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共働きの年金事情を解説!年金の基礎知識を学ぼう

  • 2020.9.7

国の社会保障制度の一つに、年金があります。
年金は、実は夫婦の働き方(雇用形態)によって受給できる額が変わる仕組みになっているため、いざという時に困ったことやトラブルにならないよう基礎知識をしっかりつけておきたいものです。
将来年金がもらえない日が来るかもしれない、年金の支給額が法改正で減額されるかもしれないなど、いろいろと問題が取り沙汰される年金。いずれは他人事ではなくなりますし、何も知らないと思わぬ損をしてしまうかもしれません。

そこで今回は、「共働き夫婦の年金事情」を解説していきたいと思います。

公的年金について解説

まず「公的年金」とはどんな制度なのか、内容や特徴を見ていきましょう。

公的年金とは?

公的年金とは、国の年金制度の総称です。
日本には、年金制度が2つあります。

・国民年金
・厚生年金

これらの年金制度の総称が、公的年金ということになります。

公的年金制度の種類

日本の公的年金制度には、「厚生年金」と「国民年金」があると説明しました。それでは、この2つの年金の内容や特徴を見ていきましょう。

まずは、基礎年金となる国民年金からです。国民年金は、20歳~59歳の国民すべてが加入する年金制度です。
国民年金に上乗せされる厚生年金は、企業などに勤める会社員や公務員が加入する年金です。つまり厚生年金に加入している人は、国民年金と厚生年金の両方に加入していることになります。

国民年金が「基礎年金」、厚生年金が「上乗せ年金」と言われるのはこのためです。厚生年金加入者のほうが年金として積み立てしている額が当然多くなるため、国民年金のみの人と比べると、厚生年金に加入している人は年金の受給額も多くなります。

共働き夫婦の年金

次に、共働きをしている夫婦の年金について、実際に受け取れる年金額を見ていきましょう。

夫婦の働き方によって年金が変わる

共働き世帯の場合、年金として受け取れる金額は「働き方」によって変わります。同じように働いていたとしても、雇用形態や勤務先などによって年金の受給額は変わるということです。

たとえば夫婦ともに高収入を得ていて、二人とも正社員として働いている場合は、それぞれが国民年金と厚生年金に加入しているため、夫婦合わせてもらえる年金額は多くなります。

他によくあるパターンとしては、夫が正社員、妻が派遣社員や契約社員などの非正規雇用というケースです。この場合は、それぞれが厚生年金と国民年金に加入していますが、夫と妻の年収に開きがあるため、年金の受給額にも差が出てきます。夫のほうが少し受給額は多くなるはずです。

では夫が正社員、妻がパートの共働き夫婦はどうなるのでしょうか。妻は、場合によっては厚生年金に加入していないケースも考えられ、当然年収にも相当な開きがあります。この場合は、共働きでも夫と妻の年金受給額に差が出ます。

共働き夫婦が損をしないために

共働き夫婦の年金について、注意しておきたいポイントがあります。ここからは、配偶者加給年金という制度に注目してみましょう。

配偶者加給年金とは、夫の厚生年金の加入期間が20年以上で65歳に到達した際、妻が65歳未満であれば受給される年金のことです。

とてもお得に見える制度ですが、配偶者加給年金をもらうためには、妻の厚生年金加入歴が20年未満でなければなりません。共働き夫婦が損をしないためには、妻の厚生年金の加入期間を調整することが大事なポイントになります。

配偶者が死亡した場合はどうなる?

では、配偶者が亡くなった場合は、年金の受給額はどうなってしまうのでしょうか。

その場合は残念ながら、配偶者が受け取っていた基礎年金・厚生年金の支給はゼロになってしまいます。共働き夫婦なら年金の支給額も増えるので老後も安心…と思っていると、思わぬ落とし穴があるので注意しましょう。

たとえば、夫婦合わせてもらっていた年金が30万円(夫15万円+妻15万円)だったとすれば、夫が亡くなると年金の受給額は15万円になってしまうということです。

離婚時の年金分割制度とは?

老後に、死別ではなく離婚で夫と別れた場合、年金の受給額はどうなるのでしょうか。

「年金分割制度」という制度があるので、確認しておきましょう。これは、離婚するときや離婚した後などに、夫婦の一方の厚生年金を分割することで、もう一方の配偶者の年金を補てんする制度です。

この「分割請求」は、離婚から2年以内に手続きしなければなりません。制度の存在や内容に加えて、2年が経過すると請求できなくなることを覚えておきましょう。

共働き夫婦は、働き方によって年金の受給額に差が出る

公的年金は、国から提供される年金制度の総称です。公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て構造になっており、国民は全員国民年金に加入し、会社員や公務員などは厚生年金にも加入することで、65歳から年金を受給することができます。

共働き夫婦の場合は、それぞれの働き方によって年金の受給額に差が出ることがあります。単純に「共働きをしていれば年金をたくさんもらえる」と思っていると、受給額が意外と少なくて戸惑うかもしれないので、年金の特徴や仕組みについてはよく理解しておきましょう。

文:C・M
監修者:ファイナンシャルプランナー歴5年 北野小百合

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