・レデッカー 「mimicry」(2014)

こちらはアムステルダム生まれの男性アーティストによる作品。

絵画と刺繍によってできているこの作品は、ハイアートとローアートの混在と作者が解説しています。

それは平凡と独創、日常と異常などといった相互作用を生み出します。

 

・ハンス・オプ・デ・ベーク 「The Thread」(2015)

ベルギー出身の男性アーティストによる映像作品。
アジアでよく言われる「運命の赤い糸」をモチーフに、日本の文楽から着想を得て制作されています。
ふたりの若い男女の愛と死を主題にしている悲恋の物語です。

こちらの作品をご覧になる際は人形遣いの動きにも注目してください。
きっと、人形たちに魂が宿ったかのようにその息遣いや鼓動が伝わってくることでしょう。

 

様々な糸の表現を、このエスパス ルイ・ヴィトンで感じてみてください。

配布されている無料の図録には、東京ではなくパリ、ミュンヘンの作品も紹介されているので、見応えが十分にあります。

 

 

【展覧会情報】

 

Le fil rouge

 

期間:2015年4月8日~5月31日

住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階

開館時間:12時~20時

HP:http://espacelouisvuittontokyo.com/ja/

 

文 / 藁科 早紀 写真 / 丸山 順一郎